ゴルフ漫画の最高峰『青空しょって』はどうして長く絶版なのか?

もう十年ぐらい前に、僕は地方の友人に頼まれて、大阪の大きな新古書店やマンガ専門の古本屋などで、『青空しょって』の単行本を見つけては、彼の持っていない巻を買って送るということをしていた。しかしどうしても20巻以降ぐらいは、見かけることもなかったので、結局業者さんにお願いして、何とかフルコンプリートしましたが。現在では10巻ぐらいまでは、たまに新古書店の100円棚でも見かけることがありますが、
11巻ぐらい以降については、まともに見かけることがほとんどない状態です。

ゴルフ漫画の名作『青空しょって』。 - Something Orange

Amazonで全24巻を中古6000円で入手できるのだが、高いよねえ。あとはヤフオクで気長にさがすか、イーブックオフなどのネット古書店を利用するしかないだろう。もしくは、品揃えの良い漫画喫茶になら置いてあるかもしれない。

だからAmazonで全24巻で中古6000円なら、僕はこの作品を読みたい人には高くないと思います(というかこの出品者以外だと、全てプレミア価格で新刊で揃えるより高い値付けばっかり)。全巻集めようと思ったら、普通にそれ以上の金額がかかると思うし、それ以上にどんなに労力をかけても見つかるとは思えない。
古本屋に出にくいマンガというのがあって、特に揃いとなると絶望的なものがあるんですが、この作品はまさに代名詞で、ただでさえファンがずっと持っておきたいと、手放さないだけの名作である上に、もうかなり昔に絶版になって以後、判型を変えるなどしての復刊もない状況が知られているから、一度手放したら、再び集めるのは至難の業と知られているから、市場にほとんど出ない。
しかしこのゴルフマンガの最高峰の誉れ高く、スポーツマンガ全体で見ても、十数年も単行本が手に入らない状態が続いているのに、傑作として評価が高い『青空しょって』が、どうして手に入らない状況が続いているんでしょうか?
まず一つに考えられるのは、作者の森秀樹が嫌がってる可能性です。『青空しょって』の作者の森秀樹は、この作品の初期は、当時のサンデーに良くある絵柄だったけど、この作品の途中で大きく絵柄が変わっていくので、おそらく『墨攻』とか『新・子連れ狼』しか知らない人が見たら、前半の絵柄は「本当に森秀樹なの?」と思うはずです。だから作者が、初期のあだち充のモノマネみたいな絵柄を、発表したくないということで、復刊にOKが出ないということは、僕はありそうな気がしています。
もう一つは、小学館を筆頭に、出版社の人達が、このコンテンツの市場価値に気付いていないから、単純に復刊の話が出ないと言うことですね。何か最近のマンガ編集とか、出版社のヘタレな事情を聞いていると、これが正解なんじゃないか、という気がしてならないのです。
ということで中古揃いで、一万円以下なら、この作品は買いだと思います。単純に手に入らないですからね。
というか、ここまで書いてから、検索したら、こんなサイト見つけてしまったよ。『青空しょって』は「コミックパーク」で、オンデマンド出版されていました。

コミックパーク/作品詳細  青空しょって 全24巻 ・ 森 秀樹

ということで、作者の問題じゃなくて、「出版社がアホ」の方が正しかったようです(笑)。いや作者のほうが、このぐらいならOKという条件だったのかも知れませんが。しかし割高になるのは仕方ないとはいえ、カバーもないような読めるだけです。というような印刷・製本で、揃いで買うと22,680円、単巻でも各945円というのは、読めなかった状況考えるとありがたいんだけど、少し手が出にくいなあ。全3巻ぐらいの作品なら、思い切れるんですけどね。