帰宅してから「M-1グランプリ」のビデオを早速見返しました

昼に関西ローカルでやっていた事前番組から見ていたのですが、そちらの感想もと思いましたが、また改めてにして、二度見て改めて思うこととか、その後に評判を聞いたりしてから、思ったことなどを更に付け加えての感想になります。主に審査コメントや採点に関することが中心になりそうです。

オープニング

上戸彩サンドウィッチマンが登場した際に、紳助が涙ぐんでいることを弄っているのを見て、上戸彩の強さを感じました。あとサンドウィッチマンは去年の段階で、もう既にいまの収入の1/6もあったのか、という事の方が収入が6倍になったということよりも驚きました。やっぱりエンタとか回数出ていると、営業とか強いんだろうなあ(笑)。

ダイアン

録画を改めてみると、やはり準決勝の時と違い、「サンタクロース知ってる?」「ファナスティ知ってる?」のやり取りで、やはり受けていない。これが出番順がもう少し良くて、またダイアンというコンビの知名度がもっとあれば、このやり取りだけで今後面白いものがやってくるという期待が、お客さんで共有できたんでしょうが、このコンビは改めて来年に期待したいです。あとヨネスケが思っていた以上に、オモシロワードとして機能しませんでしたね。あと津田は相変わらずテンパっていましたね(笑)、正直最初に見たときは、ここまでテンパってるとは思いもしませんでした。間mかなり外していて、少なくとも準決勝の異色の出来とは、まるで違うのが残念でならないです。まあでもダイアンは来年があるでしょう。

笑い飯

僕は笑い飯が、メタな笑いというか、笑い飯を知っていることを前提としたネタをすることは、悪いことではないと思っていたけれど、今年のM-1が過去最高視聴率というのを見ると、笑い飯を初めて見る人も沢山いる中だったんだろうなと思うと、こういう自己パロディ系のメタなネタというのは、二本目ならともかく、一本目は避けるべきだったかも知れないですね。
笑い飯に対して、M-1の審査員が中田カウス師匠以外は好意的というのは、今回の採点を見ても分かるのですし、実際に審査員の個人採点で笑い飯を1位にする人は多かったのに、点数が伸び悩んだというのは、今回のキングコングについて言われている、熱量の足り無さというのが、笑い飯にもなかったかなという風に、二度目見ると感じてしまいました。あとやっぱり何度見ても、真ん中の車上荒らしのパートはいらないですね、あのパートは外してもっと本編で、一つボケの後での笑い待ちを入れるとかした方が、逆にテンポが出たんじゃないでしょうか? 手数というのも大事ですが、一つ一つのボケを見せるテンポというのも考えて良いのかも知れない。
ただダイアンと笑い飯をこうして見比べると、やっぱりダイアンの方が上だったような気がします、あとオードリーの島田紳助の五番手評価の89点は叩かれるのに、笑い飯に対する中田カウスの七番手評価88点が、そんなに叩かれないのは不公平だと思う、実際に笑い飯とナイツの総得点差を考えれば、こちらの方が影響大きかったんですけどね、ネタ後の審査コメントの有無だけで、左右されすぎでしょう。

モンスターエンジン

ここは準決勝で爆笑したけど、決勝では受けないだろうなと言うのは予想通りだったので、むしろ思っていた以上に受けたな、という印象が初回見たときも強かったですが、今回もそう思いましたね、むしろパブリックビューイング的な形で見るより、テレビで見る方が面白味が増しました。ただリアルタイムでも思ったけど、大林が噛みすぎですね(笑)。

ナイツ

どうして自分たちの名前を言うときに、塙がカンペを読むという下りはカットしたんだろう? ネタについては昨日の感想に付け加えることはないのですが、採点の方で思ったのは、直接三位の順位を争うことになった笑い飯との比較なのですが、面白いのは他の四人の審査員が同点か一点差しか付けていないのに対して、中田カウス島田紳助が、それぞれ逆の方を上位にして、同じ六点差を付けてるという極端な採点をしているから、結果的に差し引きでゼロになっている。その結果、松本人志の4点差でナイツを上にしたのが、この順位差になった。ちなみにもし松ちゃんがナイツと笑い飯を同点にしていたら、笑い飯の方が一点差で上回っていたことになり、島田紳助は依然として笑い飯を高く評価している一方で、近年の笑い飯M-1決勝で最終決戦に残れないのは、今年と去年に関しては、松本が総合順位より低い順位を笑い飯に与えていることが、大きな要因になっている。

U字工事

U字工事に関しては、オール巨人師匠がブログで挙手してでも、語りたかったことを聞いてからと思っていたら、今晩未明のブログで更新がありました。巨人師匠は「栃木・茨城漫才」といったキーワード漫才を、気に入っていないようですね、それは天津の向に「萌えジャージ」を止めるように言った話でも分かるし、エンディングで語っていたNON STYLEに対する気になる事というのも、その辺の事だったのかもしれません。あと一人だけ低かった巨人師匠の採点が、もし巨人師匠の最高点に変わったとしても、順位に変動はありません。

ザ・パンチ

ここもネタに関しては、昨日の感想に付け加えることは特にないのですが、渡辺正行の審査コメント、そして島田紳助のエンディングでの弄り方は、彼らを相当救いましたよね、でもあれに対して「可哀想」というようなリアクションをしている芸人やお笑いファンが多いのに驚かされる。いやあの二人のアクションは、相当にザ・パンチを救ったし、来年の二人のタレント人生に好影響を与えましたよ。
でもあれを本気で厳しい怖い対応という風に捉える人が、あんなに多いことに驚かされます。そりゃ明石家さんまの後輩弄りを、本気で捉えてビビってしまう人達が、あんなにいるのも無理からぬ事だと思いました。M-1グランプリは、ダイノジも言ってたように、ガチンコの賞レースであると同時に、ゴールデンの番組のバラエティショウなんだから、審査員のコメントもそういう面があることを、忘れて聞いてはいけないでしょう。

NON STYLE

テレビで改めて見ると、会場の客受けが凄かったことが分かりますね、ここまで客の手が付いているのは無かったから、そりゃ決まりでしょう。これだけ趣味嗜好の違う審査員が揃って、全員が90点台なんだから、公平性を疑うものは、何もないはずなんですけどね。
しかし関西で賞レース総ナメとか、劇場で一番人気という芸人の紹介VTRが、「ストリート漫才」の話が中心になるというのが、いかに関西で不遇を囲っていたかということを、証明する内容になっていましたね、あと上沼恵美子の「フリートークが出来ない」というキャラ付けは、もう素晴らしいものだったんだけど、視聴者がそれを真に受けすぎだよ、まああれだけハードルを下げて貰ったら、今後のNON STYLEのバラエティでのトークは楽になるでしょうけどね、関西のテレビではフリートークが下手だったというより、活躍の場所を与えられなかった、という方が適当でしょう。

キングコング

ここは中田カウス師匠のネタ後の厳しいコメントが、かなり話題になっていますが、あれに関してはキングコングなら、本番中にこれだけ厳しいことをいっても、大丈夫という信頼感があったからこそのコメントですよね、しかしキングコングとダイアンの出番順が真逆だったら、正直色んな事が分かんない大会になっていたでしょう。

オードリー

いやあここはネタはもちろん面白かったけれど、それ以上にコメントとか、今ちゃんとのやり取りなどで、春日が見事過ぎました。というか春日はM-1が似合いすぎている(笑)。ナイツの去年から今年の上げ幅は物凄いものがあったけれど、オードリーの去年から今年の上げ幅には、敵わないかも知れないというか、今年のオードリーを見たら、去年のオードリーが決勝に行けなかったのが、逆に理解できてしまうぐらいです。
島田紳助のオードリーのネタ後コメントが問題視されているのは、半分以上言いがかりに近いと思っているから、まともに反論するのも正直嫌な気持ちもあるんですが、まず前提として島田紳助のオードリーに対しての89点は、実はそんなに低くないんですよ、紳助のこの日の平均得点は90.333点だし、個人順位でも5位タイで、紳助の1位の笑い飯と比べても、6点しか違わない。中田カウスNON STYLEが5位だったけど、1位のオードリーとの点差は7点と、カウス師匠の方が点差を付けている。だからそんなに紳助の点数は低くない、というか今年は個人採点の上位三組が、そのまま総合の上位三組になった審査員が、松ちゃんだけという珍しい大会なんですよね、それだけレベルが高かったからこそ、最終決戦に残った三組に対して、ファーストラウンド時点で4位や5位評価の審査員が複数いたというのは、この大会がレベルの高い証拠でしょう。実際にファーストラウンドで、途中まではは一番一位につける人が多かったのは、ノンスタでも、ナイツでもなく、笑い飯だったんですからね。(一部間違っていた記述があったので訂正しました、間違い前の文章はブクマの方でご確認ください)
それで紳助のコメントに関しては、ザ・パンチのリーダーのコメントとかと同じで、一人だけ80点台を付けたフォローコメントですよね、例えば笑い飯の際にカウス師匠が、U字工事の際に巨人師匠がコメント求められていたら、あの短い時間で即興で、低得点のコメントを付けるとなったら、センテンスも当然短くなるわけだから、ブログで書いてるような柔らかい印象には、巨人師匠もなっていなかった可能性もありますでしょう。(実際はそんなに紳助の点数は低くないのですが)自分一人だけが点数が高くない説明を、バラエティ的に短い時間でする必要があるというシチュエーションを考えれば、別に紳助のコメントは、そんなに厳しいものではないでしょう。
というか紳助が、ああいうコメントを使って、他の審査員にプレッシャーを与えている、というような声もあるようですけど、それは他の審査員の皆さんに失礼でしょう。島田紳助より芸人としてのキャリアが長い人も多いし、芸人としての格も決して紳助と劣らない人達が、並んでいるわけなのです。それは紳助ではなく、他の六人の審査員に失礼というものでしょう。
他の審査コメントに関しては、大竹まことの評価が全てでしょう。これまで自分が出来ない、自分にないものとして、オーソドックスを極めた人達に、最も高い評価を与えてきたのに、「こんな漫才見たこと無い」と言わしめたんだから、何よりも誇るべきことでしょう。その一方で、去年キンコン推しの大竹まことを批判していた連中が、今年アンチノンスタ的観点から絶賛しているのは嫌な気持ちになるけどね、そういうことは、そういった人達が批判している、紳助などの言動と何が違うというのでしょうか?

最終決戦

これナイツ贔屓の人も、ノンスタ贔屓の人も、オードリー贔屓の人も共通しているんですが、三組の一本目と二本目の評価で、どっちが良かったかという意見が、それぞれの贔屓の人の中でも、バラバラなんですよね、はっきりいって三組とも、オードリーは単なるキャラ漫才、ナイツは言い間違えてるだけのベタな漫才、ノンスタはオーソドックスすぎるとか、女子供受けの軽いボケでテンポが良いだけといった、勘違いで的外れな意見が付きやすい芸風ではあるので、そういう見方で今年のM-1がレベルが低いという意見が付いている向きもあるようですが、そういうのは無視しても良いと思うのですが、例えばナイツなら、一本目の下ネタを気にする人もいるだろうし、二本目のSMAPのネタが少し手垢の付いた古いネタなのにを気にする人もいるし、オードリーの二本目のネタの変則的なのを、どう評価するかというので別れるし、ノンスタも一本目と二本目でどっちが良かったいう話は、ノンスタ派の人の中でも分かれ気味です。でもそれは全てレベルが高かった上に、それぞれに個性が別れているコンビが最終決戦に残ったからでしょう、過去の決勝が結果的に優勝者の一人勝ちの印象が強い大会になったので、それと比較して印象がばらけたというのが、レベルが低いと思う人がいる理由でしょう。
過去の最終決戦で考えても、三組中一組ぐらいは、二本目のネタを用意してないだろうなというコンビが混じっていたし、ファーストラウンドの点差がこれほど近くにいて、三組ともM-1決勝的には新鮮味もある、というようなM-1の決勝は初めてに近いので、過去のようなドラマチックな一人勝ちを期待していた人には、物足りなかったかも知れないですね。
結局今回のM-1がレベルが低いと言われたり、結果に対しての物議が激しいのは、僕は逆にレベルが高いからこそ、個々の印象が薄くなったり、自分の思っていた結果通りにならなかった人が、結果的に多くなっただけたと思っています。僕は最終決戦が始まる前の予想は、ノンスタとオードリーが同じぐらいの優勝確率で、ナイツがやや落ちる程度、最終決戦が終わった後の感覚では、「6:4」で6がノンスタ、4がオードリーという印象でした。僕としては、ファーストラウンドはこの三組はほぼ横一線だったのに対して、最終決戦はナイツとオードリーがやや鮮度の落ちるネタを持ってきた、というところがファーストラウンドでオードリーの方を上にしていた審査員が、ノンスタに鞍替えした要因かなと思っています。
しかしNON STYLEとオードリーは、ボケとツッコミの違いはあれど、繊細なネタを作っている方と、図太くてキャラを守れる方という、コンビの役回りが似ているし、ノンスタは番組上でフリートークが出来ないキャラになっていたけど、二組ともバラエティ対応能力も高さを考えれば、来年のテレビバラエティはこの二組で回っていくでしょう。使い勝手という面では、オードリーの方が先に行くと思いますが、ただ一つだけ思うのは、これは決勝の当日の帰路に友人とも喋ったことですが、どうか春日をつまんないドッキリにはめて、春日の本性はこんなのでしたというような弄り方だけは、当然先送りにして貰いたいです。「ロンドンハーツ」とか「めちゃイケ」に出すときは、どうか事務所の皆さんはお気を付け下さい。春日は春日のままでいつまでもいてほしい。少なくとも来年のM-1取るまでは、それをやってはダメでしょう。
NON STYLEに関しては、彼らのバラエティ対応能力を疑うところは何もなく、もしかしたら時間がかかるかも知れないけれど、ますだおかだアンタッチャブルぐらいの活躍はするでしょうし、サンドウィッチマンだって、M-1直後はバラエティ番組の対応能力を疑われたけど、それが全く余計な心配でしたしね。

まあでもこの後でタレントとして売れるかというのは、M-1の結果とかと別問題として考えた方が、僕は自然なことだと思うし、にづかさんが指摘していた過去のチャンプや決勝進出者と比較したら、ノンスタはこれまで劇場以外の経験が少なかったから、M-1チャンプという立場で、来年になって色んな事を経験することが出来れば、他のチャンプとは伸びしろに違いがありますし、ますおかやフット、麒麟タカトシのようになれる可能性は高いんじゃないでしょうか?

今年の結果を踏まえての来年の予想

敗者復活戦に、去年のナイツ、オードリー、NON STYLEのような、来年の決勝は確実というようなことを感じさせる人が、勝ち上がったオードリー以外に全くいなかったこともあって、今年の決勝メンバーの多くは、そのまま来年の決勝にもスライドするのではないでしょうか? おそらく大本命はオードリー、もう来年の紳助が「一年間で見違えました」というコメント用意しているのが、いまから想像できますよね(笑)、そして僅差でキングコング、ナイツ、ダイアン、この辺が優勝を争う大会になるでしょう。
U字工事モンスターエンジンチーモンチョーチュウパンクブーブー、流れ星、カナリアあたりで、残り四枠というわずかな枠を争うことになるでしょう。ギャロップオリエンタルラジオマヂカルラブリーとかは、M-1決勝レベルに達するには、もう数年かかりそうな気がする。いつか手が届く可能性の高い人達ではありますが、来年とかではなさそう。まだなんか敗者復活戦の印象を見ると、ハイキングウォーキングハマカーンの大化けの方が期待できそう。

オードリーとNON STYLE - おわライター疾走

これは今年の六月の記事ですが、奇しくもレッドカーペットでレベルの高いことをしている二組として、この二組を並べて語っていますが、ここで語られているように、この二組の素晴らしさというのは、大衆性のあるメジャー志向という所を目指している、という点で全くぶれていないんですよね、だから僕はこの二組はM-1チャンピオンにどちらも相応しいし、ブレイクする資格がしっかりとある人達だと思います。

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アジアン, 麒麟, ザ・プラン9, タカアンドトシ

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