「フジテレビの笑う50年」ネガティブ感想を読んで

「フジテレビの笑う50年」ネガティブ感想 - 死んだ目でダブルピース

ナイナイ以外のキャストは、「空気を読む」というか「空気と同化する」ことを強要されてるような現場。

でもこれは『めちゃイケ』という番組に限らず、雨上がり決死隊やナイナイ、千原兄弟などのある世代の大阪吉本の芸人が、メイン司会のバラエティ番組においては、メインMCの世界観に同化するというのは、もう大阪吉本出身芸人の番組のお約束で、そんなに『めちゃイケ』だけが特別とは思わないけどなあ、単純に『めちゃイケ』にだけ違和感を感じるのは、id:karatedouさんにとって千原や宮迫の強要してくる空気には、不快感を感じないけど、ナイナイの強要している空気は気になるのは、単純に好みじゃないだけな気もする。

かつて、たとえば日テレの「元気が出るテレビ」では、存在価値をなくしたレギュラーメンバーは、徐々にリストラされていった。野口五郎とか、桑田靖子とか。
バラエティ番組というのはそういうものであるべきだと思う。めちゃイケの姿勢は不自然、というか不健康さを感じてしまう。

めちゃイケが13年も続いているのに、不祥事によって辞めた人がいる以外は、レギュラーメンバーに変化がないことの不健全というのは、僕もこのブログで度々指摘してきたけど、これをもう少し踏み込んで考えてみると、『めちゃイケ』って番組は土曜八時という時間帯、バラエティの歴史に爪痕を残してやるぜという番組ではなく、偉大なマンネリ番組として長く続けるという方向に、結構早い時期から移行しています。番組としてヒットキャラやギャグを育てる気がなかったり、人気コーナーを数年間隔で間を空けたり、とにかくブームにならないように、マンネリで続けていくことに気を遣っているという風にすら思える。

そして、ナイナイとスタッフは、よゐこのことをバラエティ的に一切信用してないんだな、とか、
濱口はけっこうな確率でコメントを外して、しかもそれがそのまま放送されちゃうんだな、とか、

この辺の『めちゃイケ』でのよゐこの扱いの悪さというのも、番組のマンネリするための努力で、よゐこに番組初期に作り上げられた「できない子キャラ」と「地味で目立たないキャラ」というのが、番組的に外せなくなっていて、こういったキャラ属性の変更というのは、マンネリにとっては邪魔だから、ナイナイや加藤にとっては、よゐこ『黄金伝説』『ゲームセンターCX』でのブレイクは、邪魔でしかないというのは良く分かる。
それはこの番組の芸人以外のレギュラーである、雛形あきこ鈴木紗理奈武田真治の三人の番組の扱いを見ていたら分かる。この三人は結婚、出産、離婚を経た雛形を筆頭に、芸能界での立ち位置や、番組外での扱いには大きな変化があるのに、この番組では13年間、時代が止まったかのように、同じキャラを演じて、同じ扱いを受け続けている。
あと『ごっつええ感じ』のVTRの放送がなかったのは、フジテレビというよりは、よしもとの方の問題でしょう。某芸人さんが言うように、吉本の芸人にとってダウンタウンというか、松本人志という存在がアンタッチャブルになっている証、『ごっつ』のVTRを見ながらワイプで喋ったり、VTR終わってからスタジオでトークをするというのが、芸人側(ナイナイ、加藤)が出来なくなっているということのほうが、大きいんじゃないでしょうか? 政治的なことを言うのなら、フジテレビの横澤班と石田班の問題というよりは、吉本の大崎派と泉派の争いが、いまだに引きずっているという方が正しいんでしょうが、政治的なことよりも、単純に『ごっつ』のVTRを受けて、『めちゃイケ』のレギュラー陣が喋れないということのほうが、真実に近い気がします。
色々と感想への感想を書かせて頂いたのですが、結局は『めちゃイケ』って、そういう批評的な見方するような番組では、もう何年も前に無くなっているのかな、というのがこの感想を読ませて頂いて感じたことでした。
それを一番思ったのは、冒頭に出てきたこの下りでした。

それでいて高いギャラを貰い続けてる現実を、彼ら自身はどう考えてるんだろう?
猛烈に長い拘束時間の中で、何を考えて過ごしてるんだろう? 
などと考えると恐ろしくなってくる。

こういう事を考えるのは、全く意味がないことのように思うなあ。そんな事言ってたら、世の中のほとんどのテレビ番組が、そういうものじゃないですか。『めちゃイケ』を放送している放送局とその時間帯は、お笑い好きにとっては神聖な戦場の場所かも知れないけど、別に『めちゃイケ』だって、普通の一バラエティ番組と思えば、そんなことを考えて恐ろしくなる必要ないでしょう。やっぱりここしばらくのエントリー見ていると、id:karatedouさんはお笑いを神聖化しすぎて、考えすぎになっていると思う。
これは全体的に思うのですが、もうお笑い芸人とか、バラエティ番組のことを、過剰に神聖化して、一つ一つの挙動や、芸人の些細な言動全てに、大きな意味があるかのように分析するのは、もう止めた方が良いように、最近強く思っています。実は意味のないことに、読み取る方が勝手に意味を仮託して盛り上がるのは、ファンの側の自由な愉しみ方ではあるんだけど、その結果で色んな芸人や番組が過剰に祭り上げられて、その結果不幸になっている人の方が多いような気がしてならない。
最近のテレビ番組や、お笑い芸人が一部で、また持ち上げられすぎている状況は、ヤバイという感情しかもてない。

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