西武裏金事件 : ダイノジ・大谷の「不良芸人日記」日記

大谷さんの日本プロ野球こうなったらいいのにな論で、大谷さんが自分の理想をかなりいいとこ取りな感じで語られていて、それはそれで別に構わないんですが、大谷さんに限らず、ファンの立場とか目線でという言い訳を元に、結構非現実的な理想だけの改革案とかを、テレビで語られる野球ファン芸能人は多いですし、特に野球ファン芸能人には保守的な方が多いので、現状維持や少し前のプロ野球界に戻って欲しいという話をされる方が多くて、それは一番球界が大変だった、近鉄バッファローズの消滅問題の時にもあったので、今後こういう意見はまだオフシーズンということもあり、テレビやラジオ、水島マンガなどで散見されると思います。
裏金問題について、いくつかのブログの意見を紹介して書いたときに、自分の意見を誤解無く書く自身が無くて、どうしようか迷って書かなかったんですが、それはファンが楽しめなくなるから、「ウエーバー制とFAの短縮はセットは勘弁して欲しい」と「ドラフト制度を以前の完全クジ引きに戻して欲しい」という意見がいくつかありました。
それと同時に「プロパガンダファクトリー」さんの次の記述が心に残っていました。

「ファンのため」を言い出すと価値観がバラバラでどうせ収まらない。
観念的で不毛な議論に終始するに違いない。
癌は切らぬ方がいい場合もある : プロパガンダファクトリー

という意見に賛成したかったけど、賛成する言葉がその時はなかったから黙っていたけど、いまは言えるわ。まず野球界全体の為に、現状のプロ野球とか個々のチームや選手、ファンは犠牲にという考え方の人がいても、その犠牲の度合いが大きく変わってくるし、何を捨てて何を拾うかというところで意見は分かれるし、日本のプロ野球にはセリーグさえよければいい、パリーグさえよければいいという派閥がさらにあり、おらがチームさえ良ければそれで良いというのが、かなり屈折してしまっている人たちも、特に東西の二大名門プロ野球チームのファンには結構多くいる。
上の引用文に続く文章を更に引用しよう。

私はまず「選手が損しない」制度を考えたらいいと思う。
選手を不幸にする規制は極力無くす方向で考えればいい。
癌は切らぬ方がいい場合もある : プロパガンダファクトリー

僕は日本のプロ野球改革、いや野球界改革はこれでいいと思う、その「選手が損をしない」ことを第一に考えて、結果的に(これから獲得するファン層というのも含めて)多数が納得するものに着地出来る道を選ぶのがベターではないかと思います。
しかしおそらくいまのプロ野球ファンの中心層って、僕なんかより5歳以上は年上の人たちぐらいまでが、ギリギリで覚えている、古き良き日本のプロ野球界というのがあって、それをもう一度という気持ちは分かるけど、時代はセピア色の頃には戻らないというのもあるけど、何よりもそういう郷愁的な意見や、今回の大谷さんのような観念的な改革案というのは、こんな土壇場とか瀬戸際とかにする話じゃないというのは、今回よりも近鉄バッファローズが無くなった騒動の時の方が強く感じたことですが、そういうことはもっと波が静かなときに言いましょうよと思います。
まあでも高野連を何とかしないと、プロ野球側がどんなに血を流しても改革は完遂出来ないというのは、目に見えているんですけど、それこそ高校野球を観念と郷愁で好きなファンが多すぎるから、改革は高野連のジジイどもだけの問題ではないと思っていますが。
日本の野球界において一番の問題は、ファンが一番保守的というところじゃないかなと思うわけで、ある程度カリスマ性があって強引に改革出来て、後から納得させることが可能な現実的なヴィジョンを示すことが出来るかだと思うので、古田、長谷川、小宮山、宮本、新庄、野茂、といった人たちが立ち上がることを僕は望んでしまう。日本野球版のプレミアシップを作ればいいというのが、僕の観念論。
現実的なところで考えても、やはりプロアマ統合の日本ベースボール(野球)協会が必要だし、Jリーグを立ち上げた頃のような、川淵三郎のような指導者というのが必要なんですが、これが日本の野球界の現状を考えるとかなり難しそうというのが一番の問題かもしれない。