「名前を残した馬たちへ」(1)

id:drk2718さんこと元成田隼さんこと中西さんの渾身のパラノイア的特別企画でしたが、アニキが便乗企画で発展させ、本家からも他にもやれと煽られたので、お祭り好きとしては煽られたいと思います(笑)。

特別企画「名前を残した馬たちへ
「名前を残した馬たちへ」(1)
「名前を残した馬たちへ」(2)
「名前を残した馬たちへ」(3)
「名前を残した馬たちへ」(4)
「名前を残した馬たちへ」(1)(殿下版)
「名前を残した馬たちへ」(2)(殿下版)
「名前を残した馬たちへ」(3)(殿下版)
「名前を残した馬たちへ」(4)(殿下版)

一部ネットでは情報がなかなか手に入らない馬の情報をフォローするために、手元には1995年と96年の『競馬四季報』と『最強の種牡馬データ事典 (1995)』関口隆哉/成美堂出版)と『最強の種牡馬データ事典 (1996)』関口隆哉/成美堂出版)を脇に置いて、drk2718さんやアニキが詳細フォローできていない馬もフォローできたらいいなと思っています。
ではまず「名前を残した馬たちへ」(1)から順々に、途中休み休みいきます。

イブキフロンティア(父ブライアンズタイム, 1993) 用途変更
いきなり超高難易度のお馬登場です。血統、馬っぷりが良くてデビュー前評判になっていた記憶はあるので、それで種牡馬になっていたんでしょうね、繋養先も伊吹御用達の北陽ファームだし、産駒のイブキキッドロックをはじめ、種付け相手は全部伊吹の自前牝馬のようなので、現役時代に得れなかったものを種牡馬として取り返そうという感じだったのでしょうか。
イブキマイカグラ(父リアルシャダイ, 1988) 用途変更
イブキマイカグラについては前も少し書きましたが、イブキの種牡馬が二頭も一度に廃用になっているのが気になりました。最近現役のイブキの馬も現象傾向のように感じますし、馬主業について縮小傾向なのかとかいう風に思いました。イブキマイカグラ種牡馬バックアップのために、かなり無茶な牝馬買い漁りをやったのが響いているというのは聞いたことがあるのですが、そういうことでないと良いんですが。
ということでイブキのオーナーさんがかなり良い繁殖を量も質も用意していたはずなので、成績がここまで振るわないと仕方ないかと思うのですが、リアルシャダイの(旧)3歳から活躍して成長型というイメージがすぐになくなったのも痛かったか。
ウインドミル(父プレストウコウ, 1985) 用途変更
Googleで検索したけど、全く情報が出てこなかったので(笑)、『最強の種牡馬データ事典 (1996)』の1995年度新種牡馬の項から、いやしかし東京ダービー馬だぞとネットで情報拾えないことを呪いたいですが、ダート交流元年以前のダート馬の不運としてダイナレターナリタハヤブサの話が出ますが、80年代後半から90年代前半の南関の強豪馬というのは、一番不運な境遇になっている感が強いです。
ところで関口さん、95年版のデータ辞典ではスピードC、スタミナBだったのに、96年版ではスタミナもCになっているのはどういうことですか?(笑) 『ダートやローカルコースで大物を期待』という見出し付けてるのに(笑)、しかし父プレストウコウ、母父イエローゴッドというかなり重厚な血統で現代競馬では公営でもキツかったかなあ、NARのデータルームには現役3頭、引退馬15頭が登録されていますが、ほとんど繋養先の青森の西村牧場の生産馬のようでした。代表産駒は公営5勝のニシネウインドミル同じく5勝のハーバーミルかなと思ったのですが、1勝馬ながら南関東で2着が10回あって1200万円以上稼いでいるブラックバードが代表産駒でしょうか。まあでも自分の馬代金より高いであろう賞金稼いでいる馬がいるだけでも対したもんだと思いたいです。
ちなみにdrk2718さんさんが文中に出しているサファリオリーブ新潟記念江田照男の初重賞勝ちで、確か武豊の最年少JRA重賞勝ち記録を塗り替えたり、繁殖入りしてからオグリキャップばっかり何年も種付けし続けたりしていて話題になった馬でした。*1
エアシャカール(父サンデーサイレンス, 1997) 死亡
正直思い入れがない有名馬は書くことがない、えむわにさんにたっぷり語っていただきましょう。産駒は4頭の牝馬がいるだけとのことですが、活躍どうこうというより全馬無事に繁殖入りして細々とでも血脈が続くことを願いましょう。
エルウェーウィン(父Caerleon, 1990) 用途変更
自分の中では、『岸繁彦のケチの付け始め1号馬』(笑)、2号はもちろんビワ兄ですが、個人的には朝日杯よりも復帰後に岸滋彦が乗り続けていたのに、たまたま乗り替わったアルゼンチン共和国杯だけ勝たれたのがダメージ大きかったような、あとdrk2718さんも少し触れていますが、この馬は朝日杯直後の故障が再起不能クラスだった方が、種牡馬としてのチャンスが多かったんだろうなというのが嫌な感じです。*2
あとこの馬種牡馬になったときにしばらく繋養先が決まらなくて、登録抹消の時の繋養先が滋賀の牧場になっていて結構話題になったの思い出した。単に借宿だったんですが。
エルセニョール(父Valdez, 1984) 用途変更
drk2718さんはイメージなかったようですが、もはや武豊に初海外重賞をプレゼントした馬というより、「代表産駒・ヨイドレテンシ」のほうがイメージ優先順位上回ってしまったような気がします。確かイナリワン天皇賞のご褒美で、オーナーさんがこの馬への騎乗をユタちゃんにプレゼントしたという話しを思い出しました。
オフサイドトラップ(父トニービン, 1991) 用途変更
このタイミングでの廃用は本当にやりきれない。血統的にも渡辺親子二代の血脈という感じだし、ホスピタリティともども惜しすぎると思うのですが、どうも結構な規模で馬主業やってたり、大きいこと言ってるというか理想を語る系の馬主さんが、このクラスの種牡馬を大事に繋養し続けないとかは、なんか釈然としないものがあるんですが。不謹慎と怒られるかも知れないけどエルコンドルパサー用に買った牝馬も結果的に余ってしまったんだし、せめてもう何世代か産駒走るまでは様子見て欲しかったです。*3
オペックホース(父リマンド, 1977) 用途変更
種牡馬として大成できなかったのは残念ですが、余生に関しては幸せに過ごせていたようなので良かったなと思っています……とか書いていたら道営でベストンダンディ、中央でマイネルヤマトが出ていたんだそういえば、現役時代の『史上最弱ダービー馬』なんて看板がなければ、もうちょっと成功していたのかなあ。しかしマイネルヤマト思い出したよ、この時期のマイネルはマイナー内国産種牡馬の代表産駒はみんなマイネルだったんだよなあ。グランパズドリームマイネルブレーブマイネルリマーク……懐かしいなあ。*4
オーゴンカザン(父ノーザンテースト, 1981) 用途変更
さあ『最強の種牡馬データ事典 (1995)』の出番と思ったら、ランキング700位まで載ってるこの本にも登場しません(苦笑)。まあそれだけノーザンテースト信仰が生産者さんにはあったということで、もしかしたらお母さんのヨシオカザンのほうで大事にされていたのかも知れませんが。*5
カブラヤオー(父ファラモンド, 1972) 死亡
もっと牝馬の質が高くて、中央入りする産駒が多かったら、もっと種牡馬として活躍していたかもなあ、岡田総帥が現在の資本規模、繁殖の質でカブラヤオーへの執着を発揮していたら、凄いことになっていたんじゃないかなあというのが残念です。この馬の日本ダービーは何度見ても燃える、というか始めて見たときは『これでどうやって勝てるの?』と直線は不思議で仕方なかった。あれがあるからついコスモバルク日本ダービーの四角とか見ても『何とかなるんじゃないか?』という甘い期待を持ってしまう。
ギャロップダイナ(父ノーザンテースト, 1980) 用途変更
オースミダイナーが13歳で北海道の交流勝ったときに、社台が本気でこの馬の種牡馬事業やっていたらどうなっていたんだろうとマルマツエースとかマイネマジックとかGI勝ちはキツイけど、GI好走級の産駒は出していたし、僕は競馬を本格的に始めた頃は種牡馬ランキングのベスト70ぐらいに入っていたし、繁殖の質量を考えればもったいないことした感は強いです。
そもそもアンバーシャダイダイナガリバーギャロップダイナを社台スタリオンの早来のほうに住ませていただけでも、ノーザンテースト系の発展は大きく変わっていたんじゃないかと思わずにはいられないです。サッカーボーイサクラバクシンオーの例を持ち出すまでもなく、最近でもナリタトップロードがシンジケートが集まらなくて現役続投みたいな話しも出かけていたのに、早来の社台に住むということが決まった途端に種付け申し込みが三桁ということもありますし、先代が亡くなって社台が内国産種牡馬にも力を入れだした矢先にノーザンテーストの活力がなくなってGI勝ち産駒が出なくなったというのが惜しまれるのか、先に挙げた三頭にもっと力を入れていれば良かったのか。
グランアクトゥール(父メジロマックイーン, 1998) 用途変更
アニキも言うようにこういう血統の馬を海外に出したら面白いと思うのですが……、色々と調べてみると主に乗馬用の種牡馬として繋養されていたようです。パーソロン系の馬は乗馬に適していると聞いたことがあるので、馬っぷりとかが期待されていたんでしょうか? そのついでに少しサラブレットにも付けていたという感じなのでしょうかね? しかしグランアクトゥールにもファンがいてああやって喜んでいる人がいるということの方が、日本の競馬の奥深さだなと先のリンク先を見て感じ入りました。
ケントニーオー(父トニービン) 転売不明
この馬もなあ故障がなければなあ、NHKマイルCとか高松宮記念がある番組体系なら、故障がなければGIホースだったかもしれないぐらいの印象を持っているファンは若干はいると思うのですが、やっぱり4歳と5歳(当時表記)の春のシーズンの休養が痛かったなあと思います。種牡馬になれただけでも儲けもんで、重賞勝ちもないのに20頭以上付けていたと思うので恵まれていた方とは思いますが、不明というのは現実見せてくれているとは思うのですが辛いですね。でもまあ競馬ブックなんかで地方競馬の登録抹消情報の連載では、金沢なんかはっきりと『廃用屠殺』って抹消理由書いてありましたが、今もそうなのかな? 最近ブック買ってないから分かんないんですが。

何とか続けれるように頑張ります(笑)。

*1:さすがに最近はヤマニンゼファーとかグランドオペラとか付けてますが。

*2:Caerleon信仰が強かった時期でもありますし。

*3:基本的に言ってることとかやってることも好きな馬主さんなので余計にそう思います。これが別にあの人とかあの人とかならこんなことも思い至らないんでしょうが。

*4:マイネルリマーク当時のメリーナイスはそこそこ期待されていた種牡馬だったのでマイナーというのはどうかとも思いますが。

*5:マルゼンスキー物語でヒシスピードあたりと並んで出てくる馬です。