驕る平家は久しからず

と言うしかない話ではあるんですが。

某有名オーナーの横暴と師弟愛 - 座布団が行司にクリーンヒット

まず日本の競馬界において、馬主の地位が低い、厩舎サイドの力が強すぎるという問題は、きちんと押さえておかないといけないのは確かです。そしてここで話が出ているオーナーが、それに対して強く不満を持っていて、馬主協会や馬主連合会の要職において、G1レースなどでの観客前での馬主インタビューなどを実現してきた訳です。厩舎サイドの力が強すぎる、村社会としての閉鎖性の問題は改善されるべきだし、もう一方の当事者である調教師にも、他の馬主とも揉め事の噂がある人だから、一概にオーナーだけを批判して良い問題ではないと思います。日本の競馬界において、馬主が調教師に対して、力が弱いというのは問題である、ということは押さえといた方が良いのは確かです。
しかしそれでもこのオーナーが問題多そうなのは、あからさますぎるんですよね、実際にフサイチとかテイエムとか、一部で評判の悪いオーナーでも、違う部分で評判の良い人というのは多いし、それは馬主に限らず表裏一体な部分はある。調教師とか騎手でもそれは同じです。
元々このオーナーはボサツ、コール、ビコールなど、比較的マイナーな血統で、安い馬でオープンで活躍する馬が多いというタイプのオーナーでしたが、90年代真ん中に大きな財を成すきっかけがあり、そこから一気に社台のセリで高額の馬を落札するオーナーになり、一気に馬主としての権勢を誇る存在となりました。
また社台グループが大口の優良顧客として、重視してきたことも、このオーナーの権威の裏打ちとなっています。一方で社台グループが日本の競馬の顔として、特別扱いしていた武豊をこのオーナーが、こんな形で干す事になったのは、皮肉な話だと思いますし、社台とオーナーの蜜月がいつまで長く続くのか? ということを考えさせられることだと思う、カジノドライヴの山本オーナー、ダノックス、トーセンの島川オーナーなど、アドマイヤに変わる存在が台頭したら、社台の対応が変わっていく可能性はあるし、工事絡みの癒着の噂などもあり、これ以上評判が悪くなれば、後ろから刺される(物理的な意味じゃなくね)可能性というのは、出てきても不思議ではない思います。
しかしこういうオーナーは、昔からいることはいたけど、例えばバブル期のモガミのオーナーとか、アドマイヤのオーナーの前はビワのオーナーとかが、結構派手に買い物していたし、モガミのオーナーなんかはさくらコマース小島太の関係の間に割って入って、この両者の関係を一時的にこじらせたりということがあったけど、ここまでG1を沢山勝つような事にはならなかったわけで、社台のバックアップがどれだけ大きいかよく分かります。
しかしフサイチの関口オーナーとの、現状の評判の差というのは、一体何が原因なのかというのは、改めて考え時が来ているのかも知れない。もし大金を手にしていたときに、ボサツに大量の良質繁殖牝馬を用意したりしていたら、凄い印象変わっていたんでしょうが(笑)、まあそれはおいといても、タイトルにした「驕る平家は久しからず」という事になるのではないかとは思いますけどね、実際に過去にこういう権勢を誇っていたオーナーが、いまどれだけ生き残っているか考えれば、こんな時代は長くは続かないとは思っています。
どちらかというと、このオーナーは特定の厩舎から馬を全て引き上げるというのは、これが初めてではないわけですが、その度にそれらの馬を受け入れている厩舎の方が、いつか痛い目に遭うぞという思いの方が強かったりします。