よゐこのポテンシャルと戦術的なキャラ出し

<ファミ通>通算1000号 記念企画でよゐこの「ゲームナイトニッポン」生放送(毎日新聞) - Yahoo!ニュース : 続・メガネのつぶやき

まずこの番組は楽しみ、自分はおそらく電波が受信出来ない環境なので、何らかの形で聞けるようになるのを楽しみに待つしかないんですが、よゐこさんのスタイルや魅力が民放地上波で出ているかという話について、僕はよゐこさんはいま支持を広げているスタイルが、地上派でも発揮される日は来ると思っています。
よゐこが凄いなと思ったのは、よゐこが「BSマンガ夜話」のゲストに出るようになったり、「ゲームセンターCX」や「まんとら」が始まる少し前ぐらいの時期に、「これまではラジオやライブでは出していたけど、テレビでは絶対に出さないと決めていたオタクっぽい面を出していくことにした」という話をラジオでしていたんですよ、それを言われてから気にして言動などを見ていると、2008年現在になっても、ウェブや雑誌のインタビュー、ラジオ、衛星放送やペイテレビ、地上波のオタク番組、地上波のバラエティ番組で、凄く「この媒体ではここまで出す」「この媒体ではここは出さない」というのが凄い気を遣って、よゐこというキャラクターを作っているのが分かります。
これはよゐこ本人の判断なのか、敏腕と言われている女性マネージャーさんのマネージメントなのか分かりませんが、最近までのよゐこは「めちゃイケ」のよゐこのイメージを阻害するようなキャラクターを地上波で出すことは、かなり意識的に排除していました。2008年になってようやっと時代がよゐこが限定的に出していたキャラクターに追いついてきたから、地上波でも小出しにするようになったけど、まだ全開しても良いという判断はしていない感じです。
僕がこの考えに確信を持ったのは、一つは濱口さんが作家の鈴木おさむ氏のホームページのインタビューが、完全に周りが見えていて、セルフプロデュースが出来ている人の言葉が並んでいたし、何より凄い熱い思いというのを感じるインタビューで、これを引き出してくれた鈴木おさむはありがとうというのも、ファンとしてはあるんですが、これはでも絶対に濱口さんは、テレビはもちろんラジオやファンだけ来るようなイベントとかでも、出していないキャラクターだと思うんですよ、出していないというより、自分のキャラを守るためにかなり意識的に出さないようにしている部分を、まあ構成作家のホームページなんて誰も見ていないだろうということか、喋り相手が親しい作家と言うこともあって油断したのか出してくれましたが。
僕がこの一ヶ月ぐらい延々と、「芸人とキャラクター」という話をしていますが、いまだに僕の言う「キャラクター」というのを、「エンタの神様」とかのキャラクター芸の話と取られるんですが、もちろんそれも含んでいるんだけど、それだけではないんですよね、こういうイメージやキャラクターというのは、芸人さんやタレントさんには絶対に大事なものなんですよ。
名前は出さないですが、ある年にM-1の決勝に始めて残った芸人さんが、「それでファンレターが増えて嬉しい」みたいな話をしていたという話を、にづかさんから聞いたんですが、にづかさんが「○○はそういうので喜ぶのはキャラとは違うから、相方の△△が言うのならともかく、それはテレビで言ってはダメだ」という話をしていたんですが、僕もその人に対してはそうは思わなかったけど、そういうキャラクターというか、世間が持っているその芸人さんやタレントさんに対するパブリックイメージというのを、あまりにもいまの芸人さんは大切にしていないんじゃないかと思うのですよ。
それこそテレビ黎明期ぐらい昔は人を食った芸風だった芸人さんが、息子さんが誘拐されたときに、泣いて犯人に訴えたり、憔悴しきった姿をテレビに晒したら、その事件の直後に人気がピタッと無くなったという話がありますが、本来タレントさんや芸人さんはそのぐらい、自分たちのキャラクターやイメージに気を遣うべきなんですよね、ましていまは視聴者やお笑いファンのリテアラシーも上がっているから、この息子が誘拐された芸人さんほどまでは、気を遣わなくて良いんですよ、私生活や素を見せるということも、タレントさんにはテレビ芸の一貫として認められるようになっているんだし、ただそれでも線引きはしろよという話なんですよね。
そういう面でよゐこさんが上手いなと思ったのは、やっぱりいまフジテレビ721でやっている「よゐこキン消し」の完全版なんですよね、「アキパラ」とか聞いている人は、みんな気付いていると思うんですけど、よゐこって有野さんより、濱口さんの方がオタクとしては深い所にいる人なんですよね。ただ濱口さんはかなり本物過ぎて、現状のテレビバラエティでオタク的なものを取り扱った番組には、かなり馴染まないような語りしかできない所があるのは、この「よゐこキン消し」を見れば分かると思います(笑)。
だからまず「アメトーーク」的なものでも大丈夫な有野さんの方が先に出る、というのは凄い順番としても正しいし、有野さんが広げた市場、客さんの濃度を上げていった所で、地上波でも濱口さんが投入されれば面白いことになると思います。現実に有野さん単体で「ゲームセンターCX」や「まんとら」をやってから、満を持してよゐことして「よゐこキン消し」や「アキパラ」という流れは、マイナーな媒体で試して成功していますし。
有野さんの凄い所は、「よゐこキン消し」を見ていると、物凄く“キン肉マン知らない人”として出ているんですよ、有野さんの年代でジャンプ読者でマンガ読みだったら、知らないわけないだろうというところまで、知らないキャラクターでやっていて、これはこの番組では凄く濱口さんが立っているという所もあるんですが、この辺切り替えるチャンネルがあるというのが凄いなと思うのと、有野さんの出方が地上波のよゐこさんに近かったので、こういうキャラクターというかテーマ設定をして、ロールプレイをする感じでテレビに出ているんだなと言うのが、凄い理解出来ました。
有野さん凄い所のもう一つは、直前の話にも繋がりますが、「マンガ夜話」とか「まんとら」見ている人は分かると思うんですが、“少し好きです”ぐらいの物に対して、“少し好き”というテンションを維持して語ることが出来るんですよね、これが僕は有野さんがいま「オタク芸人」的な売りをしてる人の中で、唯一本物という扱い受けている理由だと思うんですよね、他の人たちって、度数で言うと60%好きとか、70%好きぐらいの物に対して、テレビのバラエティでそれを語るにあたって、120%のテンションを求められているんですよね、だから岡田斗司夫GyaOの番組でも視聴者からのメッセージで、「いまの『ガンダム芸人』と言われている人たちは、謎本のネタ喋っているだけに見える」と言われるように、無理して本当は70とか80ぐらい好きというものを、100以上に持って行っている所が、オタクとか、本当にその題材が好きな人には違和感になっているけど、有野さんは自分の好きな気持ちや度合いを等身大で持って行く所(例えば知らないとか、好きじゃないということを言える所も含む)が、オタクに有野さんが支持されている理由だと思う、だから「アメトーーク」には濱口さんと比べたら出れることは出れるんだけど、あんまりオタクネタの時に填らない理由だとも思います。
だからよゐこはいま凄い戦略的に、有野さんや濱口さんが自分たちのキャラクターを整理しながら、場所を凄い選んで出していってるから、僕は遠からず、よゐこさんが地上波でもいまラジオやペイテレビで出せている魅力を出せる日が来るのではと考えています。またそれだけの事が出来る数字の実績があるのは大きい。

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