『めちゃイケ』に限らず、ある世代のお笑い芸人は「権威を傘にしたいじめ」を肯定している

あなたがそれ言いますか… - あれとかこれとか (Lefty)

「めちゃいけ」でやっている芸人いじりって、ひょうきん族とかのそれよりはるかに陰湿で、「いじめ」に近いと思っています。

ドリフのコントは基本的に一番の下っ端が主人公で、「強いものへの逆襲」がテーマだったりすることが多かったし、そのあたり意識してたんでしょうね。
そして、ひょうきん族の「鶴太郎おでん」なんて、まんまいじめととられてもおかしくない内容ではあったものの、「たけしがひどいことをしている」という視点が明確だったから、当時の私は無邪気に笑うことができたんじゃないかと思います。

さんまさんもラジオで、『ひょうきん族』のタケちゃんマンのコーナーで、さんまがたけしにどんなに酷いことされても、何度も立ち上がり、笑顔で立ち向かっていくのは、いじめられている子達に素晴らしいメッセージを送っていると、大学の先生で教育評論家みたいなことやってる人に誉められた。というのはいまだに嬉しそう振り返っていますが、そういう視点はごっそりと、いまのバラエティから抜け落ちていますよね。
とんねるずは学園コントは、確かにLeftyさんの言う通りですけど、とんねるずチェッカーズとかB-21とかと対決みたいな流れに、この番組でやるときって、絶対に互角の勝負の場が与えられていたんですよね、だから最後に石橋さんや木梨さんが粉まみれで、水に落ちてコーナーが終了する流れも多かった。
ドリフの頃には立場が下の者の逆襲であり、一番酷い目に遭うのはいかりや長介ハナ肇と決まっていた。ひょうきん族はさんまや鶴ちゃんは、どんなに酷い目にあっても、逆襲することを決して忘れなかった。とんねるずの頃は一部のコントで踏み外していたのはあったけど、やる側とやられる側というのは、どこまでも対等で、それはいくらでも番組中に逆転可能だった。
しかしダウンタウン以降、そこにいる芸人で一番偉い人は、絶対に叩かれない、汚れない、濡れないというポジションに身を置いて、後輩芸人や売れてない芸人に、そういうことをさせるようになった。いじめる側といじめられる側というのが、完全にバラエティの中で役割化して、そこに疑問を持たないことがお約束と化してしまった。
そしてダウンタウンの頃には、まだ露悪的であっても意味があったことが、少なくとも送り手は自覚的に、やばいことやっているかも知れない。という意識がまだあったけど、もう一つ下の世代になると、それすらなくなって、そこにあわせられない人は「空気を読めない奴」という扱いになった。その場が面白くなっているんだから、いじめられても文句は言うなという、空気の押しつけが始まった。

うん、僕もそう思う(「めちゃいけ」の芸人いじり)。あれは「めちゃイケメンバー」の中では、「いじめられるのは芸人としておいしいポジション」だと認識されているんですよ、たぶん。でも、あれを見ている「学校でいじめられている子供」は、絶対に笑い飛ばせないはず。
Twitter / FUJIPON: @khazad_lefty うん、僕もそう思う(「め ...

僕が大好きだった雨上がり決死隊が嫌いになったのも、結局はこの辺なんですよね、とにかくラジオなどでの宮迫の、上から役割を押し付けて、「空気を読め」という言葉と共に、自分のやりやすい人間関係を押し付けてくるのが、ラジオのリスナーとして触れるだけでも嫌で仕方なかった。この辺は加藤浩次もそうなんですが、宮迫にしても、ナイナイにしても、完全にいじめっ子の側の正義で、おそらくこの人達って、いじめの問題に関しては、「いじめられる側にも問題がある、むしろいじめられる側の方が問題だ」って思っているんじゃないかな? それは学生時代にいじめられっ子で、登校拒否とかしていたような千原ジュニアですら、若手の頂点に立って仕切る立場になったら、いじめっ子の正義に乗っかっていた。
この状況には単純にこの三組がいじめっ子の資質だった、というだけではないと思うんですよ。それを言うんだったら、学生時代にスポーツマン系の不良だったらしい、さんまやとんねるずも学生時代はいじめる側の人だったはずですから、これはあくまでも芸人としての心構えの問題で、結局は「めちゃイケ」世代以降の芸人さんは、お笑い芸人は弱い者の方に立ってなくてはいけない、というような基礎教養が根本的に欠けているんだと思うのです。だから権威や権力の側に立って、物事を動かしたり、笑いを作っていくことができてしまう。だから『めちゃイケ』や『アメトーーク』の酷い回って、みんなメインMCが上から目線で強者の論理で、物事を結論付けた時ほど、そういう傾向になることが多い。
だってもうダウンタウンやナイナイや加藤浩次や雨上がりが、後輩芸人に番組で台本にない感じで、プールや粉や泥の所に、叩き落とされるところって、想像が出来ますか? そういうシーンとか番組って、吉本系の番組ではほぼ無くなりましたよね。まだ明石家さんまとんねるずは、後輩の芸人に対して、まだそういうことをさせるだけの懐はあると思うし、それこそがバラエティの現場だと思っているような気がする。
岡村さんなんて、絶対にはんにゃやキングコング梶原に、水や粉に落とされたほうが、面白いと思うんだけどね、岡村さんは本当にキャラにそぐわない、屈折があるからなあ(苦笑)。

学校で行われるような、いじめの光景をテレビで再現して
それを面白いと思ってるスタッフが居る事が
今バラエティ番組が抱えてる一番の問題だと思います。
めちゃめちゃイケてるっ! - 一汁一菜絵日記帳

結局いまのバラエティの送り手が、学校の教室の再現という、いまのバラエティの流れにあって、いじめの構図まで再現して、それを面白がっているというのが、一番の問題というこの結論に尽きますね。これいじめられていた側は、良い思い出になんかなっていないし、いま現実にやられている子達にとっては、大人になっても社会に出ても、こういう構図は続くんだという、暗い気持ちにしかさせないでしょう。いま『めちゃイケ』とか『アメトーーク』が出しているメッセージは、いじめられている子達に「いじめられている状況を、笑いに変えられないお前が悪いんだ」と言ってるようにしか見えない。

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