「”I love you. ”を100通りに訳せ」

活字中毒R。

 俺ね、同期のヤツらがものすごくて。『仮面ライダー クウガ』とかの戦隊モノをやってる荒川稔久とか、『機動新世紀ガンダムX』全話の脚本を一人で書いた川崎ヒロユキとか、『幽☆遊☆白書』とかジャンプ系アニメの脚本をやってる隅沢克之とか。あいつら天才だからさ。やんなっちゃうよね。
 ほんと、あいつらって脚本うまいんだよ。同じストーリーのものを書いても、うまいって思ってね。これは師匠のところで習ったんだけど、その人のセンスを見るときに、こういうテストをするの。
”I love you. を100個訳せ。”
実際に注目するのは1個目なんだけどね。これを荒川はだね……
”アンタなんか大嫌い”
って訳したんだよ! 勝てないだろ!?

これは本当に凄いことですが。

”I love you. を100個訳せ。”
この場合、みんな「人と違う目立つ答え」を狙って解答していくのでしょうけど、それにしても「ツンデレ」なんて言葉がなかった1986年に、これを”アンタなんか大嫌い”といきなり訳してみせるというのは、すごいセンスだなあ、と感心してしまいました。僕が
 今の時代であれば、けっこうこういう解答をする人もいるんじゃないかとは思いますが、それは、荒川さんたちがつくってきた「レール」に僕たちが乗っているから。

それはまさにこういう事なんでしょうねえ。
アフタヌーン新書 005 オタク成金