藤子・F・不二雄という板長の存在の大きさ

ニコニコ動画この動画を見ていたら、「キテレツ大百科」は藤本先生が、ほとんど直接関与していなかったにも関わらず、藤子Fテイストが前面に出た名作だったという話から出ていて、それなのに何故最近の「ドラえもん」は……という話になっていたのを見た直後に、このブログのエントリーを読みました。

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藤子先生は晩年かなり体調の優れない中で執筆されており、その前から「キテレツ大百科」を弟子の田中道明に譲り渡したり、アニメでも「ドラえもんズ」や「ミニドラ」と言った、藤本先生が直接タッチしていない作品で、藤子・F不二雄にもしもの事があったときも、藤子F作品が作り続けられる後継者育成というのは入念に準備もされていて、存命中はそのチームで結果も出していたし、藤本先生は膨大な未使用のアイディアノートを残して無くなったにも関わらず、藤本先生が亡くなってからの「ドラえもん」には、声優陣が変わる前からパワーが落ちていって、最近の新作はこういった不満が多く出る作品になってしまった。
でも例えば藤子先生がもともと全くタッチしなくなっても、田中版「キテレツ大百科」は藤子F作品として名作だったし、アニメの完全オリジナルの話も良くできているものが多かったのに、藤本先生のアイディアノートを元に、そういった事が出来ていたスタッフが作った物が、藤本先生が亡くなった途端にクオリティが落ちるというのに、優れた料理人は自ら包丁をふるわなくても、板場で指示するだけで素晴らしい料理が作れるように、藤子・F・不二雄という板長がいなくなったことの大きさというのを改めて感じてしまいます。

お茶妖精:海外の漫画ファンの疑問「漫画家が死んだら途中の作品はどうなるの?」

これは会社単位で作っている海外のコミックとの事情の違いから来る、海外のファンの日本漫画への疑問なんですが、海外マンガの多くが始めから会社のものとして、チームで描かれているのに対して、日本の漫画が作家性が出ていることを、一番分かりやすく現しているのが、この藤本先生の生前、死後の「ドラえもん」の違いだと感じました。

大長編ドラえもん (Vol.1) (てんとう虫コミックス)大長編ドラえもん (Vol.1) (てんとう虫コミックス)
藤子・F・不二雄

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