「第6回お笑いホープ大賞FINAL 決勝」

お笑いホープ大賞 THE FINAL - おわライター疾走

この記事を読んで、自分がホープ大賞の決勝の感想を後回しにして、そのまま忘れていたことに気付いたので、僕も簡単に振り返りたいと思います。ただ僕はフジテレビ721で、準決勝と決勝をぶっ続けで見たので、ネタを変えてこなかった二組については、どうしても割り引いて見てしまう部分があるのですが、ただ投票したお客さんの中にも、両方来ていたような「お笑いドスケベ」な人は多かったと思うので、審査した人たちと、結果的に同じ気持ちで見ることになったかも知れませんが。
去年のホープ大賞は準決勝が思いの外に波乱の結果となって、決勝メンバーが少し弱くなった上に、準決勝の方が良いネタだった人も多くて、低調のままに髭男爵と小島よしおが目立つ中、消去法でキャン×キャンが優勝していましたが、今回は順当に今が旬の実力派が多く残って、白熱した決勝になったのではないかと思います。しかしいま気付いたけど、決勝メンバーに吉本からは誰も残れなかったのか。

THE GEESE コント「卒業式のミーティング」

オンバトでもやっていたネタ、このネタは前にも書いたけど凄いレベルの高いネタで、お笑いに一過言あるようなうるさ方も、上辺のベタな所だけしか見ないような人も、双方に喜ぶようなネタがバランス良く散りばめられていて、ネタのレベルが台本の段階で異様に高い、ただ台本の段階での完成度が高すぎて、本番で爆発することまでに至らないのが、こういう賞レースの決勝とかでやるときの不利といのうは、難儀な話だと思います。上位には確実に入れるけど、一番を決める勝負になると向かない。88点

弾丸ジャッキー コント「体操選手と自衛官のショートコント」

最近のテレビでは体操選手の方のネタばかりでしたが、体操選手と自衛官ネタが交互に、準決勝とネタの構成がほぼ同じと言うこともあったけど、この手のショートコントの芸人は、こういう勝ち上がり式の賞レースだと、最初の頃は物凄く受けるんだけど、あるステージに行くとお客さんに「決勝でショートコントはないよな」とかいう気持ちが働いて、バッタリと受けなくなるんですが、モロにそういうのにはまったような気がしました。受けないのが続いた後に来たりしたら、こういうショートコントは全然違うんですけどね。45点

ラバーガール コント「足裏マッサージ」

悪くはなかったけど、ここ一、二年のラバーガールのネタの水準と比べたら、お話にならないレベルだと思う、初めてラバーガールを見た人なら、そこそこは満足出来るネタだったと思うけど、「英会話教室」や「衛星中継」のネタと比べたら、細部の詰め込みや設定に甘さが目立ちすぎる。もちろん審査とかは目の前のネタだけを見てするものだけど、でもそこは人間のすることですし、ましてホープ大賞って有料公演なんですよね、2500円払って見に来ているお客さんが審査員というのは、ラバーガールの普段の水準を知っている人たちなわけで、そんな人たちが物足りなさを覚えるのというのは、自然なことだと思うのです。認知されているというのは、メリットとデメリットが裏返しで同じようにあるということでしょう。65点

オジンオズボーン 漫才「ツッコミ」

篠宮の方がツッコミが巧いと主張するネタ、準決勝と全く同じネタ持ってきたコンビのもう一組がオジオズでしたが、ただこのネタって去年に似たような設定で、別のネタをやっていたんですが、正直そっちの方が良いネタだったと思うだけに、改悪したようなこのネタには不満があるんですが、オジオズはこのネタに限らず、同じネタでも客層やその時の雰囲気などで、物凄く受けるときと外すときの差が激しいんですが、このネタはその最たるものがあると思う、正直準決勝もそんなに受けているように見えなかったので、よく次の日とかの決勝も同じネタで来たなあと思いました。50点

マシンガンズ 漫才「腹の立つ事」

二人で怒るスタイルが「Wツッコミ」とか言われているけど、テーマを絞らずに周辺のことをぼやいていくというのは、大木こだま・ひびきの漫才と同じパターン、それをハイテンポでやっているのと、二人でやっているというだけで、一見新しく見えるけど、実はそんなに目新しい事ではないというのと、テーマ性の無さというのが、どうしても玄人や専門家の評価が低くなる、得に後者は致命的な部分もある、だからM-1グランプリとかで、もうある程度名前が出ている時期ですら、一回戦敗退している年があったのは、評価に繋がりにくい漫才をやっているという点はあるのは確かで、ただいまの形のままで掛け合いになっている漫才が出来たら、一気にそういう方面の評価も上がるんじゃないかな?
あとネタにテーマがない漫才をしている漫才師で、大きな評価を得たコンビには、こだま・ひびきともう一組解散したちゃらんぽらんがいますが、この二組はそれぞれ「そんな奴おらへんやろー」と「中途半端やなー」というのを手にした途端に、大阪で大きな賞を取るような評価を得るようになったけど、そういう漫才の中で、漫才のリズムを良くするような持ちギャグ一つ手にすれば、大きく漫才は変わると思う。あとは技術的な面で、早口のままで聞き取りやすくなれば、普通にM-1ファイナリスト級の素質馬だと思います。
時事批評がこのスタイルで出来たら強いとは思うけど、それは若手じゃなくなってから挑戦しても遅くはない気がする。80点

風藤松原 漫才「ラジオDJ

マシンガンズの続きみたいな話になるんですが、ここは途中から変に漫才コントみたいにならないで、3分なら3分、4分なら4分のネタ時間、全て「やだねー」のやり取りで押し切るべきだと思う、ラリーさんの言うように内容に軸がない漫才なんだから、スタイルを軸するするしかない、というかあのスタイルはスタイルが軸になる漫才だから、「やだねー」を流行語にするという覚悟と、そのために色々と企むのが、いま一番必要なことでしょう。80点

ななめ45°コント「別れた彼氏が部屋に来る」

準決勝が「再婚相手を息子に紹介する」ネタで、両方とも車掌ネタですが、連続で見たら設定が違うだけで、ネタの構造もボケも何もかも一緒だというのが、必要以上に明らかになったんですが、それでも面白いんだから、どうしょうもないよなあ(笑)。キャラがあるって本当に強いと思う、でも僕はマザコンネタの方が好きだったりもするけど、いまのななめ45°の世間の流れを考えると、車掌ネタに連発は正解なのは認める所です。90点

ナイツ 漫才「SMAP

やっぱり去年のM-1は、このネタを準決勝でやっておくべきだったし、準決勝の審査員は彼らを決勝に上げておくべきだったと思う。96点

オードリー 漫才「理想のデート」

やっぱり去年のM-1は、準決勝の審査員は彼らを決勝に上げておくべきだったと思う。ナイツとの1点差は、準決勝でやったネタとの相違点の少なさだけです。95点

三拍子 漫才「大家族」

いや普通に面白いんですよ、ただそれだけなんですよねえ、なんかオンバトの通常回では強いのに、チャンピオン大会になると実力を発揮出来ない、というのと同じ印象をホープ大賞でも感じてしまいました。今回の決勝10組の中で、一番素晴らしいアベレージヒッターであることは間違いないんですが、この長打力の無さとか、決勝や準決勝と名前が付くステージになると、実力を発揮出来ていないように見える所は、このコンビはもう少し漫才にテーマ性を持たせないと、難しい所に来ていると思う、昨シーズンのオンバトのチャンピオン大会は惜しかったけど、あそこで惜しくも取り逃してしまうのは、そういう所が最後に引っかかる人がいたんでしょう。75点

総論

ということで優勝はナイツでした、おめでとうございます。オーディエンスの投票のルールが分からなかったんですが、準決勝は五組に投票だったらしいですが、もし決勝もそれと同じで僕が客席にいたら、ナイツ、オードリー、ななめ45°THE GEESEに入れて、最後の一票はマシンガンズ風藤松原で悩んだでしょうね、もし三組だったら、ここからTHE GEESEが脱落、一組しか投票出来なかったら、僕もナイツに入れていたかなあ?
その場にいたら、全然違っていたかも知れないですけどね(笑)。
ということでこの大会も6回目で発展解消、来年からはM-1やR-1のような規模の大会としてリニューアルすることを宣言して、大会に幕を閉じました。

ななめ45゜ TRIO DE CARNIVAL~サード・アタック~ななめ45゜ TRIO DE CARNIVAL~サード・アタック~
ななめ45゜

ななめ45゜「セカンド・インパクト」
ななめ45゜ TRIO DE CARNIVAL! 流れ星 in エンタの味方!爆笑ネタBEST10 第6回東京03単独ライブ「無駄に哀愁のある背中」 東京03 単独ライブVOL.5 傘買って雨上がる

by G-Tools