M-1グランプリ感想の感想その20〜2000年代お笑いブーム論

コミケに行ってるにづかさんが、まだ書いていないぐらいで、M-1に関する論説というのも、一段落してきたので、明日付ぐらいにはまとめリンクつくって、来年のM-1モードにしたいと思いますって、いやR-1ぐらんぷりがもう始まってるんですよね(笑)。

ふぬけ共和国blog:【お笑い】・「テレビお笑い論における長年の錯誤を正す会」

いや本当にこういう記事は、ジェネレーターの自動筆記でも作れそうな記事書いて、商売になっている人たちは、羨ましいのか、羨ましくないのか、良く分かんないですが、まあ稼いでるのなら腹立ちますよね(笑)。「バカ騒ぎするバラエティー害悪論」については、もう完璧にリンク先の記事が叩いているので、M-1が「若手漫才の日本一」を競う番組であるという話になるんですが、案外みんな言及しないんですが、M-1グランプリが画期的だった点として、意外と見過ごされるのが、優勝者に対してレギュラー番組や冠番組といったものが、副賞としてないということなんですよね、この点は紳助も大会を創設するにあたって明言していて、この大会はあくまでもきっかけを与える番組で、その後を保証する番組ではないと明言していた、これは当時までのこういう企画としては、かなり画期的だった。
優勝賞金1000万円も、プロの現役芸人による審査というのは、世間や参加芸人を釣るための建前で、チャンスやきっかけを与えるというのが、一番大事なことだった、そのぐらい若手漫才師にチャンスがなかった状況があったんですよね、実際にこの時期って「爆笑オンエアバトル」ぐらいしか、若手がネタできる番組ってなかったんですよね、東京のテレビシーンは、そろそろコント番組が一気に減っていく時期に差し掛かって、大阪もbaseよしもとはブームだったけど、ネタ番組自体はテレビでそんなにやってなかった。ゴールデンタイムで若手芸人が10組漫才やるという企画自体が、かなり画期的だったんですよね、その辺の創設時の事情が考えられずに、いまの深夜帯も含めたら全国放送で、毎日のようにショートネタ番組も含めて、ネタ番組があるという現在の視点に、この元の記事は立ちすぎだと思います。
だからM-1というのは芸人や漫才師を、育てるという意味あいは予選は別にして、決勝を作った最初の意図にはないですよね、完成された芸人の漫才を、決勝の年末のゴールデンタイムの特番で披露するというのが、大会の意義だったでしょう。
あと最後に芸歴の話が出ましたが、この辺は本当に微妙ですよね、5年前や10年前にあんなに面白かった、M-1オンバトのチャンピオンが、現在激しい劣化に晒されている人たちも沢山いるし、全く変わらぬ面白さを維持している人もいれば、停滞期を経て復活している人たちも多いし、あの頃全く面白くなかった人たちで、いま輝いている人たちもいます。
それに芸人さんの全盛期の水ものっぷりも分からなくて、例えば大阪で中堅漫才師として安定ゾーンに入りきっていたはずの、こだま・ひびきはるか・かなたがいきなり全国ブレイクしたりするわけだから、本当に分かんないですよね。
2000年代からのお笑いブームが、全く終わる気配がないというのは、僕はこのブームを起こしたのは、オンバトM-1であるというのは、おそらく議論の余地がないと思うんですが、やっぱりこの二つの番組が安定して、新しい芸人を送り出している、それは質だけでなく量も補填しているような番組があって、その番組自体が終わる気配なく続いているというのが、やっぱり最大のポイントなのではないでしょうか? そういう意味で決勝しか見ていない人(これは予選を実際に見に行っていない、という意味ではなく、予選参加者の存在が見えていない人、という意味です)からは、「M-1は役割を終えた」とか「M-1は曲がり角に来ている」という声が出てくるんでしょうね。

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NHK爆笑オンエアバトル」番組制作グループ

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