大阪の漫才師のベクトルが一斉にスタイリッシュに向かっている:昨日の風はどんなのだっけ? : 一汁一菜絵日記帳

スタイリッシュ : strange

スタイリッシュといえば聞こえは良いけど、いまだに大阪の若手は一斉にダウンタウンのフォロワーである、いやもっと言うと世代的にダウンタウンのフォロワーのフォロワーばかりになっているという事、そしてそういうのばかり支持も指示もするディレクターや作家、先輩芸人ばかりなっている大阪のお笑い界の環境に、否定的意味で僕は「大阪の若手はスタイリッシュばかりになってる」という風に書きました。
大阪からは小島よしおや髭男爵のようなものが生まれにくくなっていること、まず知ってもらう、まず目に付くという努力を怠っているというより、にづかさんもリンク先で指摘しているように、その必要性を気付いていないんじゃないか? と思うことが最近目立っています。
実際にそういうネタやキャラを得ても、藤崎マーケット鎌鼬みたいに、微妙に「ラララライ体操」や「チャン・ドン・ゴン・ゲン」を封印しかけているけど、僕は売れるまではそんな代表持ちネタやキャラを封印なんていうのは、色々と理屈は付けれるだろうけど、僕は格好付けているだけだと思う、まず見てもらわないと、テレビの前で後ろ向いて作業している人の顔を振り向かせる努力、お膳立てをしてもらえないのなら、自らのキャラや個性で、炊事場で食器洗っているお母さんを、テレビの前に引っ張ってくる努力というのが、テレビで売れるためには必要、小さな劇場なら目が前に向いているお客さんだけを相手にすればいいけど、テレビで売れるためには、目を背けている人を振り向かせる所から全てが始まる。
スタイリッシュといえば聞こえは良いけど、無個性の言い訳にそれがなっていると言うこと、そしてそういうのを暖かく包んでしまうお笑い環境というのが、大阪の一部にあるというのが、僕とかにづかさんの問題視している所なんです。だからその辺を分かっている人で、成功しそうな人として考えたら、いまのbaseよしもとのメンバーだと、とろサーモンが僕の中ではまだまだ分からないんですが、NON STYLEとプラスマイナスだけだと思う(南海キャンディーズについては今更言わない)、全国である程度通用するレベルで売れそうなのは、あとbaseとは少し関係ないベクトルで売れたムーディ勝山と露出が増えてきているガリガリガリクソン、いま大阪の若手芸人が「レッドカーペット」や「あらびき団」「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に混じって並ぶと、正統派といえば聞こえは良いけど、単に地味で目立たないことになってしまう。
実際にbaseよしもとオープン時に在籍していた世代の吉本芸人では、M-1優勝者を除けば、次長課長とサバンナとレギュラーが同世代の中で抜け出したというのは、凄い象徴的なことだと思います。あとHGとかケンコバも当てはまるかもしれない。もちろんM-1グランプリで優勝するというワイルドカードもあるんですが、こんな確率の低い、大勢の人にしか勝算がない所だけを、全員が一斉に目指すのは危なすぎる。
なんか今の大阪の状況って、悪い意味で「2丁目WACHACHAブーム」の後期に凄く似ていると思うし、その理由が同じ所にあるような気がしてならないです。笑い飯と千鳥の今の状況、ノンスタやプラマイの今の状況が、凄く前者は千原兄弟ジャリズムと、後者は雨上がり決死隊FUJIWARAとかぶって見えて仕方ないです。