「いまあるお笑い界の危機」を読み取れる三題

親孝行プレイ」、ナイナイ、とんねるずを語ります〜松本人志はもう過去の人扱いで良いんじゃないかな?

深夜のお笑い番組 - 地球にマンガがある限り!

年齢はコバのほうが上だけど、芸歴はジュニアのほうが上という微妙な関係の中、ケンコバがジュニアに妙に気を遣っているオーラがバンバン出ているトーク番組。ジュニアを据えるならばコバじゃなくて対等のキャリアの芸人がパートナーの位置にあるべきだった。ケンコバを置きたいなら千原せいじを置いたほうがいいでしょうこれは。

ジュニアとせいじの新番組「にけつっ!」の感想が、誰の話を聞いても、同じ感想になっているのが素晴らしい(笑)。

このところ関西ローカルの若手芸人の番組には、小藪さんがよく出ているなー。

これは「麒麟の部屋」の感想、まあいまの吉本の若手芸人の番組を作っているスタッフの世代が、良く分かりますね。
そして「親孝行プレイ」の感想になるわけですが、いやこの番組はやっぱり凄いですよ。

これは安田顕要潤斎藤工の3人で20分くらいのコメディードラマやってるんだけど、お笑い的に非常に達者。カッコイイ人が面白いというのはもうなんか天下無双だよな……。

要潤は「さんまのまんま」に出た時に、バラエティ的な感覚の鋭さとか、切り返しの頭の速さだけでなく、言葉選びのセンスも良い上に、人柄的なものも素晴らしいなあと感じて、すぐにバラエティで台頭してくると思ったら、こんな本格的なシチュエーションコメディの役者として、一気に出てくるとは思いませんでした。
ある大阪の芸人さんが、「僕たちはキャラだけで受けていて、ネタが面白いから受けているわけじゃない」と悩んでいるのを聞いたことがあるんですが、何が悩む必要があるのか全く分からなかった。ネタなんて言うのは何年もかけて作っていけるだろうし、それこそ理解者がいれば作ってもらうことだって出来る、でもキャラクターなんていうもっと生まれた天性のものが、デビュー間近の段階で評価されていることは、喜んで良いと思うのですよ、神様から貰った物だけで、勝負できていることは、もっと強みとして感じていて欲しい。
以前からジャニーズのタレントや、イケメン俳優、ミュージシャンなどが、以前はお笑いをやることに心の障壁が取れてきている、という次元の話でしたが、最近はもう明らかにお笑いの方に、向こうが積極的に取り組みたがっている、お笑いをやるにあたっての心構えが芸人並みに出来ている人が、沢山いるという状況が出てきている。実際にいまのバラエティ番組は、東京も大阪も司会者は芸人ではなく、ジャニタレばかりになってきている。
そしてこういったシチュエーションコメディにも、そういう俳優さんが参入してきた、これについて危機感をいまの芸人が持っていないことを、僕は理解が出来ない。いま本職のお笑い芸人で、このレベルのコントバラエティをテレビの現場で出来ている人が、どれだけいるか? そういうことをお笑いファンも含めて考えるべきでしょう。
ちなみにこの「親孝行プレイ」はじっくり見ても楽しめるし、何か作業をしながら、片手間に見ていても、それなりに邪魔にならずに作業できて、楽しい雰囲気も味わえるという番組で、僕はそんなに元々の評価は高くないんですが、さすがみうらじゅん、この人はテレビのことを良く分かっているなと、感心させられる内容になっています。
いやでもこんな男が見ても、画面が映えるなあと感心する男前で、芝居が出来る人たちが、良い台本でやってるんだから、そりゃ面白いですよね、芸人には変なプライドがある分だけ、チームプレイとしてのテレビバラエティや、シチュエーションコントの番組は、俳優さんやアイドルの人とやってる方が、作りやすいという現場の傾向は深まっていくんじゃないでしょうか? 本当に質の良いコントを作りたかったら、芸人ではなく俳優やジャニーズを使おうという、テレビの現場の動きが加速する可能性は、実際にありますよね。

ナインティナインがチャンスをもぎ取った時 - てれびのスキマ

 矢部:天然素材では、どっちかっていうたら干されてたほうやし(笑)。ネタあんまり出来ない方やったんで。

 岡村:吉本の養成所もクビになったくらいやし。で、吉本の偉いさんに「お前ら、消したらぁ」って言われて消されたこともある人間ですから、褒められるってことがなかったですから、すっごい嬉しかったのを覚えてるんです。

なんかね一部のナイナイと同世代の吉本の芸人とかが、昔の話をする時に、いかに「ナイナイは最初から会社に気に入られていて、自分たちはその陰でどれだけ苦労したか」みたいな、嘘八百も良い所の話をしまくっていて、何となくいまの若いファンとか芸人にとってはは、それが史実のように伝わってきているんですよね、でもああいう歴史の改ざん、それも若手が売れるための道標となるような話は、きちんと事実が伝わらないのは危ないし、もっとナイナイの二人には史実を語りついで貰いたいですね。

その一方で、彼らも述べているように「天然素材」でも格下の存在であったうえ、「関西で人気が出てから全国へ」という順番を踏まずにアイドル的な人気になったことで、他の芸人からの妬みやお笑いファンからもやや色眼鏡で見られるようになり、ますます屈折せざるをおえないようになっていくようになる。

この辺の時代のことを話するのが、大阪で売れ残った連中ばかり、というのもナイナイの当時の評価が、正当に語り継がれずに、妬みや色眼鏡から発せられたものが、史実として語り継がれているという理由になってそうですね。
最近の吉本の芸人さんとかが、テレビやラジオ、劇場などで語っているのを見ていると、本当に吉本の社員や先輩芸人の顔色ばかり見ているな、というのが良く分かるんですけど、でも吉本に可愛がられて売れた芸人なんて、ダウンタウンがいるぐらいで、さんまさんにしろ、ナイナイにしろ、極楽とんぼにしても、吉本社内ではほとんど推してくれる人がいなくて、テレビ局のディレクターが気に入って拾い上げたおかげで売れた、そういうのってもっと周りが語り継いでいかないとダメだと思うのです。

ナインティナインのオールナイトニッポン - タスカプレミアム

一昨日の「とんねるずのみなさんのおかげでした」で、放送時のスタジオにカメラが入っていて、それがいつになくマジなとんねるずの二人で、凄い珍しくて感動的でした。とんねるずは石橋さんが、M-1で名前を売ったあとの麒麟やフットボールアワーを知らないと言うことがあったけど、ナイナイの番組とかはチェックしていることを考えると、アンテナの貼り方が違うだけと思った方が良さそう、ある程度メジャーの土俵に上がってくるまでは、興味の対象外なのかもしれない。
しかしとんねるずと比較して思うのは、「松本人志の休業宣言」というのが、次の「放送室」の予告に書いてあって、いま少し話題になりかけていますが、正直言って「そのまま辞めてしまったら?」と思わなくもないんですよね、だって松本は色々と言い訳しているけれど、いまの松本人志には悪いけど現役感が全く無い。21世紀に入ってからのダウンタウンは完全に、松本ではなく、浜田で持ってると言わざるを得ないでしょう。それなのに辺に影響力だけ残っているせいで、後進に悪い影響を与えている。
やっぱり僕は中途半端にチヤホヤされて上がった連中より、現場で今もあがいている人たちを評価したい、松本は色々と言い訳しているけど、結局もう何もしていないで、偉そうなことを行ってるだけで、現場でものつくりをしているという意味では、とんねるずウンナンの方が遙かに現役感がある、そのことは僕はもっと評価されるべきでしょう。そういう意味ではダウンタウンは、一時はブッちぎっておいていったとんねるずウンナンに、明らかに追いつかれた。いやとんねるずに関しては、一時期は完全に50馬身ぐらいおいてかれたのに、完全に差し替えしてしまった。それはとんねるずが現場の最前線で戦い続けた、ということもありますけど、明らかにダウンタウンは松本が「うさぎとかめ」のうさぎ状態になっていたからでしょう。というかいま明らかにとんねるずに差し替えされたことにも、どうも気付いていないように思える。あーもちろん、浜田さんの方がサボってるなんてことは、夢にも思ったこと無いですよ。
だって今の松本人志だったら、言い訳しないで、好きなことだけやって、それで食うことが出来ている、山田・森脇の現状の方が、下手したら立派ですよ、そのぐらい今の松本は立場に胡座を掻いて、文句言うだけの存在に成り下がっています。
いやこれが映画を撮るために、本当に休業するとか言うのなら、格好良いし、現場で戦っていると評価できますよ、でもねえ……。というか松本の「もうこれ以上お金なんていらない」という言葉の白々しさって無いでしょ?(笑) 貧乏育ちが身に染みている人ほど、帰りたくないと思うのが普通だし、何より松本人志は自分のアニキが「松本の兄です」ということを商売にするの、止めていないわけでしょ? 松本の普段主張している美学だったら、ああいうの絶対に許すべきではないのに、なんかそういう所の言動不一致なところも含めて、無用に格好付けすぎているところが、最近の松ちゃんはハナについて仕方ないですし、その気もないのに「休む」とか「制約無しでコント作りたい」とか言って、格好付けるのは本当に止めてもらいたい。
こういうポーズだけの人間がチヤホヤされて、実際に現場で物作っている、とんねるずウンナン、そして浜ちゃんに対しての過小評価が、いまだに続いているのは、日本のテレビ界にとっても、お笑い界にとっても良くないです。
この三つの記事は、僕は「いまあるお笑い界の危機」として、まとめて一つの記事としたい。

親孝行プレイ 第1巻親孝行プレイ 第1巻
要潤, 安田顕, 斎藤工, マギー

親孝行プレイ 第2巻 親孝行プレイ 第5巻 親孝行プレイ 第4巻 親孝行プレイ 第3巻 斎藤工 2009年カレンダー

by G-Tools
とんねるずのコント(1)〜こんと いん なえば 10年の凝縮LIVE〜とんねるずのコント(1)〜こんと いん なえば 10年の凝縮LIVE〜
とんねるず

ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ- 完全撤収 四時間伝説

by G-Tools