現在のネタブームの一番の問題はまさにそこ

バイト芸人の大量生産について|松野大介論

しかし今や短い時間でネタをやらせる番組が増えすぎ! そのうち30秒で笑わせるネタのオンパレードまでエスカレートするのかね? しかも出ている芸人は、半分くらいがタレント業だけで食えてないはずだ。テレビ局は、いくら金のない時代とはいえ、バイト芸人で番組を作っている。

あと育成する気がテレビ局やスタッフ側にない、という問題ももちろんあるけれど、また最近の若い子のお金に執着がない傾向と相まって、タレント業だけで食っていくということに対する執着が、芸人側にも育っていない現状もありそう。

今、お笑いを見るお客(主に女の子)は、どんなタイプの笑いも受け入れられるという意味で目はこえてきているが、本当にハイレベルな芸人の笑いも単なる一発芸も同じように笑うという意味ではレベルは落ちている。

これは何を持って「ハイレベルな芸」と「そうでない一発芸」と定義して分けるのか? という反論は多く出そうな気はするけど、現場で見ていると何となく分かる気がする。これはテレビではなく、ライブシーンの方の話になってしまうけれど、そういう後者のような芸の方が、腐女子目線で芸人を見ているお客にとっては、自分たちが作った物語を仮託しやすいというのはありそうな気がする。