「M-1グランプリ2007」リアルタイム採点とコメント

去年までの巨人師匠のように、お茶の間審査員用の審査用紙もつくったので、もう世界に今から浸ります。
この始まる前からの異様な高揚感、審査員の登場あたりからテレビの前で胸のドキドキが止まらない。色々と不満を持ちながらも、やっぱり漫才とかお笑いで、これだけのお祭り事を仕掛けれてくれること、これだけ胸を躍らせてくれるイベントというのはないわけで、やっぱりM-1は良いなあと思う時間が過ぎていくオープニングでした。

笑い飯 「ロボット」

今年の勝負ネタとして評判が高かったし、実際に準決勝では見た人が合格を確信したという評価が多かった訳ですが、僕は初見でしたが、演者はM-1の決勝の舞台でトップ出番という特殊な環境下で演じている漫才を、僕はテレビの前で見ているということもあるんでしょうが、「お誕生会」の劣化版という風にしか思えませんでした。笑い飯はこういうクールな演技で進むネタよりも、昔のような熱いボケ合戦のようなネタをもう一度やって欲しい。75点

POISON GIRL BAND鳥取と島根」

ネタに関しては、ポケットの下りで盛り上がったお客さんの期待感を裏切ったことが全てでしょう。ネタの論評に関しては、大竹まことのコメントに集約されていると思います。ただ去年といい、決勝初出場だった2004年といい、この人たちはM-1決勝で緊張しすぎですよ。その結果、間とかテンポが乱れるというのは、このコンビの芸風的に致命的過ぎる失敗な訳で、あと2006年に引き続いて準決勝でやったネタを決勝一本目に持ってこなかったんですよね、去年の汚名を晴らしたいという気持ちが強くあったのなら、目指すは優勝ではなく上位と考えて、準決勝に持ってきた一番自信のあるネタを一本目に持ってきて欲しかった。82点

敗者復活戦はサンドウィッチマン

手元のメモの数字を今ちゃんが読み上げてくれました!! 笑い飯とPOISONが沈んだ以上、最終決戦進出は期待大、しかしノンスタ残念でした。

ザブングル 「順番抜かされた」

去年までの顔芸コント漫才だった方がクオリティ高かった気がする。ツッコミの巧さに目が行ったのは、このコンビ的には成功ではないと言えば言えるだろうし、サンドウィッチマンを素直に最初から上げといてくれたら、敗者復活戦で磁石やNON STYLEにチャンスあったかもという恨み節がつい出てしまう。本人達の責任では全くないけど、M-1ファイナリストのクオリティとは思えなかった、これならまだ一昨年ぐらいの濃い顔芸と叫びのコントに脂がのっていた頃に上げてほしかった。70点

千鳥 「象と飼育員」

いま松ちゃんのコメントもあったけど、M-1の決勝審査員って天丼のネタへの評価が毎年低いんですよね、でもいまの大阪の若手って天丼とか、繰り返しギャグとか、御題に対してのボケを連発するみたいな作りのネタが大好きなんですよねえ、シチュエーションに対して、どれだけ沢山の幅のあるボケを出せるかという種類のネタを演るのが好きだし、仲間内の評価も多分高いんでしょうが、2004年のトータルテンボスに対するラサール石井のコメントでもあったけど、M-1決勝の審査員は傾向的に総じて厳しい点数付けてる。まあでもそれが無くても、四分のネタで主立ったボケというか笑い所が、四つだけというは厳しいよね、そりゃ松ちゃんも「ショートコント」と評する。65点
しかし僕は今年の準決勝は久しぶりに見に行けなかったんですが、見に行った方の感想として大阪準決勝の上位に、笑い飯と千鳥をあげる人が多かったけど、これが上位に来るというのは、相当レベル低かったんじゃないか? という疑念にかられてしまう。実際に東京と大阪両方見に行った人の感想は、総じて「東高西低」だったというものだったし。

トータルテンボス 「ホテルのフロントマン」

松本人志がよくネタ中にカメラ抜かれていましたが、ずっと物凄く笑っていたのに、最後のオチが天丼だった所で、表情が固まっていたのが印象的でした、どんだけ天丼嫌いなんだよ(笑)。このぐらい許してやれよとも思うけど、トータルテンボスって何となく冷静に見てしまう所があるんですが、こういう勢いで盛り上げている最中で、あまりにも綺麗にまとめ過ぎているのは、ちょっとだけ冷める要因かもしれない。90点

キングコング洋服屋さんの店員」

キンコンが物凄い緊張してるのに感動した。キングコングは昔の形のままでレベルが上がって再登場という点も含めて、純粋に笑いというより感動の方が印象に左右してしまったというのは否めないけど、それでも特に梶原の成長が、僕の期待や予想の範囲を遙かに超えていたのには驚きました。キングコングはネタは西野が全部書いているみたいだけど、西野は梶原にもっと難しいことさせても良いと思った。大阪の準決勝の人の感想で多くの人が、この日の一番にキングコングを上げていたのは、そうなるだろうなとは思っていたけど、改めて見させて頂いて大いに納得しました。85点

ハリセンボン 「お天気キャスター」

前半の入りの雰囲気に期待したけど、後半の盛り上がりどころまでに僕はだれてしまったので、笑い飯はそんなに良いネタだったとは思わないけど、ハリセンボンより下なのは、納得できないなあと思ったんですが、ただここ三年ぐらいの間で見た、若手女流漫才全部の中で、今回のハリセンボンが一番面白かったのは確かです。上沼恵美子の女流漫才に大事な品や、ネタの選択についてのコメントを引き出しただけで、上沼恵美子を審査員に引っ張り出してきた価値があった。今年のM-1において優勝したコンビ以外で、一番今後に良い影響を与える結果になったのではないでしょうか。73点

ダイアン 「スカウト」

ダイアンはやっぱり敷居が高かった。というか松本さんのコメントは、笑わせるようなニュアンスにはなっていたけど、結構本音も混じった否定のコメントだと思うんだけど、これはダイアンがじゃなくて、いまの大阪でいまだにダウンタウンのフォロワーをやってる芸人、それを育てているディレクターや作家が、全員全否定されてると思うべきでしょう。吉本主催の大会なんだから、吉本の若手に枠が甘めにあっても良いし、吉本が売りたいと思っている芸人が優先されても良いから、もう少し考えて贔屓枠を使ってくださいよ、baseよしもとから一枠なら、NON STYLEで良かったんじゃないですか? 実際にこれでダイアンが売れるかというと、多分現状維持かやや足踏みだと思う、ダイアンが選ばれた時に「これでダイアンは売れた」と盛り上がっていたブログ界隈の人は多かったけど、りあるキッズ、アジアンの現状を思うと、そんなことはないだろうと思っていましたが、ポイズンとか千鳥のようにダダスベリした方が、まだ印象に残るんですよね、こういう真ん中より下ぐらいが、一番得る者が少ない形になってしまう。55点

サンドウィッチマン 「街頭アンケート」

感想は敗者復活戦の通りですが、トータルテンボスキングコングでは拭いきれなかった、審査員やお客さんの不満というか、閉塞感を一気に開放する形となりました。去年のチュートリアル的な点数の積み上げがあったと考えるべきでしょう。95点

決勝一回戦総括

ということでほぼ順当に上位三組が出揃ってしまいました。しかし今回上位三位内に入れてるけど、キングコングは2005年の品川庄司よりは上程度だったと思うので、決勝メンバーの選考に対する疑問というのは出てくる、やっぱりサンドウィッチマンはストレートインで上げて、NON STYLEとか磁石とかとろサーモンとかに敗者復活戦のチャンスを広げてやって欲しかった。

トータルテンボス 「旅行代理店」

トータルテンボスが優勝する方法は「しゃべくり漫才」と「コント入りする漫才」をそれぞれ一本目と最終決戦でやることだというのは、にづかさんとも前に話していたので、両方ともコント入りする漫才で、しかも一本目とほぼ同じパターンなのは残念でした。後半のいつもと違う展開になるまでに、僕は飽きてしまったけど、飽きていなくても最後の天丼とツッコミがボケに全部乗っていくというのは、関西の若手に最近よくあるタイプのトリッキーな形なので、身を入れて見ていたら余計にガッカリしたかもしれない。本当に爪の先にまでたぐり寄せていた優勝を取り逃してしまった。10年目ラストチャンスで最終決戦に残ったコンビで、初めて優勝を逃した訳ですが、ここが負けたというのはやや複雑な気持ちになりました。ただ勝負の仕方を間違えたのは確か。

キングコング 「台風レポーター」

まあ二本目は無いだろうという、一本目のネタを予選で見て推していた人たちも思っていた通りでした。しかしキングコングは、これで現役の漫才師であるという評価を復活させることが出来たし、実力を満天下に知らしめることが出来た、彼らは優勝以上のものを得たのではないでしょうか?

サンドウィッチマン宅配ピザ

先に出た二組が、一本目のネタと同じパターンで弱くなったネタをやった後で、一本目とそれほどクオリティに差がない、むしろ人によっては一本目より面白いという評価も出るようなネタが出来たんだから、そりゃ優勝しますわ。
ということで結果の感想は、先に書いた通りです。この後サンドウィッチマンの事務所と同規模のお笑い事務所の人とか、お笑いライブやってる関係者や同じぐらいの状況の芸人さんと何人かと電話して、みんなで号泣祭りでした(笑)。Mixiなどでも東京の小さい事務所の芸人さんが、自分のことのように、というより自分に置き換えて、この優勝を喜び感動しているのが印象的でした。良いM-1だったけど、これは言ってしまえば「終わりよければ全て良し」なだけで、これで終わらせてはいけない。というかこの結果を受けて何も変わらなければ、せっかくのこの盛り上がりを台無しにしてしまう。この波をどこまで大阪の現場の人たちは感じることが出来ているか、今日一日だけで少なくともサンドウィッチマンを知る人たちや、大井競馬場や決勝の場にいた人たちは、何かを感じているに決まっているんです。それがどこまで大阪に熱が伝わってくるのか、楽しみに待ちたいです。
最後に「おめでとう」ではなく、「ありがとう」という言葉を、今日のチャンピオンに贈ります。ありがとう、サンドウィッチマン

サンドウィッチマンライブ2007 新宿与太郎哀歌サンドウィッチマンライブ2007 新宿与太郎哀歌
サンドウィッチマン

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