決勝進出8組プレビュー

出番順でプレビューを行きます。

笑い飯

千鳥がいなくなったと思ったら、盟友の笑い飯がというのは、お約束として僕も言っておきます。ここのトップ出番というのは、番組としても嫌、審査員としても基準にならないから嫌、本人達も嫌、後に出てくる人たちもやりにくくて嫌でしょうね、この人たちは万が一受けなかったら確実に後に引くぐらい空気ぶち壊すでしょうし、大受けしたら後の二時間が笑い飯が空気を支配したまま終わってしまう可能性があります。
おそらく笑い飯は「ハッピーバースデー」と「靴を隠されてる子に声をかける」の二本で来ると思います。「靴」のほうは物凄い面白いのは間違いないんですが、ただトップバッターで会場の空気を暖めるところから始めないといけない状態でやった時にどうなのかという疑問符は付きます。
三回戦の「ガムの精霊」のネタもそうでしたが、本題に行くまでのネタ振りのところが弱いんですよね、このネタでも下駄箱に行くまでのチャックとか自動ドアの下りがほんの少しだけ弱くて、トップバッターの暖まっていない空気の中でやったら、「去年の笑い飯の失敗」を思い起こさせて、うまいことお客さんや審査員を後半の畳み掛けに乗せることが出来ない可能性はあると思います。
それなら一か八か「ハッピーバースデー」を持って来ても良いと思うんですが、ただこれはおもいっきり諸刃の剣で、去年までの千鳥になる危険性は極めて高いんですが、トップとして一か八かの大勝負するのなら、こっちの方が良いような気がするんですがどうでしょうか? 四分あれだけで引っ張ることが出来れば、従来の笑い飯パターンとも少し違うネタですし、僕個人としては一回戦で「ハッピーバースデー」、最終決戦で「下駄箱」をやってほしいです。
少なくとも「ハッピーバースデー」をやったら、成功しても失敗しても後のコンビにしばらくやりにくい空気は作れると思います。勝負事と考えるならば、自分たちが全力を尽くすのと同じぐらい、他をやりにくくするのも重要です。

アジアン

正直に言いまして、いまのアジアンは好調とはとても言えないと思うんですよね、三回戦で旧作に頼って失敗したり、ネタ選択の迷いというのは相当準決勝でもあったと思いますし、今回のネタも言葉の選び方、造語センスなどは物凄く練れている、馬場園さんのセンスが光っていると思うのですが、それだけに頼りすぎたネタをどう判断されるかというのは、なかなか難しいような気がします。しかも出番順が笑い飯の後、さらに過去のM-1の放送を考えると、この後に敗者復活戦の発表もあるという出番順は、なかなか厳しいと思います。
「深夜の通販番組」を何故やらないとは、自分も思っていたクチなのですが、現在の調子で馬場園さんの造語センスだけのようなネタで決勝に上がってしまって良いのか、アジアンのポテンシャルを考えると今年の進出は逆に心配なんですよね、もう一皮剥ける可能性は高いから、それを待ってからでも良かったような気がします。しかし青空はなにもかもアジアンに先行かれちゃったなあ、これだったら変ホ長調イー☆リャンに先に行かれた方が良かったよ(笑)。

南海キャンディーズ

準決勝は「歌のお姉さん」をやったらしい、というかまあそのネタしかないから当然というか、それ以外やっていたら多分落っこちてたでしょうね、正直あんまり言うことないです。去年のM-1の後のラジオ番組でダウンタウン・松本が酷評していましたが、その評価をひっくり返せるほどのものは用意できていないと思う、つーかこの順番が一番キツイのは多分ここでしょう。どうかとにかくそこそこぐらいの出来は維持してほしいです。
しかしレイザーラモンが東京所属になっているそうですが、ここもさっさと東京所属にしてあげればいいのにと思います。まあこれは麒麟、そしてチュートリアルという、今年東京で受けた人全員に言えることですが。

チュートリアル

万が一、トップの笑い飯から南キャンまでがあまり盛り上がらなかったら、お客さんも審査員もこの辺でそろそろ笑いたいという空気になる頃だから、ここでチュートリアルブラックマヨネーズという経験豊かなところが出てくるのは凄いプラスに作用しそうですし、逆に笑い飯が大爆発しても、二組挟んでおそらく神宮との中継も入れば、かなり空気も変わってくるでしょうから、ここは抽選に不在だったのに良いところを引きました。
チュートリアルはネタ選択に過去のM-1決勝、準決勝、敗者復活戦はもちろん、色んな賞レースで失敗し続けていますが、今年は二回戦、三回戦で「サスペンスドラマ」の改良版、そして準決勝で「バーベキュー」と評価の高いネタをきちんと持って来ましたから、あと二週間の期間中に守りに入るようなきっかけになることがありませんようにと願いたいです。出来れば徳井さんの変態性が強く出る「サスペンスドラマ」の方を先にやってほしい。そして最終決戦に「バーベキュー」で優勝でしょう。
今年はかなり早い時期から、今年の優勝候補とさせて頂きまして、途中ちょっと不安になって東京勢に浮気していましたが、やはり三回戦で受けた衝撃の後の予想をそのままにさせて頂きます。今年の優勝候補筆頭はチュートリアルです。

ブラックマヨネーズ

ここは準決勝勝ち上がれないと思っていたところですが、決勝に行ったら確実に上位三組に残れるとは思っていたので、素直に最終決戦候補にします。今更「彼女に東大生ということを隠している」なんてネタは流石にしないでしょうし(笑)。
今年は『M-1に踊らされない』という宣言とは裏腹に、明らかにM-1で勝ち上がるための転換を図っていたブラマヨですが、今年の上半期は芸人仲間に絶賛されたもののファンの拒否感が強くて封印した新機軸を経て、下半期になって「ボウリング」や「14歳年下とのデート」のネタのような新たな境地を開拓したわけで、さすがに封印した方はいくら最終決戦の二本目であってもやらないと思うので、「ボウリング」と「14歳年下とのデート」の二つで良いかとも思うのですが、この二つ凄い似てるんですよね、『デートの時にどうしたらいいか』という設定も一緒だし、そうなると「車を買いたい」「朝起きられない」のどっちかを持ってくるかな? ただこっちだと最終決戦に残る可能性が微妙に下がるような気がします。
とにかくここは注目度の高い舞台でネタを二本やって全国にアピールしてほしいです。

品川庄司

とにかく盛り上げてください。楽しんできてくださいとしか言えないです。完全にボーナスステージと思っているので、やっぱり新ネタのクオリティが若干ここに入ると落ちるのは仕方のないところです。最後の最後で決勝に上がれて良かったとは思うのですが、最終決戦に残れると思えない一方で、9位になったとしても決勝に上がっただけで大成功とは言えない格も持っているというのは、正直悩ましいです。

タイムマシーン3号

唯一の非吉本勢、今年はオンエアバトルますだおかだ以来、二度目の満点545Kbを叩き出したし、レポを読むと結構人によって各コンビの印象がばらけていた東京準決勝にあって、満遍なく高評価を受けていたので行くだろうとは思っていたのですが、正直ここまで極端な選考になった審査で生き残るとは思いませんでした。
しかし設定に入りきる、いわゆる『ちょっとそれやってみよう』系のオーソドックスな漫才コントのネタをするコンビが今回あんまり決勝に残っていないし、お笑いファン的には何を今更なんですが、世間的に“麒麟枠”的な扱いを受けているようですし、巧いこと転がる可能性は高い。正直、ここはワイルドカードで今年上がってくると思っていたんですけどね。

麒麟

田村さんも言ってますが、この出番順はキツイとは思う、ここはもう単純にいまやってる漫才が、紳助、松本の二人にどう受け止められるか次第でしょう。おそらく2001年の大会の時に、紳助と松本が期待していた方向性では麒麟は進化していないんですよ、進化はしているんですが、それをどう判断されるかに尽きると思います。去年の最高の出来を紳助や松本がどう判断しているかというのが、分からないというのも辛いところです。
少なくとも松ちゃんは去年のM-1に関しては『アンタッチャブル以外全部ダメだった』と断じていたということで、お気に召していなかったようなのですが、去年のアレが気に入っていないのなら厳しそうなんですよね、あんまりM-1に振り回されるのも可哀想なんですが、ここは今年沢山新ネタ下ろしていますが、どれも似たようなタイプばっかりなんですよねえ……。品川さんがコメントで『麒麟のことをオーソドックスなタイプ』と言ってますが、でも麒麟は最初の年の漫才とか、去年の「癒しの空間」みたいに意外性のあるネタ勝負の変化球が評価されているのに、正統派的な評価がまとわりついてきたのは、そういうネタになってるのは僕は難しいというか、正統派の土俵で勝負すると、チュートリアルブラックマヨネーズの相手はキツイですよ。二回戦が「通販」、三回戦が「ファッションショー」、準決勝が「野球」でしたが、とりあえず「ファッションショー」だけは避けてほしいです。

敗者復活戦

敗者復活組から勝ち上がって決勝三組に残る可能性があるのは、千鳥、トータルテンボスPOISON GIRL BAND東京ダイナマイトの四組だけでしょう。ただトータルテンボス以外はあんまり敗者復活戦向きとは思えない人たちばかり連なっているように思います(笑)。
ただ敗者復活戦で勝ち上がりそうな人たちが、今年はかなりストレートに来てしまったように思うので、結構ストリークはチャンスだと思います。麒麟品川庄司南海キャンディーズチュートリアルブラックマヨネーズとファン投票的な敗者復活戦向きの人たちが消えたから、風はまだ吹いているんだから活かしてほしいです。今回は無名のコンビが一組もいない、全国放送初めましてみたいな人がいないので、そういう人たちが上がってきた方がとも思わなくもないんですけどね、やっぱりあれだけ笑わせてもらいましたから、ストリークジパング上陸作戦、千鳥の三組でいきます。
で、順位予想は今日の最初に書いたとおりです。

やっぱり他の方も総論賛成、各論反対な雰囲気と、去年の審査に満足している人は今回に不満、去年に不満がある人は今回満足していますね、今回は無難すぎるという批判は的を射ている気がするので、選ばれた人たちにはそれを覆す出来を期待したいです。敗者復活戦はハリガネロック、千鳥、トータルテンボスPOISON GIRL BANDらに当然集まると思っていたら、結構ストリーク一番人気に驚いています。「まいどー」を25日に三度東京で響かせることが出来るか?