『第31回ABCお笑い新人グランプリ』

もう先に感想書いている人たちも、「この感想は相当厳しい表現になります」とか「この結果に満足な方は見ない方が良いです」という前置きがあった上での感想になっていますが、今回は僕もそう言う前置きしといた方が、良いような気がしています(笑)。
最初に書いておきますと、今回の本当の最優秀は藤井隆、次が横山たかしトミーズ健酒井くにお・とおるだったという所も含めて、進めていきたいと思います。ちなみに僕は予選も観戦しているので、それも踏まえた感想をしたいと思います。

さらば青春の光 コント「校門」

どうして予選でやった方のネタをやらなかったのか? というのは予選では違うネタで、上位三組に入る出来だったというのもありますが、トップバッターというのは、ABCは予選のすぐ後に抽選会をしているから分かるんだから、賞レースの昼間番組のトップ出番で、シモネタと変態行為がメインボケというネタは、二本目とか後半出番なら分からなくはないけど、避けるべきだったと思います。良いネタもう一本あって、それで予選を通過したのにもったいなかった。
あと東口はいつの間にか2丁拳銃修士そっくりになっていた。

ガスマスクガール コント「壊して遊ぼう」

去年のM-1敗者復活戦の感想の後ぐらいから、僕がずっとこのブログで書いている。安易にブラックな方向に走るネタの最たるものでした。子ども番組という体で、単にブラックなことをするだけで、ボケとして成立にしていたのは『ごっつ』の頃まででしょう。
実はこのコンビも予選は違うネタだったんですが、他のネタ見て決勝に上げたのに、本戦でこんなクオリティゼロの作品を出されたら、審査員もたまったもんじゃないでしょう。去年に審査員特別賞を獲得したこともあり、甘く考えていたのかも知れないですが、このコンビぐらいの知名度や経験値のコンビが、勝ち抜き二回戦制の賞レースで、一本目にネタを温存するというのは、大間違いでしょう。
このコンビに関しては、ファンだという女の子からも、「ガスマスクは『走馬燈』以外のネタはないですよ」という話を聞いていたのですが、まあ予選には何とか一本用意できたけど、もう一本は用意できなかったのに、ネタ温存してしまいました。というのは色々と経験不足から来る、甘さに尽きるでしょう。このネタで、あの審査員で、銀シャリモンスターエンジン、ソーセージ、ウーマンラッシュアワーという、事務所の先輩に上回れると思ったのは理解に苦しみます。負けるのなら負けるで、精一杯の手を尽くしてという形にならなかったのが残念です。

プリマ旦那 漫才「バイト」

僕は嫌いな漫才というか、並列ネタの中で一番最悪な形と考えている漫才に、「ボケを輝かすための天丼」ではなく、「天丼ありきでボケを用意、配置していく」というものがあります。このネタとか、2007年のM-1の千鳥のネタ、松本人志に「ショートコント見せられているみたい」と言われたやつですが、これは松ちゃんのコメント凄い的確だなあと感じたのですが、結局は同じボケ、オチが同じのシュートコントを三本やっているだけなんですよね。それを天丼や裏切りを仕掛けているようにして、巧いこと見せようとする、というのは、あまりにも小手先だと思います。
だってそういうショートコントなら、「武勇伝」「おかしな話」「あるある探検隊」「ラララライ体操」「神々の遊び」というような、ショートコントを見せる仕掛けを、色んな人が工夫している中で、ショートコントの羅列を、巧い漫才に小手先で見せようとするのは、色んな意味でしゃらくさいですよね。ただこういう小手先の天丼は、ここ数年ずっと大阪の若手の間で流行ってるんだよなあ。
西村和彦の審査コメントは、本気で褒めているのか、褒めているように見せかけて皮肉っているのか、なかなか判断が付かなかったですが、モト冬樹「笑いたいなって気持ちがあったから」というのは、厳しく審査コメントしますという風に、おもいっきりギア入れ替えましたよというご挨拶のように思えました。
しかしプリマ旦那は、M-1準決勝、この大会の決勝に残るきっかけになったネタを、しっかりやりきっただけでなく、M-1敗者復活戦と比べて、弱かった下りが入れ替えてあったり、というのも好感は持てました。

銀シャリ 漫才「犬のおまわりさん」

現在の最大の勝負ネタを温存しての一回戦、このクラスの芸人で、きちんと二本目このレベルを用意できる芸人以外は、ネタの温存なんてしてはいけないですよね(笑)。後の面子を考えても、また良いネタを残していることを考えても、この段階で今年の最優秀は決まりだと確信していました。

コマンダンテ 漫才「惑星の位置」

あんまりタイトル付けるのに意味がない、すぐに世界観が設定から外れるシュールなネタですが、まあ一応ね。M-1敗者復活戦では、ベタな導入からゆっくりとシュールな方向に向かっていたのに、早く受けるところが欲しかったんでしょうが、あまりにもシュールに走るのに急ぎすぎた。
まあはっきりいって、こういう決勝の場所に出てくるのは、まだ早すぎたと思う、これは本人達の責任ではなくて、選んだ人たちと、低レベルの周囲が悪い。でも敗者復活戦でも思ったことですが、大阪の結構なベテランの作家(M-1の審査員ではないです)とかでも、「コマンダンテが、今年のM-1決勝に残らなかったら、M-1の価値はない」とかブログに書く人がマジでいるので、少し変化球を投げている振りしただけで、物凄い高い評価をする人がいるのが、大阪のテレビ界、お笑い界なので、変な方向に持っていかれないで、きちんと成長してもらいたいです。

ソーセージ コント「家族の団欒」

何だろう、本来コントがメインの人たちだから、こういう事を言われるのは、甚だ心外だとは思いますが。漫才コントだと気にならないけど、コントになるとこの三人の演技力の無さが、普通に気になりますね。山名のキャラ幅の無さ、藤本と秋山の一本調子が引っかかって仕方ない。ここだけは、大竹まことにいて審査コメントして欲しかった(笑)。漫才コントなら、お客さんの脳内補完に頼れるけど、コントってそうはいかんからなあ。

和牛 漫才「鶴の恩返し」

去年のM-1の準決勝、敗者復活戦で、去年のこの番組で大竹まことに、全否定されていた「ジャニーズ」のネタやっていた時点で、いま自信のあるネタがないんだろうとは思っていたけど、どうして『漫才アワード』のネタやらなかったんだろうなあ? モンスターエンジンにも銀シャリにも勝ってるんだから、素直にやっても良かったような気がする。
ネタの感想としては、前半で受けなかったボケを、天丼でもう一度やっても受けるわけがないということ、後半に向けての仕掛けとして、色んな事をやりすぎた結果、モトさんが言うところの「最初がね、ちょっと停滞した感じがした」ということになった。最近の大阪の芸人が、振りが長いといわれる所以でしょう。
あとコントインしてからも、最初は水田が鶴で、川西がお爺さんをやって、水田が出来ないというかやらないから、配役を変わるという流れは、なんか改めて気にしてみると、まどろっこしいですよね。これって多分この設定でネタを作ると決まった時に、お爺さんで出来るボケと鶴で出来るボケを、どっちも考えていって、おそらくお爺さんの方が良いボケが沢山浮かんだから、お爺さんをボケが演じることになったけど、鶴のほうのボケで、これだけはやりたいから、最初はボケが鶴をやって、すぐに入れ替えよう。不自然なのを隠すために、これを天丼に使おう。というネタ作りの過程まで、想像してしまいました。
でも流れを停滞させるようなボケは、それが単体でどんな良いボケでも、勇気持って外すことを考えないとダメですよね、漫才は個々のボケではなく構成で笑わす演芸なんだから、それか別にボケとツッコミなんて、ガチガチの決まり事じゃないんだから、鶴とお爺さんの漫才コントで、お爺さんをメインボケが演じたとしても、別に鶴のほうがボケてはいけないなんてことはないんですからね。

カバと爆ノ介 コント「YouTubeで先輩芸人の動画を流す」

予選の受け具合では、まあ決勝にいっても文句は出ない出来でしたけど、それでも「これは決勝にいったら、酷い目にあうだろうなあ」というのは、多くの観客が思ったんじゃないでしょうか。
とりあえずジャルジャルにも、最近僕は良く言っていますが、痛い先輩やつまらない若手を対象にしたような、芸人楽屋ネタを本ネタとしてやるのは、色んな意味を込めて止めておけと言いたいです。貴方達が思っているほど、それは決してお客さんに伝わらないし、伝わった時はそれは悪意だけを、生で受けてしまうこともある。
YouTubeの唐突なところ、というかYouTubeが何なのかという説明もなし、案の定、柴田理恵さんは全く分かっていなかったようだけど、これは柴田理恵が悪くない。そして藤井隆はネタ終了前に、コメントしてしまうというハプニングがあったけど、予選の段階でも分かりにくかったし、そもそも再明転までして、見せるほどのオチでもないんだから、決勝ではあの下りはごっそりカットするべきだと、帰路で一緒に見ていた人と話しましたが、最悪の展開になりましたね、あれも藤井隆は悪くない。

モンスターエンジン 漫才「スポーツ実況」

去年も今年もM-1と同じネタを予選でやって、直前のM-1決勝でそのネタですべったばかりだから、決勝では出来なかったというのを、二年連続で繰り返したモンエンですが、相も変わらない西森の一本調子でがなりあげるネタで、普通の年なら「はい、消えた」という出来だったんですが、他がここまで低レベルなら、最終決戦に残っても仕方ないですね。
ネタに関しては、もう実況当て振りネタは、もういいやという感想しかないです。時代劇とかヒーローごっことかと同じぐらい、いま流行りすぎでしょう。設定に手垢が付きすぎている上に、麒麟より面白くなってないんだから、モンエンだけでなく、みんな避けるべき設定だと思います。

ウーマンラッシュアワー 漫才「バイトリーダー」

一回目に見た時は、ムラセンをきちんと、見る人の対象を広げたネタに、うまく仕上げてきたなあと思ったのですが、二回目見ると「あー少し言葉入れ替えただけで、ムラセンと一緒だな」と思いました。
以下、審査時間を使っての客演とコーナーが延々と続きます。客が疲れていないし、そもそも客演は目当てではないから、客が全く笑わない。しかも昔の大阪の若手お笑いファンは、自分の見たくない人たちの時は、露骨に下を向いたり、私語をしまくったりして、のりお、巨人が本番中にブチ切れ、酒井とおるが「ここで笑わなきゃ、笑うところないよ」を発案したという時間です。某ベテラン芸人が「一番やりにくいテレビの舞台」と言い切っている時間が始まりました(笑)。

天竺鼠 コント「ダンス指導」

ギャロップ 漫才「タクシーの怪談」

かまいたち 漫才「悪質な訪問販売」

チョップリン「第二の志村けん

天竺鼠は笑い取っていたし、チョップリンも自分の世界という言い訳が効くネタでしたが、ギャロップかまいたちは、つい最近最優秀を取ったコンビとして、客演で出てこの程度のことしか出来ないのに、悲しくなってしまいました。

矢野兵動 漫才「満員電車」

千鳥 漫才「蒸しあなご」

そろそろ千鳥は、いま君たちにはこれ以外のネタがないのか!? と、言いたくなってきた(笑)。今日はこの後、敗者復活戦の録画放送で、もう一回見るのも決定しているし(笑)。アメザリが毎年ゲストに呼ばれるのは、審査員はみんな大絶賛していたのに、その年あった一般客投票で落とされて、最優秀取れなかったお詫びなのかな?(笑)

アジアン 漫才「鼻歌」

天津 漫才「美容院」

とろサーモン 漫才「久保田がヤンキーになる」

安田大サーカス 漫才「不動産屋」

もうこの辺から辛くなったなあ、正直、途中で「あれ、お客さんのいない所で演ってるの?」という風に思った。「迷走しています」という漫才を、これだけ連続で見せられるのは、苦痛でしかなかった。そりゃ安田大サーカスは、最近ずっとM-1三回戦で落とされてるはずだわ。あとどうして天津はいるの? 確か天津って、決勝自体に一度か二度ぐらいしか残ってないですよね、ここゲストに呼ぶのなら、笑い飯を呼んであげろよ。

  • お年玉争奪!あいはらコレクション2010

去年から始まって、もう今年は早速、裏メインイベントと捉える人も多くなったコーナー、CM前のアイキャッチの段階で、目に入った面子に吹いてしまった。今年も確実にショートネタコーナーを沸かす人たちが揃っています。あいはらさんは漫才今年は出来ないのに、このコーナーのみでも参加です。
今回の七組については、ドレッドノートビーフケーキ、アイロンヘッドが予選で惜しかったから呼ばれた組。おねだり豊、村瀬みちゃこ、みよっさん、ツジカオルコが、関西版の『あらびき団』というコーナー趣旨に則って呼ばれた感があります。

ドレッドノート

ここでコーナー趣旨に則ったネタを、きちんと用意してくるところを見ると、このコンビの方を決勝に上げても良かったんでは、ということも過ぎってしまう。

ビーフケーキ

ここは予選でやったネタを、そのままショートにしてきました。元々コーナー趣旨に合うネタをやってないコンビですから、本当に予選での成績が次点組だったんでしょう。ビーフケーキが本戦で、カバと爆ノ介はこっちで良かったんじゃないの?

おねだり豊

この時間なら何とも思わないですが、去年の予選で、吉本の山田ひろあきもそうだったけど、ネタ時間4分の賞レース予選で、一発ギャグだけ押しきる人出してくるのは、お客さんにとって地獄なので、お願いだから考えてエントリーしてほしいです。

村瀬みちゃこ

予選では賞レースだからといって、特に何も変えてませんでした(笑)。ここはもう藤井隆村瀬みちゃこの初遭遇に尽きるでしょう。ネタ見てる時の藤井君の表情、そして「生きてるんだみちゃこって」というコメントに尽きます。

アイロンヘッド

ここは予選と同じネタしなかったのが不思議です。埋没してしまいましたね。

みよっさん

こういう芸風の人は、こういう形で見ると、素直に面白いです。予選はきつかったけどね(笑)。

ツジカオルコ

ここまで吉本はシュールだけど正統派、クセのある飛び道具は松竹という、綺麗な色分けでしたが、ここに来て全てをぶち壊す女、ツジカオルコ登場でした。えーとどんなネタしたかは、K助さんのところのキャプチャで確認して下さい、これで大体分かります(笑)。

コーナー総括

あらびき団』風に予選で目立った人を、ショートネタで見せるという建前を元に、トミーズ健横山たかし師匠のテキトーなコメント、いい加減に甘い絶賛コメントを楽しむコーナーですよね、「レベル高いよねえ」って健さん去年も言うてたし(笑)。おそらく全員に三本合格が上がるとか、とにかく甘いコメントするとか、全部決まっていることだと思うけど、その演出は成功していますよね。今日の優勝は藤井君でしたが、二位はたかし師匠と健さんのコンビでした(笑)。
続いて最終決戦に残った三組が発表、モンスターエンジン、ソーセージ、銀シャリの三組が最終決戦に進出。
僕の予想では、銀シャリは確定、そしてまあしゃあなくモンスターエンジン、あとの残り一組は全く分かんなかった。ウーマンラッシュアワーさらば青春の光かなぐらいですが、もうほとんど銀シャリ一本被りになっていたので、三組目については考えられなかったです。ただ漫才三組になっても良いのならウーマン、コントも入れたいと考えたら、さらばが来るかなと思ったぐらいです。ソーセージが出てこなかったのは、これは単純に二本目がないというのを、僕が知っていたからで、審査員にはそんなことは知ったこっちゃないですよね。

モンスターエンジン 漫才「地獄」

一昨年のM-1の決勝のネタと誤解していたけど、三回戦でやったネタでしたね、おそらく一昨年のM-1二本目として用意していたネタ。でもこうやって見ると一昨年のM-1でやった「ハリウッド映画」のネタと、ネタの構造からボケの内容まで似すぎている。いやでもモンスターエンジンぐらいのコンビとしては若いキャリアで、まだこれから売れていかなくてはいけない段階で、一度捨てた古いパターンに戻って賞レースに挑むというのは、どうなのかという気がしてしまう。一本目よりは会場は盛り上がっていましたが、例年のレベルなら一本目にやっていたら、最終決戦には残れなかったと思う出来でしょう。このネタも見る方の想像力に、甘えすぎている部分が多すぎる。

銀シャリ 漫才「干支をドレミの歌で覚える」

序盤の段階では、文句なしで優勝を確信したけれど、後半に入ってからの失速というか、急に構成が崩れ始めて、ネタが突散らかっていく。正直、このネタに対して、こんな雑多なイメージがなかっただけに、この三組の中では一番良かったとは思うけど、なんかすんなり優勝という思いは消えました。モンエンはいま二つだったけど、銀シャリもイマイチだった。ただこれ一本目と二本目が逆だったら良かった、ということでは決してなくて、多分ネタ順を逆にしても同じ結果だったような気がする。同じ日に二本見ると、ネタの理屈っぽい部分や面倒くさいところが、気になるようになる。

ソーセージ コント「予備校講師と母子」

本人達のタイトルコールではなく、コントの内容を分かりやすいタイトルにします。ここは2003年のこの大会の最終決戦のせんたくばさみのように、思いっきり三組の数合わせだと思っていたし、このネタも知っていたので、何となく見ていたので、全く今日がどんな感じだったかは覚えていません(笑)。
ただ三組見終わって、どこが優勝ということを考えた時に、モンエンはいま二つ、銀シャリは今ひとつ、ソーセージは全く記憶に残っていない。という状況だったので、なんかソーセージは僕がそう感じただけで、実際はかなり良かったらどうしようということが、不安になったほどでした。

サンドウィッチマン 漫才「母親からの手紙」

ナイツ 漫才「沖縄アクターズスクール

酒井くにお・とおる 漫才「お兄さんの端唄」

東京からの豪華ゲストに、松竹の大師匠の三組でしたが、三組続けて下ネタ(笑)、しかも結構酷い下ネタ(笑)。くにお・とおる師匠はこの番組の、この時間帯の雰囲気を知っているから分かるけど、サンドとナイツがここでその手のネタを持ってきたのは見事でした。察知するのかねえ。しかしこの辺をわざわざ東京から呼ぶのなら、フットボールアワーますだおかだを呼べなかったの? ということは少しは過ぎってしまう。
くにお・とおる師匠は、十数年前まではこの番組の客演で、一番酷い目にあっていた芸人さんだったのに、いまやすっかりその空気を逆手に取っていて凄いです。今日の本当の上位三組は、藤井隆横山たかしトミーズ健、そしてくにお・とおるでした。

麒麟 漫才「癒しの空間」

最近テレビでネタやる時は、結構な割合でこのネタやってるけど、もうネタとか作ってないんだろうか。

シャンプーハット 漫才「ジョーズ

相変わらず大阪の番組では、まだまだ待遇の良いシャンプーハット、そして昔のネタを、最近やってる「漫才はとっくに終わってます」のパターンに当てはめてるだけなのに、ドッカンドカン受ける客層。そりゃこんなぬるま湯に浸かっていたら、上を目指すわけないか。なんでこの程度のネタで、ナイツやサンドウィッチマンの何倍も受けてるんだろ。

今いくよ・くるよ 漫才「どやさ」

タイトル付けようがないので、まあこれで良いかと(笑)。ここはアレですね、あからさまにメッセンジャーの代わりでしたね(笑)。客の雰囲気が最悪な時間帯だったので、とにかく勢いだけで、師匠クラスの芸人が押そうとしているのは凄い(笑)。

横山たかし・ひろし 漫才「留学」

たかし師匠が、途中であからさまに心が折れていたのが凄かった。こんなベテランでも、こんな空気で漫才やると、ここまで分かりやすく心が折れるのかと。いくよ・くるよ、たかし・ひろしのような超ベテランが、勢いで押すしかなかったり、途中で心が折れる客席っていうのは尋常じゃない。そう考えるとあの誰が得しているのか分からない、三枝師匠のゲームコーナーって、誰にも損をさせないという意味があったんだなあと、思わされました。
いやこの番組が4時間やることが、そもそも無理がありすぎるんですよね、こんなに審査員の会議時間がいるとは思えないし、ファーストラウンドは公開しなくても良いから全て点数制にして、さっさと集計して10組目のネタが終わった後に、すぐに発表しても良いと思います。それだけで一時間ぐらい削ることが出来るし、「あいはらコレクション」をもっと長めにやっても良いと思いますし。
ただ四時間番組にしないと、もう100万円の賞金すら、用意できないのか? というような気持ちにもなりますけどね、近年のテレビ番組の経費削減っぷりを見ていると、どうして数年前にいきなり最優秀の賞金を、50万円から100万円にアップさせたんだろう?
優秀新人賞という2位と3位の賞は廃止したのに、4位の審査員特別賞だけ残したのが、去年もそうだったけど、物凄い歪なことになっている。ウーマンラッシュアワーを審査員特別賞にしたかったから、最終決戦にあげなかったの? という疑問はさすがに色んなところで出てくる感想のように思います。
それならファーストラウンドは順位を発表して、4位から10位の中から順位に関係なく、審査員の競技をするとか、審査員特別賞の賞金20万円を原資にして、優秀新人賞は賞金を大幅に減額しても、残すべきだったんじゃないでしょうか? 凄い中途半端というか、変な形で審査員特別賞が残ったのはねえ、僕も去年は、優秀新人賞の廃止は番組ホームページで分かっていたけど、当日の放送まで、二位の人が審査員特別賞なのかと思ってましたからね。

結果発表

ということでモンスターエンジンが最優秀新人賞、ウーマンラッシュアワーが審査員特別賞となったわけですが、純粋に二本目の出来だけで選んだとしても、モンエン銀シャリの比較で、知名度的なもののファクターが無かったとは言い難かったですね、まあ銀シャリにはそんなハンデがあっても、圧勝できるだけのポテンシャルを期待していたんですが、これはラジオレギュラーという副賞が、色々と勘ぐられるだろうなあ。
番組全体の感想としては、オープニングの「ABCアナウンサー藤井隆です」から始まって、「(レギュラー番組)助かります」など、藤井君の確かな仕事っぷりが、印象に強く残りました。いや正直、録画を見返さないとネタ終わりの絡みしか、覚えてないコンビがいたぐらいですからね、去年のことを踏まえてのやり取りとか、仕事に対する真面目っぷり、司会者なのに手数の多いボケと、ここ数年のこの大会の「一番良かったのは司会の藤井君」という状況は、今年もでしたが、今後も続いていきそうな予感がします。
麒麟笑い飯M-1で高評価を受けたネタで、最優秀賞を取り逃した賞が、前年と一昨年のM-1で無惨な結果になった芸人が、二本目に回してやらなかったネタで、最優秀になったというのは、レベルの低下を端的に現しているのに充分でしょう。
審査員に関しては、大竹まことからモト冬樹に変わった不安は、全く無かったというより、独自の審査基準で、他の賞レースとの差別化をしていたけど、コメントがやや甘めだったり、突然厳しめになったりする大竹さんより、優しい言い回しにもかかわらず、要所要所でピンポイントの厳しい評のあったモトさんは、かなり良い審査員だったように思います。最後の「皆さんアイデアも発想も素晴らしい! ただそれをねぇ、生かして欲しい」というコメントを筆頭に、こういう審査が初めてとは思えない的確なコメント群でした。しかしこの大会の若手女性審査員枠のなかで、安田美沙子は最も最低でしたね(笑)。
しかし今回は優勝したモンスターエンジンも含めて、第31回の歴史上、最も低レベルな『ABCお笑い新人グランプリ』だったと言わざるを得ないでしょう。予選の受け具合とか、出来とかで見て、ここが選ばれたのはおかしいというコンビはいなかったけど、だからといって決勝で通用するかどうかの見極めというのは、甘かったというのが実情でしょう。
藤崎マーケットだって予選は受けてはいたし、『さんま御殿』に片方ですが出たバンパイア、『漫才アワード』で二次予選に残ったヘンダーソン、あいはらコレクションの方に出たビーフケーキとかは、客受けもあったんだからというのもあるけど、GAG少年楽団、恋愛小説家、いがわゆり蚊、プリンセス金魚とかは、予選確かに芳しくはなかったけれど、こういう人たちは決勝に残れば、残ったなりにやれたと思うんですよね、そういう名前で選ぶみたいなのは嫌だと思っていたけど、今回大抜擢した連中が、あらびき芸とでも言うような内容で敗退していたら、さすがに名前で選ぶのも悪いことではないと思ってしまった。というかこれだけあらびきな人たちを決勝に上げるのなら、ガリガリガリクソンを決勝に上げてやっても良かったのではと思いましたね(笑)。
これで銀シャリはラストチャンスだったはずだし、来年からこの賞はどうなるんだろう? そして笑い飯がいなくなった後の、大阪のM-1予選に強い不安感を感じています。大阪から合格者が出るのか? 大阪で準決勝をやる意味というのを、強く問われる日は近いかもしれない。

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