『平成21年度NHK新人演芸大賞演芸部門』

NHK新人演芸大賞2009・演芸部門:おわライター失踪

とりあえず結果が先に報道されてから、放送を見る賞レースという番組になるので、どうしてダイアン、しずる、ハライチがいるのに、スマイルが優勝したのかというのを、確かめる番組となりました。

しずるコント「居酒屋」

二人で悪い顔を交互にするパターンのやつ、これやるんだったら「青春コント」の方が良いよなあ。収録時期は『キングオブコント』の決勝前だけど、そういう意味でネタ温存したのかなあ？とりあえずしずるの敗因は、自分たちの持ちネタの中でも、弱いネタだったということで決着です。いつも賞レースの審査コメントで、全く空気読まずに歯に衣着せないこいし師匠も、さすがにここまで審査員経験すると、空気読んでコメント出来るようになっています（笑）。

ダイアン漫才「相撲を知らない」

もうこれは完全にM-1に向けて温存しましたね、僕がこのネタを前に見た時に、面白かった大笑いしたポイントが、悉く削られていました。座布団とか、相撲のことが分かるところのリズムもおかしかった。審査員席のこいし師匠が、表情で「全くダメ」っていうの丸出しでしたね（笑）。僕も同じネタで、こんなに良い時と悪い時があるのかと驚きました。
こういう変な温存するコンビって、長くお笑いファンやってるとバチあたるの見続けているので、なんかモンエンと同じように、ダイアンもこんなことやらかすようでは、今年も確実にM-1ファイナリストとは思えなくなってきました。やはり大阪は笑い飯の一強かもしれない。

Wエンジンコント「義理の母親と息子」

これもうNHKだから背徳的ということでダメなんだろうけど、この設定でも「ホレてまうやろ」やらないと、何の山も谷もないネタという印象しかないですね。

ニッケルバックコント「サラリーマンのお医者さんごっこ」

見たことあるのかも知れないけど、覚えていないという意味で、初見といって良いでしょう。同じNHKの『爆笑オンエアバトル』では、2勝5敗らしいけど、そうだろうなあというしかないコンビでした。

ハライチ漫才「ペットを飼いたい」

なんか受け入れられてないのかな？という風に思ったら。単純にいまいちでしたね。重たい空気を挽回出来る芸風でないのが辛いところ。あと審査員があんまり評価するタイプの漫才じゃないかも知れないですよね。M-1こっちも不安になってきた。

GAG少年楽団コント「入院のお見舞いのサクラ」

あんまり良いと思わない、このネタ決勝に上げるか？という感想しか持てない。いつものGAGだったんですが、それでも今日の中だったら、今までで客受けだけなら一番じゃない？（苦笑）たださすがに重たい空気を払拭するまでには至らずでした。でも今日に関しては、こんな弱いネタなのにダイアンやハライチより面白いぞ（笑）。やっぱり分かりやすいネタのほうが、客層に合っていたのかな？審査員のリーダー（渡辺正行）は見終わった後、顔死んでたけど（笑）。

スマイル漫才「居酒屋のバイト」

あーそりゃ、ここまでこんな重たい雰囲気が続いて、頭の中で作ったようなネタが続けば、こういう元気と勢いのある漫才が、悪い空気を払拭しますわ。
今回の審査員は喜味こいし、正司歌江、織田正吉、神津友好、渡辺正行、山田邦子、泉谷八千代という面子で、このメンバーでスマイルが優勝するとは？という書きこみもあったようなんですが、今回の審査員は、過去に名前を成した実績のある芸人さんが多いわけで、こういう人たちは素直な正統派で技術があって、自分たちのキャラを正直に出すコンビを評価するもんですよね。スマイルが良かったらというよりは、他がおかしかったからスマイルが前に出た、というのがスマイル優勝の最大の要因でしょうね。でも正直これ該当者無しって出来だと思うスマイルも、内容的にはGAG少年楽団とどっこいですよ。

プリンセス金魚漫才「売れて街頭でファンに気付かれる」

ここは最大値のポテンシャルを出しても、普通のスマイルにはまだ敵わないから仕方ないですね。完全にのろし、ヒカリゴケ以降の松竹のパターンの漫才なんですが、ただ結構客受けは良かったですね。

総括

正直、客受けだけで選んだらGAG少年楽団かプリンセス金魚で選ばなきゃいけない。という無茶な選択になるので、スマイルというのは当然の結果でしたね。今年のM-1決勝候補に挙げられておかしくない、ダイアンとハライチ、そして、しずるがあまりにもふがいない内容すぎた。
ただこれ決勝ではなく、予選会として客としてみていたら、5点満点で5点と4点がいなくて、3.5点がプリンセス金魚、GAG少年楽団、3点がスマイル、2点がダイアン、ハライチ、1.5点がしずる、1点がWエンジン、ニッケルバックは採点は差し控えておきます。という感じだったので、スマイルが消去法で優勝というのはやむを得ないでしょう。
本当に大阪なら天竺鼠、かまいたち、span!、藤崎マーケット、東京ならフルーツポンチ、ヒカリゴケ、ハマカーンなんかが、どうして決勝に残らなかったの？ U字工事やオリエンタルラジオ、我が家は出なかっただけかも知れないけど、という決勝になってしまいました。しずるとダイアンは明らかに本気じゃなかったし、ハライチは本気出さない理由がないから、大会自体が不完全燃焼でした。
これはスマイルがM-1戦線に名乗りというよりは、ダイアンとハライチに不安が残る大会でした。