自分が芸人原理主義者じゃないことに気付く

いまお笑い好きの人が良い番組と思ってる番組って、おそらくネタ番組を除くと、『アメトーーク』とか『ロンドンハーツ』とかだと思うんですよね。でも僕はああいう芸人頼りの露悪的番組には、どうしてもこれ以上は評価しないよという線を引いてしまう。
というか例えばいま小杉とか有吉とか、アンタ山崎を出してる番組って、多分良い番組じゃないんですよね。この辺が目立っている番組というのは、番組の企画が弱いから、保険として配置した確実に点取れる出演者が目立っているという状況で、むしろこの辺を配置するというがのが、そもそも最初から番組制作者が保険打ってると見て良い、というか、まあ、有吉なんかは、はっきりそう言っちゃってますが。
ただそういう「芸人大好きな人」が気付かないところを、有吉は指摘するようになったから、「最近の有吉の毒舌は変質した」って言われてしまうのかなと、今までの有吉は、芸人好きな人が喜ぶような「テレビバラエティのあるある毒舌」だったけど、いまはお笑い芸人が好きな人には、分かりにくいところまで範囲を広げているんだけど、お笑いマニアや芸人好きには見えない部分だから、「ないない毒舌」みたいに見えている。
だからいまお笑い語りの人に、いまいち評価が低い人というのは、みんな現代のお笑いファン基準で芸人っぽくない人たちばかりなんですよね、もうこのブログではレギュラー化しているけど、千原せいじとか（笑）、あと仲本工事とかもバラエティゲストに出た時に、ボロクソ書かれていたなあ。
僕はお笑い芸人でなくても、例えば研ナオコややしきたかじんはもちろん、それこそ政治家や文化人だって、ましてアイドルや俳優でも、テレビのプレイヤーとして面白かったら、評価してしまうし。芸人の力を使わなくても、面白い企画の番組がバラエティとして成立するのなら、そちらの方がみたいと思っている。僕は一時期バラエティに良く出ていた、小池栄子とかMEGUMIとかが嫌いだったんですけど、結局この辺が重宝されていたり、芸人に評価されていたのは、芸人の邪魔しないとか、気を使えるという面が評価されていたわけですけど、僕はそれが凄い物足りなかった。いまのベッキーとか大沢あかねのような、イザとなったら自分が芸人喰ってやるぐらいに思って、戦場に立っている人の方が、芸人や芸人ファンには邪魔かも知れないけど、僕はテレビバラエティとして、みんなで作っている、みんな戦っている感が出て良いと思う。ベッキーや大沢あかねが好きかとか、良いかとか聞かれると、またそれぞれ感想はあるんですが。
だから世間はヘキサゴン好きなんだよってことなんですよ、この辺は僕もまだ、なんとなーく思っていることなんで、突っこまれると色々とボロが出まくるでしょうが（笑）、そろそろ企画で見せる、芸人に頼らない番組のムーヴメントが来て欲しいなあ、ということは考えます。別に予算が無くても、気の利いた芸人がいなくても、無名だったぜんじろうと、素人時代の藤井隆でもってたような番組って、まさに企画勝負だったわけですから、東京のテレビはお金が無くても、芸人頼り企画とはいえ『レッドカーペット』とか『あらびき団』とか『イロモネア』を打ち出せたわけだから、まだ大阪よりは東京の方が、新しい企画で勝負するという人たちはいると思うから、もう一発地上波のテレビ界は、最後の輝きをお願いしたいです。有料放送や動画サイトでも良いんですけど、それだと新しい人が世の中に出られないですからね。いまだに有野課長だって、世間では『めちゃイケ』で空気になっている人なんだから。
自分は芸人のプリミティヴな力というのは、ネタで見せて貰えばそれで良いんですよね、だからネタ番組とか賞レースの流れは、これとは別に拡張してもらいたいし、ネタはネタで極めて出世する道と、ネタ芸人からテレビ芸人になっていく流れというのは、どっちも邪魔されたくはない。いまの芸人が出るバラエティの大喜利化、ひな壇化というのは、どっちつかずの芸人を多々生み出すだけだけで、企画もみんな画一的になっていくから、どうしても好きになれない。まあこれは自分がさんま信者だからと、言われるだけかもしれないですが。

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