M-1グランプリ2008準決勝大阪大会を見てきて、当日の速報的感想

ダイアンとモンスターエンジンに尽きますわ、いやというよりダイアンに尽きる、ダイアンは優勝してもおかしくない漫才を引っさげてきました。去年はサンドウィッチマンNON STYLEを差し置いて、ダイアンなんかを上に上げた審査員はみんな腹を切れと思いましたが、今年はもしダイアンを落としたら、同じ事を僕は思うのでしょう。もうつい最近まで色濃かった、劣化ダウンタウンの匂いは何一つもなかった、西澤裕介という個性と、津田篤宏という個性でないと出来ない漫才、男子三日会わざれば刮目して見よ、そんな言葉はまさに彼らのためにありました、いやこれマジで優勝候補だわ。というか今日の出演者で、優勝候補といえる漫才できたのは、ダイアンしかいませんでした。他にも面白いコンビはいたけど、決勝の場で見たら面白いか? 決勝の格に耐えられる漫才かというと、色々と疑問の余地はあるけれど、ブラックマヨネーズチュートリアルの覚醒のときと、全く同じものを感じました。いや覚醒の度合いならブラマヨより上かも知れない。明らかに「M-1で勝てる漫才」を仕上げてきた。
二番手はモンスターエンジンです。まあこの二組が「今日のお客さんはほとんどの人が、迷わず名前を挙げる二組」じゃないでしょうか、爆笑させられましたが、何かこのコンビのネタを見ていると、千鳥のことを期待していた業界関係者って、こういう風になることを期待してたんじゃないのかなあ? という風に思ってしまいました。何ていうか万人向けて大爆笑できる千鳥の形という感じでした。
そして次の三番手が、笑い飯です。今回は笑い飯はかなり出番順が早かったのですが、おかげで「笑い飯より上か下か」という基準をはっきりと示してくれました。そういう基準で考えると、笑い飯より明らかに上だったのは、この二組でしょう。
笑い飯と同じぐらい、もしくはちょっと下、あと人によって好みが別れるという意味で、同じグループなのが、ジャルジャル銀シャリ、ヘッドライトでしょう。これは僕はジャルジャルは同じネタで、三回戦より今ひとつ熱を感じることが出来なかったけど、笑い飯より上の三番手に押す人は多いと思う、あと他の人はそんなに評価は高くないような気はするし、僕も並列的にボケを続けていくだけの点は、減点材料にされるだろうなと思ったけど、僕は銀シャリが良かった。あと毎年、M-1グランプリの準決勝と三回戦では、安定したハイアベレージを叩きだしている、ヘッドライトの三組が三番手グループという所でしょうか? いやヘッドライトがそこそこ良い感じで終えたときに、僕は何とか出来ないのか、という話になって“なんか”を送ったことは覚えている。
というかこの七組以外の芸人は、どんな理由を付けても普通に審査されたら、上がれないような気がする。正直この次の四番手グループが、ダブルネーム、パプア。、ソーセージとかの、モノマネ替え歌、リズム系、コントを開き直ってやりきってお客さんを盛り上げた人達になってしまう。麒麟も、千鳥も、スマイルも、鎌鼬も、天竺鼠も、この辺と同じぐらいかちょい下というだけで、もう覇権争いの有資格者ではないでしょう。特に麒麟と千鳥は、これを見ていまだに推せる人がいたら、僕は過去の栄光にすがって現実を見ていないとしか言えない。
あと今日、論外だったのは、とろサーモン、アジアン、天津の三組でした。特にとろサーモンは、三回戦も「どうしてこれで合格?」という感じで上がってしまっていたのに、その上で準決勝でもこれでは、残念と言うしかないです。アジアンは、これは天竺鼠やプラスマイナスの感想でも思ったんですが、「悪くないけど、これM-1で見たいタイプの漫才じゃない」という漫才だなあと思った上に、そこからM-1関係なく見ても盛り下がっていたし、天津はまたオタクやりたいのか、やりたくないのか分からない中途半端なネタで、この三組は色々と心配になってきました。
しかし今回は笑い飯がハイレベルの戦いにおける基準線になったように、ダブルネームがあるレベルを計る基準線になりましたね、「ダブルネームより良かったか?」という基準で当てはめたら、上には10組いない状況になるでしょう。正直、東京予選で受けていたら、下には10組以内状況でも、おかしくなかったであろうダブルネームが、そのぐらいの高いレベルなのが、いまの大阪の現状でしょう。やはり今年の大阪準決勝からは、合格者は二組あれば充分でしょう。というか明らかに優勝争いのレベルで戦えるネタやったのは、ダイアンだけでした。
しかしまさか自分が「ダイアン決勝確実」「優勝争いに参加できる」なんて事を言う日が来るとは思わなかった。数日前の自分ならそんなこと言う奴のお笑い語り、絶対に信じなかったよ(笑)、いやでもやっぱり「ダウンタウンに似すぎてる」といわれる日々が、やはり相当思うところあったんでしょう、いやこれを作ってきたのはお見事という意外に、感想はあり得ないです。いや今日はどっちかというと、僕も含めて、ダイアンにアンチ的な人たちと、帰り一緒だったんですが、そんな連中が「大阪からは、とりあえずダイアンが一抜け、本番でもオードリー、ナイツ相手に優勝争える」ってほぼ全員言ってたんだから、今年のダイアン、というか今日のダイアンのネタはよっぽどですよ、素晴らしかったです。今年の21日を皆さん楽しみにしてください、決勝一回戦で、変にネタを温存なんて失策を取らない限り、今年のベスト3争いは、ダイアン確実でしょう。
いやでも大阪の来いお笑いファンに印象を残した、ダブルネーム、敗者復活戦での活躍を期待される出来だった、パプア。、そして開き直ってコントをやって、芸達者な所を披露したソーセージ、そして何でも器用にやっていた藤崎マーケットの藤原時、この辺はなかなか美味しい準決勝だったのではないでしょうか?
まあ大阪からは、ダイアンとモンスターエンジン笑い飯がもしかしたらあるかも、というレベルだったと思います。八組中二組が大阪、残りの六組が東京の準決勝からという流れは、仕方ないことのように思います。二組、もしくは二組±αというのが、現在の流れですかね、いや本当に決勝にいけないレベルに、$10、ビッキーズランディーズシャンプーハット、サバンナ、ストリーク、ロザンが犇めいていた時代は、レベル高かったなあ、ということをメンバー表見ながら開演前も開演後も話してしまいましたよ。この辺がごそっと抜けて、それに変わる人達が台頭してきていないのが大阪の実情でしょう。東京はいまの「短いネタブーム」とか「エンタの神様」といった流れを、その以前の世代のアンタッチャブルもそうでしたが、去年のサンドウィッチマン、いまのナイツ、オードリー、U字工事、あとまあハリセンボンなんかもそうかな? そういう人達の対応力と応用力を感じると、やはり大阪は梶原さんも言うように、二組が限界でしょう。というかそこで三組目で笑い飯をすくいあげてやるよりも、東京芸人にもっと枠を広げて上げるべきでしょう。大阪のお笑いファンって、どうしても保守的だから、どうしてもまだまだ笑い飯だ、麒麟だ、千鳥だと言うし、新顔といってもとろサーモンとか、鎌鼬で止まっちゃうけど、もういまのお笑いの一番熱い新しい風はそこに吹いていない。そんな中で最も保守的な鎖に絡まれていたダイアンが、いきなりこんな保守的な漫才が好きな人も、革新的な漫才が好きな人も、両方納得させられる凄いもの持ってくるというのは、やっぱり面白いなあと思います。今日はダイアン一組だけで見る価値がありました。逆に言うとそれ以外はあまり見るべき所は少なかったです。
ということで1位ダイアン、2位モンスターエンジン、3位笑い飯で良いでしょう。そして大阪の三位をあげるべきかどうか? というのが、明日の東京予選にかかっているのではないでしょうか? 明日の参加者リストを見ると、かなり苦しい予想になってしまうのですが。個人的にはこういう取り組みを、三年ぐらい前にやっていたら、2004年か2005年の内に、笑い飯は優勝できていたんじゃないかなあと、そんな言うてもどうにもならんことが過ぎってしまいました。いや笑い飯がここに回帰したことは、凄く喜ばしいことなのは間違いないのです。ただそれを祝するのと、東京勢の新顔を立てること、どちらに意義があるか感じてしまうのです。まあ全ては明日ですが、僕は大阪の三位の笑い飯を上げるのなら、東京組の六位が見たいです。実際にダブルネームと、明日のケツカッチンを物差しにすれば、そのぐらいのレベル差は出てくるように思えます。正直、ダイアンには感動させられたけど、今まで自分が見た中で、一番低調なM-1準決勝だったのは間違いない。

M-1グランプリ2008・12/6準決勝大阪メモ - おわライター疾走

それぞれ各コンビニ対する評に、テンションの違いや熱の入れ用の差はあるけれども、この三組が今日の三強というのは、やはり大方の感想のようですね、問題は大阪を二枠で切るか? 三枠で切るか? という問題だけでしょう。まあでも二枠だろうが、四枠、五枠だろうが、東京勢とトロフィーを争えるのは、ダイアンだけだとは思いますが。あと千鳥に関してもう一つ言うと、モンスターエンジンが、あんな千鳥みたいな漫才で、今までの千鳥の上を行くことやっていては、もうあの形では太刀打ちは出来ないように思う。いや僕は今回のモンエンのネタは、千鳥のネタと相似点が凄く多い上に、分かりやすさもあるネタだったと思います。まあその辺の分析は決勝でゆっくりやりましょう。あーあとギャロップはネタの選択しくじりましたね、もうあれなら素直に処刑人のツカミから入った方が良かった。あと僕は銀シャリに対して、今後の個別レポで物凄い甘い採点出しますが、これは個人的な好みと彼らに物語性を感じているだけで、そのどちらもが世間と共有できないことだとは、心得ているつもりです(笑)。
少しだけ、点数を発表しておきます、リアルタイム採点で10点満点です。

銀シャリ10
ダイアン9.5
笑い飯9
モンスターエンジン、ヘッドライト、ジャルジャル8.5
麒麟、スマイル7.5
ソラシド、鎌鼬、ソーセージ7.0

でした、ね? 銀シャリの高評価はあり得ないでしょう? 自覚してます、単なるファンです、どどすこ、どどすこ♪ しかし少しジャルジャル鎌鼬麒麟は補正で下げたい気も、逆に上げたいのはモンスターエンジンとソラシドですね。ちなみにダブルネームとパプア。はそれぞれ8.5なんですが、なんていうか、追い風参考記録みたいなもんなので、ここに並べるのは違う気がするので別表扱いです(笑)。
ということで準決勝を見た上での決勝予想は、ダイアン、モンスターエンジンの二枠、大阪三枠なら笑い飯が入りますね。ただ俺は笑い飯より、マシンガンズザ・パンチU字工事が決勝で見たいかもしれない。今日の漫才はもう少し早くに見たかった。いやダイアンがこれだけの漫才したことは、お笑いファンなら泣いて感動する事件だと思う、僕は個人的ファンの銀シャリの成長も含めて、今日を思い返すとダイアンと銀シャリの二箇所で思い出し笑いしながら、感涙できる(笑)。

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