それは果たしてリアルな現代のブラジルなんだろうか?

Foot!WEB:前回のハイライト #11

セルジオ越後さんもこういう話しますけど、ここでマリーニョさんの言っているような、典型的なブラジル人像っていうのが、現在2008年のブラジル本国の方でも、少なくなっているんじゃないか? というような疑問はあるんですよね、カカのように中産階級の家から代表選手が出るようになり、またBRICsとして30年後にはドイツを抜くとまで言われている経済発展、さらに資源大国として、国の様相が大きく変わろうとしている中で、サッカーだけが変わらない、変わっていないなんて事はあり得るのでしょうか?
セルジオさんやマリーニョさんが語る「ブラジルでは……」には括弧の但し書きとして、「(僕たちが住んでた頃の)ブラジルでは……」というエクスキューズが必要になってくるのではないでしょうか? 西原さんのマンガでブラジルの日系人の街に行ったら、妙に古めかしい言葉を使ったり、和装帯刀して街を歩いている日系人を見かけた、というエピソードを紹介していたけれど、昔の日本人がブラジルの日本人街にだけいるようになったように、日本にサッカーの伝道師としてきたブラジル人だけが、古き良きブラジルサッカーの伝統を引きずっていて、それを残していくということになっていないのだろうか?

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マリーニョさんはこういう流れに対して、もう憎しみと言って良いほどの反発を露わにしていますが、それは故郷が遠くになっている人だからこその郷愁、というのが強く出過ぎていて、自分が住んでいた頃のブラジルへの思いの強さから来ている思いが、ブラジルサッカーの実情には合わなくなっているんでしょう。時計の針は元には戻せない。

サッカー狂の社会学―ブラジルの社会とスポーツ (Sekaishiso seminar)サッカー狂の社会学―ブラジルの社会とスポーツ (Sekaishiso seminar)
Janet Lever 亀山佳明 西山けい子

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