先週ダイアンから受けた感動を再び思い出す秀逸なM-1分析記事
「M-1グランプリ」で戦うために - てれびのスキマ
去年のM-1グランプリのファンダンゴでやっていた予選中継を見ていても思ったけど、明らかに手数というか、短い時間にボケを詰め込むという度合いが、大阪漫才より東京漫才の方が強いし、またそれをやって自然なスタイルというのを、東京の漫才師の方が上手く編み出している印象があって、今年になってショートネタブームで、それはますます顕著になっていて、最近の大阪の若手漫才師と東京の若手漫才師のネタを見比べると、大阪の漫才が一つボケてる時間に、東京の漫才は三つはボケてる。
大阪の若手は、去年のダイアン、笑い飯、千鳥のネタがまさにその典型だったんだけど、三分や四分の中にそれほどボケを詰め込まないし、また丁寧にネタ振りをしているといえば聞こえは良いけど、無駄な時間が多い漫才になっている。具体的に言えば、一つのボケを引っ張りすぎたり(去年の笑い飯)、前振りが長過ぎて短いネタ時間内で飽きさせたり(去年のダイアン)、一分に一つぐらいの割合でしかボケがない(去年の千鳥)という事になっていた。またそれだけ時間をかけて出した一つのボケが、弾道ミサイルの破壊力があればいいのですが、普通の銃弾のように威力しかない。
それではサンドウィッチマン、キングコング、トータルテンボスといった機関銃型の漫才には、到底太刀打ちできない。そして機関銃でのボケ乱射漫才にも関わらず、何発に一発か機関銃から弾道ミサイルを撃ち出すことができたコンビ、すなわちサンドウィッチマン、チュートリアル、ブラックマヨネーズだけが優勝トロフィーを抱えられている。
それは今年の大阪準決勝を見ても分かるように、とにかく手数が多い漫才、手数が多いことが不自然にならないネタの構成が出来たコンビ、そしてその機関銃の連射の中に、ミサイルを撃ち出すことが出来た、ダイアンとモンスターエンジンは決勝に進出し、去年のM-1決勝での関西勢の失敗を、何一つ糧にしなかった、学ぶことをしなかった麒麟、千鳥、アジアンらの決勝経験者は勝ち残らなかった、歴史や経験に学ばなかったものが敗退したのは必然だった。特に去年、同じ場所で同じ失敗をして共に敗れたダイアンと千鳥に、これだけの差が出来てしまったことは、本当に残酷なことだとは思うけれども、ダイアンの覚醒を改めて祝福するべきでしょう。千鳥は今後何かを変えなくては行けないことに気付かなくては、ダイアンとの差は開いていく一方でしょう。
結局この記事で分析されているような、「M-1で勝つための対策」とか「東京の番組に出るための作戦」といったものを、東京の芸人と違って、大阪の芸人はまともにやっていない、自分たちがただやりたいこと、頭の中で考えた面白いと思うことを、生のまま出してきて痛い目にあっている、そして痛い目にあっても気付くことなく、それを不平不満として抱えこんで、大阪で埋もれていく芸人が沢山いる一方で、フットボールアワー、チュートリアル、去年のキングコング、そして今年のダイアンと、惨めな敗戦から何かをしっかり掴んで、成長した芸人がいるということも、また事実であります。ここまで大きな壁にぶち当たらないと、気付かないのか、という風に思うところはあるけれども、気付かずに散っていた数多くの関西芸人のことを考えれば、気付いただけでなく、成果を出した彼らに無限大の拍手と喝采を送りたい。
僕は去年のM-1予選の段階で、「どうしてナイツとオードリーとNON STYLEを決勝に上げない」と審査員を呪った、しかしナイツはまだツッコミでここまで立て続けに大きな笑いを起こす漫才では、まだ残念ながら無かった、しかし今年この形は一応の完成を成し遂げた、この完成したナイツのスタイルをM-1決勝の舞台で披露できることは、去年彼らを上げなかったことは審査員の見識だったと、いまにして思えば言えることです。
ナイツ、ダイアン、キングコング、NON STYLEらのM-1グランプリで戦うために、渾身の仕上げの漫才を見られるまで、もうあと七日しか待たなくて良い。
敗者復活 サンドウィッチマン by G-Tools |
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