それはあんたが好きな芸人にも言えないかい?と思うこと〜2008年11月25日のお笑いヘッドライン

いまから二つのお笑い評論ウオッチャーブログとして、かなりハイレベルにあると僕が勝手に思っている二つのサイトのご意見について、反論的なことを言わせて頂きます。はっきりいってこちらのブログで普段書かれている、いまのbase勢に対する苦言などは、僕は100%同意するもので、そういう文化が好きでありながら、そこに気が付いて苦言を呈することが出来るというのは、やっぱり他の人とは違う眼力があるなと、素晴らしいなと思うのです。
でもだからこそ、それは貴方達が好きな、バッファロー吾郎友近や千鳥や中山功太にも当てはまりませんか? ということはいつも思っていたけど、今回改めて思ったので、ストレートに言わせて頂きます。
まず僕は軍団を率いるようになってからの、バッファロー吾郎が全く評価できない理由は、慕ってくる後輩芸人に対して、「お前達は俺たちの真似するなよ」ということを言わないところにあるんですよね。

社会人が仕事もそっちのけでTVにRADIO:雑感(99プラスにバッファロー / アリケン / オンバト)

最後のオンバトクロスバー直撃の下りで、「今のbase勢全体に足りない演技力」「演技力といっても別に芝居がうまいとかじゃなくてネタの表現力、説得力と言いますかね。」「センスだけで勝負してくるコンビが多そうな予感。」という事を指摘していて、それは全く持ってごもっともだと思うというか、まさに僕とかにづかさんが毎度のように指摘している点について、端的に述べてくれていると思うのですが、でもそれって貴方の大好きなバッファロー吾郎の影響じゃないの? という風に言いたくて仕方ないんですが。
いやバッファロー吾郎に、演技力がないとか、説得力がないとは言いませんよ、ただあのスタイルを目指して真似したいという人たちが、結果的にそういう芸風になっているところがあるのは事実だと思うのですが、いや別にバッファロー吾郎さんが、リットン調査団さんみたいに、孤高の存在を貫いているのなら、そんなことに責任取れなんて事は言いませんよ、勝手に影響されて、勝手に悪い風に取り入れてる奴がバカでしまいですよ、バッファローさんになんの責任もない。
でもバッファローさんは、本人達にはその気がないのかも知れないけど、いま軍団を率いる立場と言うことにされているし、その軍団の長という事で、実際に仕事している訳じゃないですか、だったらその立場として、もっと責任ある言動を慕ってきている後輩芸人に示して欲しいんですよ。
結局いまバッファロー吾郎に憧れている人たちが、自分たちのセンスだけで勝負して、「万人に自分たちの笑いを理解してもらう」という意識が希薄になって、その結果、演技力や説得力というものを疎かにしているのは、指摘しているように事実なわけで、僕はバッファロー吾郎って芸人としても、人間としても嫌いじゃないんだけど、軍団の長として考えた時には、どうしても許せない部分があるんですよね。
僕は良くサッカーの元・日本代表でワールドカップにも出場した秋田豊という選手が、鹿島アントラーズ時代に、新入団選手が目標とする選手として、自分の名前を挙げる選手がいたら、「お前みたいに(オレごときを目標という)志が低い奴はダメだ」と説教かますという話を、いつも持ち出してきますが、どうしてこれがバッファロー吾郎は出来ないんだろう、という風にいつも凄く残念に思っています。
大阪の吉本若手芸人が目標とする芸人アンケートで、明石家さんまより上にランクされたといって、喜んでいるのはバッファロー吾郎らしくない、「お前達は俺たちを目標というなんて、志が低いことではダメだ」と説教してあげるのが、軍団の長としての役割じゃないんでしょうか? それが出来ないのなら、僕は本当にリットン調査団を見習って、孤高の存在をバッファロー吾郎にも貫いて欲しかった。なんかバッファロー吾郎って、リットン調査団の上辺の部分ばかりを真似しているように見えて仕方ないんですよね、本当に自分たちのことを理解してくれる人にだけ、分かって貰えば良いというのなら、「キングオブコント」なんて、リットン調査団やへびいちごのように出ないでも良かったはずでしょう。だから僕はどうしても今のバッファロー吾郎の言行不一致っぷりは嫌ですし、それを歪んでおかしな形で影響受けている子達に、きちんと説教できていない部分が納得できない。

『タモリのボキャブラ天国大復活祭スペシャル!!』 - ike-chinの日記

関西ではボキャブラブームなんて全くなかったのに、すごくブームになっているという記事を見て驚いたことがある。

いやいやそんな事無いですって(笑)、僕の周りでは凄いブームだったし、逆にいうと「WACHACHAブーム」に填っていた人たちの中では、アンチもファンの内とでも言えるような、ボキャブラブームに反発していた人も凄く多かった。それは自分の周りの出来事を全てのように思い込み過ぎですよ、その理屈が徹のなら、僕も大阪で「2丁目WACHACHAブーム」なんてものは存在しなかった、という事になってしまいますよ(笑)。僕の周りで千原兄弟ジャリズム水玉れっぷう隊なんて言ってる人はいなかったもん。大阪の笑いが好きな人も、みんなこの時期は、たかし・ひろしくにお・とおるこだま・ひびき、ちゃらんぽらんに注目していた、90年代後半は大阪では中堅ベテランが元気で、若手は元気なかった時代だったと言われても納得しないでしょう? でも僕の周りではそうでしたよ、だから自分の周りのことだけを、さも世間もそうだったという風に言うのは、避けた方が良いですよ。

M−1 3回戦 東京大会の結果が出たようだ。 - ike-chinの日記

すんませんが細かいツッコミ入れさせて頂きます。

オリエンタルラジオ、流れ星あたりは決勝に行きそうだなぁという気がする。

お忙しいようなので、見れていないのかも知れませんが、流れ星はともかく、NHKの賞レースを見る限りオリエンタルラジオは無いかなあと思います。むしろ今年のナイツ、オードリー、U字工事マシンガンズ、Wエンジン、チーモンチョーチュウパンクブーブーといった所の充実度は素晴らしいものがありますよ。

千鳥は? 千鳥はもう好きなようにやったらええよ。千鳥の漫才がM−1決勝戦の場になじんでないんだもん。あの場、あの瞬間に、観客が見たい漫才は千鳥の漫才じゃないものね。面白いか面白くないかではなくて、M−1決勝で見たい漫才か、求められている漫才かというとそれは違うだろと。

大好きな千鳥に関して、ここまで突き放した分析が出来るのは素晴らしいと思います。でもここで書かれている根拠で、優勝候補に麒麟を本命で挙げるというのは、違うんじゃないかな?
まず「今年は秀逸な新ネタが作れたのかなぁ。」とありますが、今年ほど忙しくなかった去年ですら、旧作を使い回していたのに、今年の大ブレイクの状況で作れたと考えるのは、かなり難しいでしょう。もう「ZAIMAN」からも麒麟は外れちゃったし、もう漫才師というよりタレントに、完全に芸人としてのモードが移行している、今更ネタが見たいという存在ではなくなっている。
というか今の麒麟には、「M-1の決勝で見たい」という物語も、「M-1で勝って欲しい漫才」という物語も稀薄でしょう。今更M-1チャンピオンというタイトルが、今後の売れ方を左右することはないぐらいに、2008年はブレイクを確実なものにしたし、今後の安泰という道筋も今年の活躍で付けた所が、コアなファンを除けば「麒麟に勝たせてやりたい」という物語を仮託するのが難しくなっている。そういう意味ではまだ「M-1王者にしてあげたい」という物語度は、依然として笑い飯、千鳥、POISON GIRL BANDの方が、麒麟より上でしょう。
そして去年の決勝に出られなかったということが、麒麟はそんなに印象深くないんですよね、だから去年のキングコングのような、復活エピソード的なイメージも麒麟にはない(そういう意味でキングコングについても、物語は去年で出し切った感はある)。

千鳥の漫才は雰囲気で笑わせる漫才だから。理詰めで笑わせる漫才ではない。
麒麟は理詰めで笑わせるからM−1の雰囲気に合ってるんだと思う。

これについては、ラサール石井さんの2007年のM-1グランプリの千鳥のネタに対する評価を、引用したいと思います。僕はむしろ千鳥の方が理詰めで、最近の麒麟の漫才の方が、田村の持つ雰囲気で笑わせる漫才に移行していると思いますが、最もM-1ラストイヤーの今年に、その完成は残念ながら間に合いませんでしたが。

彼らのネタは意外に理屈っぽいんですね。少し紙に書いた台本臭いところがいつもある。
そこに小ネタを挟み込んだり、顔で笑わしたりとかして、ジャブを増やし手数を増やしていくべきなんだけど、いつも「最初に書かれたまま」なんですね。
するとこじんまりしちゃうんです。
それは違うよ西野くん - ラサール石井の鉄板少年らさある

“理屈っぽい”というのと“理詰め”というのは、果たして違うのかな、という風に思うし、チュートリアルサンドウィッチマンの漫才は、理詰めというより、雰囲気で笑わせる漫才ではないのかな? という風に考えてしまいます。
というかなんで「ZAIMAN」はNON STYLE出さないんだろうねえ、何かこの辺の不思議なところと言うのに、去年のこともあっていま世間の雰囲気は流れているように思う、ということで今年の物語として言うのならば、ナイツ、オードリー、NON STYLEパンクブーブーあたりが、観客が見たい、審査員が期待している、茶の間が応援したい漫才じゃないの? という風に思ってしまいます。「キングオブコント」のような茶番にM-1は、あれだけの審査員ならしないだろうから、去年のサンドウィッチマンのように、必然的にこの辺に勝利の道筋は付けられるんじゃないかな?
他の話題もいくつかしておきますが、こういう「愛は盲目」みたいなエントリーを、自分が好きな芸人以外の事については、凄いしっかりした論評をエントリーにしている人たちが書いているの見ると、やっぱりお笑いをロックンロールで語ることは、そんなに間違ってないのかと、前のエントリーのことを考えて思ってしまう。

tryワラb8 決勝 - みでぃの好きなところ

やっぱりこのシステムだと、女と男とトリプルエンジョイの二組は上がりようがないわ、しかし女と男はともかくトリプルエンジョイは、大阪にいたら堂ジャンルに競争相手がいないので、研磨することが出来ないから、さっさと東京に行った方が良いとは思う。大阪の「LIVE STAND」にも呼ばれているみたいだし、事務所移籍を考えていないのなら、吉本の人扱いとなっている内に行くべきでしょう。

「鉄筋base」2008年11月25日放送分

ネタはどうでも良いんですが、コーナーとして挟まれた「紅白モノマネバトル!」が、もう文化祭というか、お遊戯会というしかないレベルで酷かった、もうあんまり言いたくないので、そこそこマシだったところを俎板に乗せますが、古畑任三郎のマネというのは、まずストレートで見ても、コロッケや小堺一機という物凄いハードルの高い先陣がいるわけです。そして変化球でいえば、ハリウッドザコシショウの「ハンマカンマ」があるわけです。こんな絶対に勝てないものを相手に、どうしてリングに上がってしまうのか? 田崎だって、落合のマネはもっとレベルが高い人が素人にいるというのに、何でやってしまうんだろう? という所をどうしても僕は言いたいです。ただこれはマシな方で、全体的に子供だましというか、お遊戯会なムードが漂ってましたね、どうして大阪のお笑いライブには、コーナーという名のお遊戯会が、当たり前になってしまったのでしょうか? 結局これが大人のお笑いファンや一見さんを、大阪のお笑いライブから遠ざける理由になっているのか、現場のお笑いライブのスタッフや芸人さんには分かって貰いたいです。
はっきりいってこういう企画で、いまのbase芸人で対応力ありそうなの、モンスターエンジンの西森と、プラスマイナスの兼光ぐらいですよね、他にもいるけどbaseの正式メンバーじゃない人ばっかりですしね、ハムとか、ビタミンSとか、女と男とか。

「新しい波16」(関西地区)2008年11月25日放送分

なんか今日もテレビでネタをするレベルではギリギリ無い人たちでしたね、来週はいきなり鎌鼬になるようで、本当に分かりやすいテコ入れです(笑)。その次はゆったり感らしいし、いきなり面子が変わりすぎです(笑)。

笑いの現場―ひょうきん族前夜からM‐1まで (角川SSC新書)笑いの現場―ひょうきん族前夜からM‐1まで (角川SSC新書)
ラサール石井

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