ネタで売れない内に、バラエティで売れる芸人

ふぬけ共和国blog 【雑記】・内輪の問題

なんか前提としている事がそもそも違いすぎているようなので、これ以上このやり取りを続けても、あんまり僕は糧を感じないのですが、とりあえず僕が誤解ではないか? ということを指摘しておく必要性を感じることだけは言っておきます。
ネタで売れない内に、バラエティで売れる芸人というのは、例えば僕からしたらキャイ〜ンが一番自分の中で印象が強いです。トミーズが東京進出第一弾として、「笑っていいとも」のレギュラーになったときに、同じタイミングでレギュラーになっていたのが、キャイ〜ンで僕はその時見たことも聞いたこともない人たちだったけど、東京のスタジオではすっかり有名人として扱われて、凄い違和感を持ってみていたんですが、でもそれは僕が大阪に住んでいたからで、おそらくキャイ〜ンは東京ではネタやっていたんだと思う、でも僕はキャイ〜ンの漫才とかネタコントやってるの見たのは、何年も経ってからでした。
でもそれは僕が見たこと無かっただけだと思っていたし、それを言ったら僕はB-21ピンクの電話も、売れてだいぶ経った後に始めてネタを見たから、やっぱり単に新田さんが90年代にネタ番組を見ていなかったと言うだけじゃないでしょうか?
確かに「オンエアバトル」と「M-1グランプリ」が始まるまでは、全国放送的にはネタ番組というのは一時絶滅状態ではあったけど、でも例えば「新しい波」とかはやっていたし、必ずしも若手芸人の登竜門的な番組として、ネタ番組が無かったとは思えないんですよ、単に新田さん個人が見ていなかったという、個人的なことを一般論に広げすぎていませんか? 僕からしたらキャイ〜ンB-21もK2もネタ番組に出ないで売れた人だけど、でも実際はそういうこと無い訳じゃないですか? 単に自分が(少なくなっていたので見にくかったのは確かでしょうが)ネタ番組見ていなかった時期を、若手がネタ番組を登竜門としてくぐることが無くなった時代というのは、かなり乱暴な意見だと僕には思えます。
続いて、とんねるずの内輪ネタの問題ですが、僕はそもそも「内輪」という言葉だけに反応して、比較にとんねるずを持ってきたこと自体が、自分には意味が良く分からなかったんですよ、そこが昨日のエントリーが慌て気味の文章になっている一番の理由です。

だから、とんねるずの内輪受けがアリで、他の人がナシというのは、私にとっては何か不公平感がある。
ふぬけ共和国blog 【雑記】・内輪の問題

別にアリとかナシという話はしていないんですよ、というかそんなことは元々言っていない、そもそもこの話題がとんねるずとの比較に行くことが、僕には良く分かっていないし、なんかこの話題に託けて「80年代の楽屋オチ文化」を語りたいだけで、今回の僕たちの話とは全く関係ない話をされているように、今回の文章を今このエントリー書く為に読み返していると思ってきました。ただそれでこういう結論をされると、僕たちの元の文章の真意が曲げられるんで、きちんと反論させて頂きますが。
世間全部を自分たちの内輪にしてしまおう、「世界は全て楽屋である」という80年代に生まれた思想と、いま僕たちが問題にしているのは、本当に内に籠もってしまった、世界を広げる為の内輪遊びと、本当に分かる人だけ分かるという引きこもり方をしてしまった、前回のエントリーで書いた「内輪受け」というより「内輪向き」になったものを一緒にして、横に並べて比較すること、そして比較した上で同じと言ってしまうのは、かなり僕には乱暴な論としか思えないです。
これはお笑いに限らず、マンガやアニメ界でも、というかおそらくそちらの方が顕著に現れていることだと思うんですが、売れる前のとんねるずがやっていたことは、外に向けての内輪ネタであって、いま僕たちか問題にしている、本当に内しか見ていない人たちの内輪ネタとは、やっぱり違いますよ、あとどうも僕たちがいま問題にしていることについて、大阪の芸人がとんねるずの影響、80年代から90年代前半の東京発のバラエティの影響を受けて、そうなっていると新田さんは捉えているような気がするんですが、それは全く関係ないでしょう。
だって僕の中で大阪の芸人で、「とんねるずに対するリスペクト」というのを現していた人って、ナイナイしか見たこと無いんですよね、というかぶっちゃげ岡村さんだけ、ある程度大阪だけでも知名度ある人ぐらいの範囲で見ても、あんまりとんねるず的な遺伝子って、もちろん子供の頃から見ている人だから薄い影響はみんな受けているんだけど、新田さんが思っているような影響は受けていないというか、もし受けているような人はココリコ、ロンドンブーツ1号2号みたいに関西出身でも東京で芸人デビューしているんじゃないですかね?
少なくともいま大阪に居残っている連中で、とんねるずに対して「忸怩たるものがある」という人はいないと思う、何故かというと、とんねるずみたいな事をしていた人は、今も昔も大阪にはいなかったから、売れていることに対するやっかみとか、何故受けているか理解出来ていないというのはあったかもしれませんが、同じようなことをやっているのにとんねるずだけが受けたことへの忸怩を感じる人はいないでしょう、だって同じ事やっている人がそもそもいないんですから、とんねるずの同世代の関西芸人となると、こだま・ひびきとかくにお・とおるになる訳で、それはもう意味が全然違ってきますし、ダウンタウンのアンチとんねるず的な姿勢は、全く逆のことを仕掛けている以上は当然だったし、他のダウンタウント同世代になるとやっぱり単なるやっかみの感情でしかなかったでしょう。
ということで、何か僕には元のテーマからだいぶ関係ない話をされた、というのがこうやって返事を書いてみて感じたことです。少なくともいま大阪の芸人が大阪でやっていることと、80年代のとんねるずがやっていたことを、同一視するのは無茶苦茶だと僕は思います。いまの大阪の状況を比較するのに、ナイナイというのも実はそんなに適当ではないんですよ、何故かというとナイナイって90年代の中頃ぐらいに、完全に大阪のお笑い文化との縁が切れた人だから、だから同世代の雨上がり決死隊千原兄弟バッファロー吾郎FUJIWARAとの比較までは出来るし、千原とバッファローはいまだにナイナイに対して、何らかのコンプレックスを残したままになっているけど、もう少し下の世代になると、もう完全にテレビの中の人であり、いわゆるコントとか漫才やっている若手芸人が、古典落語やっている芸人さんと接点がないのと同じように、自分たちと接点無いテレビの中の人という風にしか、ナイナイは見えていない。だからその先の遥か向こうにいる、とんねるずは完全に見えていないんじゃないかと、思うことはありますけど、これは正直書こうかどうか悩んだ所ではあります。更なる誤解を生みかねないことですから、言葉通り取られすぎても困ることではあります。ニュアンスを感じ取って貰えるとありがたい。
だからこれだけは答えておく必要があると思うのですが。

ナイナイが大阪の他の芸人にいろいろと批判された理由というのが、漫才などのネタ込みのことなのか、それともそうではなくてタレントとして「急に売れやがって」ということなのか、そこは私の知識不足ですので、素直に知りたい。
ふぬけ共和国blog 【雑記】・内輪の問題

それは完全に後者だと思いますよ、ナイナイに対して「面白くないのに、テレビでチヤホヤされて売れた」という批判は、今も昔もそんなに無かったと思う、一番多かったのはどちらかというと、「先輩芸人よりも先に売れた」ということが、芸人の中にもファンの中にもアンチを生んだ一番の要因だったと思うし、丁度ナイナイが売れた時期というのが、80年代末から90年代前半にあった大阪ローカル番組ブームの終盤で、やしきたかじん、東京進出前の上岡龍太郎、トミーズあたりが頑張っていて、「大阪の笑いは本物、東京のは偽物」という思想が、関西のお笑いファンとかテレビ好きに広まっていた時期なので、ウンナンとかとんねるずに、東京で本人達がやっていることとは関係ないベクトルで凄いアンチが付いていた時期に、ダウンタウンというよりは、ウンナンとんねるず的な売れ方をしたナイナイに対しては、特にこの後の「2丁目WACHACHAブーム」の頃のファンが、一斉にとまでは言わないけど、一部アンチ化したのは確かですが、これは完全にナイナイより一年、二年ぐらいの先輩芸人で、当時大阪で人気あった人たちが煽った結果だと、僕は当時「2丁目WACHACHAブーム」に全く乗れないで、ボキャブラと吉本だと中堅の漫才、若手を見たかったら松竹のライブを見るという環境でしたので、横目で冷静に見ていた身としては、そういう風に感じていました。
雨上がり決死隊千原兄弟バッファロー吾郎の話をし出すと、ナイナイとの比較論というのは避けては通れない所ではあるんですが、ただ実際にいま大阪で行われていることに、ナイナイが関係しているかというと結構微妙だとは思う、その先のとんねるずというのは、もっと関係ない存在だと思います。比較するべき対象ではないです。
あと一点だけ。

その事を僕は「内輪ウケ」と表現したんですけど
ちょっと表現方法がマズかったですかね?
「東京から見たバッファローは……」:ふぬけ共和国blog - 一汁一菜絵日記帳

これを僕は「内輪受け」と「内輪向け」と言いましたが、やっぱり「内輪ウケ」で良いと思います。とんちねずの方はあくまで「内輪ネタ」であって、「内輪ウケ」ではないですよね。「内輪のことをネタにする」というのと「内輪にだけ受ければいい」というのは全然違う話でしょう。

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