M-1グランプリ感想の感想その18〜オードリー春日という男論

M-1のビデオを何度も見返していますが、その度にオードリー春日の格好良さ、そしてこの男の面白さを、全て引き出すことに成功している若林の器の広さに、面白いとか格好良いという次元ではない、男が男に惚れるというような様を見せてくれています。

春日というリスク - おわライター疾走

僕はオードリーの漫才というのは、若林が作り出した「春日というシステム」として、凄く高い評価をしています。オードリーという漫才は、春日という不確定要素の高いモンスターの面白さを、最大限に発揮するために編み出したシステムで、春日という当たり外れの激しい存在を、安定してハイスコアを出すために生み出したものが、現在の春日のキャラクターであり、あの漫才のシステムです。だから春日が噛む、台詞を忘れる、キャラを外れるなんてことは、オードリーの漫才の中には、全ての可能性が想定されていると考えて良い。若林の編み出した「春日システム」は、春日が失敗するなんて事を想定していない、そんな甘いシステムでは絶対にない。
しかしあの春日が噛んだところは、春日が噛むタイミングも、この後で春日がダメな漫才師ということを、強調していくボケが続く前にあったこと、そしていくら想定していたとはいえ、あのタイミングでしっかりと想定通りの対応を咄嗟に出来た若林は物凄いです。
しかしあの日の春日は、彼自身も神がかっていたし、全ての運気みたいなものが、彼らの方向に流れていた。特にM-1グランプリの決勝の雰囲気に、春日のキャラクターがこれ以上ないぐらいに填っていたし、今田耕司と上戸彩の司会者二人も最高のお膳立てを、春日に対してしてくれていた。
でもいまのバラエティ番組は、そこまで良い司会者がいない番組も多いし、良い演出をしてくれる番組もそんなに無いんですよね、だから僕はオードリーはタレントとして、NON STYLEより使い勝手が良いとは思うけれど、春日が本人の責任とは全く違うところで、相当にスベらされるだろうなという危惧をしているし、大きな失敗もさせられるんじゃないか？という危惧がどうしても拭えなくて、それがNON STYLEやナイツより、来年のバラエティでオードリーが引っ張りだこになるという意見には、同意仕切れないところがあるんですよね、意外とオードリーは扱いにくいよと思うし、そういう意味では対応能力の高さという意味で、NON STYLEとU字工事の方が、2009年はバラエティで売れるんじゃない？という風に思ったりもする。
オードリーのポテンシャルを全然生かせない、司会者や番組に、来年はオードリーのファンは相当にヤキモキさせられるだろうし、春日という存在を勘違いした演出に、色んな所でオードリーは巻き込まれる羽目になると思う。しかしもう何度も言ってるけれど、「春日の本性を暴く系」のドッキリ企画には、所属事務所のケイダッシュステージさんは、絶対に2009年中は乗らないで貰いたいです。春日は春日のままでいさせなきゃダメです。

ロンドンブーツXマス芸能人は聖夜も大忙しスペシャル2008にオードリー - お笑い芸人のちょっとヒヒ話

はっきりいって一番心配だったのが、ロンブーの番組なんですが、こうやって敦が、春日の面白さをしっかり理解した上で、気に入ってくれているのは、凄い心強いことだと思う、というか意外と吉本系の司会できる芸人さんとの親和性が、オードリーは高そうなんですよね、というか春日がこれだけキャラクターという意味で揺るがないでいてくれたら、吉本の先輩方は普段出来ないような弄り方を出来るんだから、相当オードリーという存在が嬉しくなると思う、淳は本当に嬉しそうだったもんなあ（笑）。このオードリーの「春日システム」は、若林が一人で編み出したものだと思うんだけど、春日がハートの強さで最終的に完成させましたよね、素晴らしいことだと思う。
しかしこうやって語っていると、論客がオードリーの優勝と言いたいのは分かるよ、だってオードリーの良さは語りやすい（笑）、NON STYLEの良さって語りづらいのは確かなんですよね、だって「二人の演技力が抜群」「スピーディーで手数が多い」「単体で大きなボケやフレーズがないのに面白い」というのは、語りづらいのは確かなんですよね、結局「普通のことを普通にやって突き詰めていった」ということになるから、でもそれって凄いことなんだよ、ということはお笑いの語りたがりの中で一周回った連中が、しっかりとしていかなくてはいけないと思うのです。
いやでも本当に春日の魅力がいまだに伝わっていない愚か者たちに、2009年オードリーがどんな扱い受けるのかというのは、繰り返すけど僕は戦々恐々としています。