「第30回ABCお笑い新人グランプリ」
簡単に本編と「あいはらコレクション」のコーナーについて感想です。ベテランのゲスト漫才は、この番組は毎回、お客さんも疲れている中で、重たい感じになるので、感想は特になしです。2丁拳銃が東京から呼ばれていたのは、少し驚きましたが。
ガスマスクガール コント「走馬燈」
予選で見たときは「これ面白いけど、祝日の昼間の決勝はキツイだろうなあ」と思っていて、さらに事前のネタ順抽選で、トップ出番になったというのも分かって、大丈夫かなあと心配していたのですが、全く問題なかったですね。結果的に審査員特別賞までゲットで、最優秀新人賞を突破したコンビの次に、世間に良いアピールとなりました。こういうコンビが賞取るところが、「ABCお笑い新人グランプリ」という賞レースの存在意義が、他にも増して高い位置を維持出来ている所以ですね。
銀シャリ 漫才「昔話」
M-1準決勝で見ていたら、まだまだ力不足という感じだったけど、ここに並ぶとさすがに力の差があるけど、やはり見慣れてくるとシステマティックなところが、少し鼻に付くというか、見ていてもたれるところです。この辺を自然に見せられたら、もう一つ上にあっさり行けるんでしょうけどね。
恋愛小説家 コント「新幹線のホーム」
西野があの場に居座り続けている理由とか、ホームに不審者がいたとして、周りの駅員とかが排除に来ない理由が無いですよね、コントとはいえリアリティを犠牲にし過ぎ、まあでも恋愛小説家は「アシカと漫才」のネタ以外は、概ねその辺のリアリティを、設定のために犠牲にしすぎだと思う。
藤崎マーケット 漫才「林間学校」
藤崎は藤原時は達者で芝居で魅せてくれるし、田崎も「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に出ていたりと、二人ともそれぞれ達者で、生で見たら劇場でエース張るだけあって、充分に満足感を与える漫才はしてくれるんだけど、「ラララライ体操」で一時代のブームを作ったコンビとしては、結局「ラララライ体操」なんて物凄い勝負球を温存してまでやっている漫才が、結局よくある大阪の若手にありがちな「学校あるある漫才」だというのが、寂しいなあと思ってしまう。なんか「ラララライ体操」が子供中心にブームになったから、過小評価になっているけれども、「ラララライ体操」って凄いアナーキーなネタで、それなのに子供にも人気が出たという、もっと自信持ってやり続けても良いネタだと思うんですけどね、あんなアナーキーなことやっていた人たちが、平凡な「学校あるある漫才」に落ち着いていってるのは、やっぱりどう考えても勿体ないです。別に普通の漫才やコントでも良いから、「ラララライ体操」でやっていたような、アナーキーな面をもっと普通の漫才にも活かしてほしいし、それが出来ないのなら「ラララライ体操」やっていた方が良いと思う。
ビタミンS 漫才「妹の映画館デートに付いていく」
兄妹喧嘩のやり取りにいくまでのデートの話が、少し長かったかなあ、営業とか普段のライブはともかく、こういう賞レースでは、もっと序盤から兄と姉のしょうもない喧嘩の下りに入った方が良いと思う。他の正統派漫才するコンビが、そんなに調子良くなかっただけに、ここはもったいないことしたと思う。
天竺鼠 コント「コンビニ」
もう勝負有りですわ(笑)、これは凄かった。凄いとしか言いようがないです(笑)。天竺鼠の勝負ネタは、川原のピン芸みたいなのが多くて、瀬下の存在価値が問われるネタが多かったけど、そういう面でもこのネタは良かったし、実は銀行強盗だったという下りでの、客席の爆発は凄かったですね、もうこの一本目の出来だけで、最終的な結果も決まったようなものでした。
span! 漫才「ガソリンスタンド」
NHKの賞レース決勝でもやっていたネタ、悪くないネタなんですが、天竺鼠のあんな飛び道具なネタでの大爆発の後では、こういう平凡なネタを、キャラと演技で見せる漫才は不利だわ(笑)。
和牛 漫才「ジャニーズになりたい」
まあここは大竹まことの審査コメントか全てかなあ、出番順がもっと最初の方だったら、こんな感想も出なかったんだろうけど、この流れでラストバッターでは、小手先のネタという所が鼻に付くか、ガスマスクガールと和牛は出番順が逆だったら、お互いもっと幸せなことになっていたと思う。
「あいはらコレクション2009」
メッセンジャーあいはらが、予選で落ちた中から面白かったのをセレクションという体のコーナー、実際は構成のかわら長介の趣味が、大きく見えるコーナーでしたが、というかあいはらさんは「自分が選んだ」というコーナー趣旨を、あまり理解していない司会で、どうしてこういう司会が大阪のお笑いファンから評価が高いのか、どうしてもその辺の大阪のお笑いファンの甘い評価が、気になって仕方ない。
ガリガリガリクソンはこういう「あらびき団」的なコーナーに入ると、もう完全に横綱の風格ですね(笑)、もう一か八かで決勝に連れて行ったらいいのにね(笑)、中途半端な印象に終わる正統派コンビが、例年何組も出ていることを考えたら、ガリガリガリクソンやツジカオルコは一度ぐらい決勝に残せばいいのになあ(笑)。
さらば青春の光、クロスバー直撃といったかわら長介がブログで気に入ってることを表明している人たちも、しっかりと活躍していましたし、全体的に横山たかしトミーズ健にも、出てきた若手に対しては全て肯定的に褒めてあげる約束事が出来ていたからか、全体的に優しい作りのコーナーになっていて良かったけど、やっぱり桜の時の女としか見ていないという、横山たかし師匠の姿勢はとんでもなかったです(笑)。
このコーナーで唯一、そんなにうまく露出出来なかったのが松原タニシでしたが、タニシさんは「レッドカーペット」に出たときも、いまいちな感じでしたし、案外とあの「ええねん」は一分とかに向いていないですね、もう一方で一分とかは向いていないかな? という風に思われていた森プロジェクトは、番組的にも最後まで顔出さないでトークまでしてもらったりと、なかなか面白さが出ている演出にしてもらえていました。2006年のR-1ぐらんぷりの準決勝に進出してから、あまり露出がなかった森プロジェクトですが、これがきっかけで「あらびき団」とか「おもしろ荘」とかに引っかかると良いですね。
銀シャリ 漫才「ことわざ」
天竺鼠 コント「食堂」
モンスターエンジン 漫才「旅館の怪談」
銀シャリと天竺鼠がそれぞれ中途半端な所もあったのですか、それ以上にモンスターエンジンがやっちゃいましたよね、おそらく予選突破したネタがM-1でやったから、この大会で出来なかったせいで、新たなネタを二本用意出来なかったのでしょう。そうなったら一本目をあの感動的なまでの盛り上がりで勝ち上がった天竺鼠の優勝は、決まったようなものでしたね、しかも一本目であのネタをやった後だと、このネタも凄く分かりやすくなっていて、完全に勝負の仕方も巧かった。ということで天竺鼠の圧勝という結果に、今年の「ABCお笑い新人グランプリ」はなりました。天竺鼠がようやくポテンシャルを、こういう場所で出し切って結果を取りました。
あと今年から優秀新人賞が廃止されて、最終決戦で負けた二組よりも、審査員特別賞貰えたコンビの方が賞金貰えて嬉しい結果になったんですよね(笑)。本当に細かいところで予算の縮小が、放送局は始まっています。
去年までホールでやっていた決勝が、今年からスタジオになったのは、単純にこれまでの会場だったABCホールが、朝日放送の移転で前のホールは使えなくなったからで、新しいホールは前のようにそんなに広くないんですよねえ。
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