桜川にお笑いイベントを見に行きました

出演者の方から、チケットを頂いたので、友人数人を誘い、「お笑いフリーマーケット Vol.4」に行ってきました。出演者は基本的にシークレットライブだったので、当日に出番表を会場で貰って、うめだ花月で単独ライブを控えているような方や、「なにわ突撃隊」のメンバーが出てきたのには驚きました。個々のコンビの感想は書きませんが、全体に感じた事だけを箇条書きにします。

大阪の若手が古い芸風をスタイルにするのは損

今回は出演者の中に、ベテランみたいなスタイルの漫才をする人が多かったんですが、そういうスタイルになったのが、結果的になのか意図的なのか分からないんですが、そういうベテラン芸人風のスタイルで、若手なのに古典的なオーソドックスな漫才をするというのは、東京のように寄席文化が残っているのなら、ロケット団のような活躍の場所を得られるんですが、大阪は寄席文化が絶滅に近い状態になっているから、そういうスタイルの芸をやっていても活躍の場所が限られてしまう。
じゃあ東京に行けば良いのかというと、東京(全国)のお客さんの目を集めるには、個性の薄さや特徴の無さというのが浮き上がってくるので、例えば(東京の芸人さんですが)ナイツのように、スタイルは古いけどネタは新しいポップな内容にするとか、先週のレッドカーペットで活躍した鳳仙花みたいに、コテコテ度合いを強くしないと難しいように思いました。

ライブを盛り上げるのに、出番順は大事

大阪のインディーズライブとかを見ていると、お客さんを弄って暖めるような芸をする人で、実際に暖める力のある人が、後半の終わりかけぐらいに出てくるという、出番順のライブが結構あるんですよね、出演者の格の問題とか、演目の内容まで主催者が確認出来ていない部分もあるんでしょうが、やっぱり香盤を作る人は、そういう所も意識して演目の内容も考えて、出番順を考えるようにした方が良い。
こういった若手ライブというのは、出演者にとって勉強的な意味合いもあるようなレベルのライブだから、当然ですけど、一枚も二枚も力が劣る芸人さんが出てくるわけで、それでもお客さんに満足して貰う事、そして良い空気で見て貰って、その中で芸人さんもネタが出来るようにする為にも、出番順はネタの内容を考慮して決めた方が良い。

女芸人はどうして同じ方向性にみんななるんだろう

トゥナイト以降って、吉本系の女漫才はみんな同じになったというのを、ますます痛切に感じました。せっかくボケが新しい事をやったり、キャラクターを立てても、ツッコミが基本的にみんなトゥナイトしずか風では、もったいないです。

MCと前説はどっちかだけで良くない?

これは前々からずっと思っているんですが、基本的に同じ説明を人が変わって繰り返すだけで、二度手間にしかなっていないように思うことが多い、ネタ前に良い空気を作るのが、前説やMCの仕事なのに、説明が二度手間になったりするのは、空気を悪くするだけじゃないでしょうか? またこのライブでは無かったけど「拍手の練習」とかは、テレビ収録とかじゃないのなら、必要ないと思うんですけどねえ。

大喜利は血も涙もない進行が出来る人が仕切るべき

このレベルのライブで、コーナーで大喜利をやるとどうしても、凄いダラダラとしてしまうんですよね、この日も正直言って、見ていて一番キツイ時間となりましたし、後半は袖からスタッフのような方の「早く閉めろ」という合図の指示が、客席から見えるぐらい大きくされていたし(笑)。
最近の若手ライブでの大喜利の傾向として、仕切役も含めて、回答者が異様にお互いの回答を褒めあうんですよね、それでダラダラとした時間が過ぎて、一つのお題を長く引っ張っていく事になる。芸人さんが舞台上で、仲良し子良ししている所を見たいという、腐女子のお笑いファンなら、それで満足してくれるんでしょうが、せっかくそういうのとは違う客層でやっているライブなんだから、そういう方向だけになるのは寂しいかなと思いました。
最近流行の真剣勝負系ギミックの大喜利バトルなんかは違うかも知れないけど、基本的にこういう大喜利の進行が上手い人は、桂三枝にしても、明石家さんまにしても、浜田雅功にしても、冷酷な裁きが出来る人が多い、良くない回答やあまり良い答えが出ないお題を、ばっさりと切れる、一言で終わらせる事が出来る人が多いように思う、今田さんや東野さんもどっちかというとこのタイプでしょう。
ただ代表的なのは松本人志ですが、そういう事が出来ない人は、どうしてもみんなで一つ一つの回答を褒めあう時間を作って、「すべらない話」みたいな感じにしてしまう。それが例えば「すべらない話」や「リンカーン」に出ているような、有名人だったらまだ見れる事もあるんでしょうが、無名の人たちでそれをするのは少し厳しい。

インディーズライブ向けの良い劇場でした

一時間500円なんて賃料で借りれて難波から千日前線で一駅という立地で、新宿に沢山ある小劇場みたいな雰囲気のある箱があるというのは、もっと芸人さんは注目して欲しいと思いました。実際に普段と一駅違う所でやるだけで、全く違う客層になるわけですしね、このライブも最初は入っていなかったようですが、今回はお客さんも入っていましたし、不満ばかり述べましたが、今までの大阪の若手お笑い界にはなかった流れのライブなので、今後も広がりを見せて貰いたいです。最後に出てきた泰山北斗というコンビは良かった。