M-1グランプリ感想の感想その2〜どうしてオードリーは優勝できなかったのか?編

M-1 2008所感 - カイ士伝

ちょっと追記。一発目のネタを最後の決戦に持ってきていたら優勝はオードリーだったと思います。2回目が1回目に比べると今ひとつだったのがほんとに残念。
M-1 2008所感 - カイ士伝

オードリーが二本目の方が良いという意見もありますが、一本目と二本目だと二本目が見劣るという声の方が、比較的多いようなので、そちらをベースに話を進めていきますが、オードリーって今年のM-1グランプリ準決勝で一度落とされているんですよね、オードリーは今回の決勝で一本目最高得点を獲得した「家探し」のネタは、三回戦でやっていたネタで、準決勝は「親孝行」というネタで、凄く受けてはいたけれど、ナイツやNON STYLEザ・パンチと比較したときに、見劣るという感想も出て、実際にそれで落ちてしまった。
当然オードリーからしたら、三回戦と準決勝では準決勝の方に、勝負球を投げてくるわけです。だけど例えば同じ人に、三回戦は「優勝候補の筆頭」とまで言われたのに、準決勝を見た感想では、ややトーンダウンしてしまったように、準決勝のネタが弱かった。自分たちの一番面白いことだと思って持ってきたネタでは、準決勝を勝ち上がることは出来なかった。
松本人志が2004年の「M-1グランプリ」で、南海キャンディーズが一本目と二本目で、二本目で大きくクオリティを下げたことについて、「まだ自分たちの一番面白い部分が分かっていない」という趣旨の批判的な評価をしていましたが、オードリーも本当は一番の勝負球として考えたネタで、今年のM-1は一度敗れてしまった、そして評判の良かった三回戦のネタを、敗者復活戦と決勝大会の一本目に持ってきて、二本目は敗れた「親孝行」のネタではなく、本当は今年のM-1で出すつもりがおそらく無かったであろう「選挙演説」のネタを、持ってこざるを得なかったということになったから、準決勝用という勝負ネタとして考えた漫才で、結果を出せなかったというのが、オードリーの敗因の全てだったかなと思います。
まさか敗者復活戦で勝ち上がったコンビが、敗者復活戦と決勝の一本目でネタを変えるわけにもいきませんし、一本目から「選挙演説」のようなトリッキーなネタを、ノンスタ、キンコンと続いた流れでやっても、あれだけ受けたかどうかは微妙のように思いますし、「家探し」と「親孝行」というネタのコンポに失敗したというのが、オードリーにとって最大の敗因だったのでしょう。
一応、二本目のネタの方が評価すべき、という意見も紹介しておくんですが、少し反論したい。

オードリーの最終決戦のネタ - MCATM IN THE BATH

とりあえず表明しておきますけど、若林=演説者、春日=群衆という、凄まじいセッティングで構成された、見た事もないようなネタだという事がスルーされすぎている。ボケの方が、一人で群衆演じてるんだぜ。
オードリーの最終決戦のネタ - MCATM IN THE BATH

ボケが集団を演じて、ツッコミが一人という形の漫才って、そんなに珍しい漫才かなあ? この日の敗者復活戦だけで見ても、流れ星とかノンスモーキンがそういうネタしていたし(流れ星はその設定、後半だけでしたが)、この部分を見た事もないようなという風に言われると、少し違うんじゃないか? という風に思いますです。

オードリーは勝てる新しい漫才を持ってきたはずなのに、古い漫才に負けてしまった悲しさ…。
M-1終了(ネタバレ) - MCATM IN THE BATH

上の論と合わせても、オードリーの「選挙演説」のネタは、勝てる新しい漫才じゃないですよね、負けたから無理に出してきたという方が自然で、本人達もこれで勝てると思ってるのなら、最初から三回戦か準決勝で、このネタ使ってますよ。M-1って基本的にスポーツ競技だから、そういう予選からの流れというのは、やっぱり影響しますよね。

面白い漫才がみたいわけで、スポーツ見ているわけではないから。
M-12008総評…は続く(ネタバレをたっぷりと含みます) - MCATM IN THE BATH

いやスポーツですって、間違いなくM-1は、面白い漫才が見たいのなら、ルミネや花月末広亭に行けばいい、M-1はルールがあって勝負という時点でスポーツなんですよ。当日の夜や次の日に延々と「M-1グランプリはスポーツの大会としてもっと認識されるべきだよね」という話を、延々と友人達としてきたので、ここは声を大にして言いたい。
しかしid:mcatmさんに関しては、僕は勝手に友達だと思っているので、ある程度、直言させて頂きますけれど、「好みの問題」というのが納得できないというけれど、僕からしたらid:mcatmさんが、明らかにノンスタの優勝に納得していない方が、もっと説明して欲しいし、事前の願望予想で8位にしていたことからも、「好みの問題」なんじゃない? 僕にはid:mcatmさんが、ノンスタの漫才を「古い漫才」と言い切れることが、納得できないし、説明不足だと思っています。僕の考えるNON STYLEの先鋭性については、こちらで書いた通りです。

タケルンバのM-1レビュー - タケルンバ卿日記

「おもしろい中での好みの差」ということですよね、ただ僕はM-1の勝負球的なネタを、二本用意できなかったということで、NON STYLEと他のコンビには、今回明確な差があったと思っております。ナイツとオードリーの二本目は僕には弱かったし、ネタの鮮度という意味でも勝負球にはならなかった、U字工事笑い飯、ダイアン、モンスターエンジンも、あったのかな? という風には思うし、キングコングは一本目と二本目の順番を誤ったんじゃないかと思っています。

12月21日(日) - それでも明日はやってくる。

自分に関して言えば、最終決戦のオードリー。2分位(街頭演説のところ)で、あれあれあれ?とひいちゃったんですよね。置いてきぼりにされたような感覚が残ってしまって。それが無ければオードリーに入れてた&票ももっと均衡してたかもしんないなぁと。
12月21日(日) - それでも明日はやってくる。

オードリーに関しては、僕もそんな感じでしたね、いや本当に一回目見たときよりも、二回目以降見たときに、特に思ったのですが、完全に2004年の南海キャンディーズの二本目の時の空気を思い出しましたね、本当に若林は敗者復活戦も勝てるかどうか不安があったんじゃないかな? 正直「家探し」のネタ一本だけをこの日のために仕上げてきた、という感じで決勝で二本やる準備というのは、ほとんどしてなかったんじゃないかな? という気持ちになりました。

M-1グランプリ2008決勝の感想 - ショート・プログラム

しかもノンスタはナイツやオードリーと違って今年急成長したコンビではないので、なんで今まで落としてたんだよと。去年も書きましたけど、やっぱり準決勝の審査がおかしすぎた。
M-1グランプリ2008決勝の感想 - ショート・プログラム

本当にナイツやオードリーが優勝できなくて不満な人達は、去年の決勝にNON STYLEを残さなかったことを、もっと怒ってもらいたいですよ、でもそうなったらサンドウィッチマンが、前年の準優勝を引っさげて今年の大本命として、君臨したことになるんですけどね。

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スピードワゴン, オードリー

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