今年の日本一になる漫才を見てきました

大会日程・結果 3回戦・大阪2 ABCホール 2006/11/19 : M-1グランプリ2006

雨降る中で若干寝坊気味に出かけましたが、開演までには無事に着く事が出来ました。今日は日曜日ということで流石に満員で、当日券の人はかなり立ち見として、舞台後ろの通路に集まっていました。前売りを譲って頂いた方には改めて感謝です。
先に会場の雰囲気とかを総括的に書きたいのですが、昨日は結構客が重めだったのに対して、この日はビックリするぐらい軽かったです。はっきりいって全体の平均レベルは昨日の方がやや高かったかなという感想だったんですが(実際に昨日は35組中16組が合格に対し、今日は39組中15組とエントリー数が多いのに合格者は減った)、ほぼ全てのコンビがある程度以上の笑いを取っていましたし、年齢層なんかもかなり高く僕の前の席には、オバチャンの二人組とかも座っていました。普段に若手の劇場を見に行くような人達は入場料2000円で高いと感じる人達が多いんだということは、この二日間で強く感じました。二回戦まではbaseや角座とファン層が半分は被っていますが、三回戦になるとガクンと減っています。いわゆる一般の人とか大人のお笑いファンになっています。まあこんな状況は大阪だけだと思うんで、東京の予選とかは少し違ってそうですけどね。
あと昨日の後にきちんと反省がされたのか、二日連続という事もあって準備出来たのか分かりませんが、音響などの不備といったトラブルはなく、昨日より舞台の声が会場全体にきちんと通っていたと思います。あと審査員に去年、プラスマイナス、田中上阪フロントストーリーが落ちたときに力を発揮していたと思われているかわら長介先生がいなくて、若干平均年齢が高い審査員勢がどうなるかと思われましたが、特に変わりなく普段と同じ審査基準だったと思います。
組数やレベルを考えて、合格予想の印は○と△だけです。点数だとかフォーマットだとか、タイトルは勝手に付けたとかは、これまでの二回戦の通りです。大体五組ごとに出てきました。

  • Aブロック

伊賀・平山(吉本興業 大阪 新喜劇) 「ツッコミを避ける」

殺陣漫才、トップバッターらしく盛り上げていました、ここで「あー今日の客は軽い」と早速思いましたね、しかし一つ疑問なのはせっかく舞台がとんでもなく広い会場なんだから、それを活かしてもっと殺陣シーンを派手に増やしてやらないんだろう? ということなのと、二回戦が「仮面ライダー」で三回戦が「ツッコミを避けてしまう」というのは、去年と全く同じ組み合わせなんですが(笑)。1+

さるつかい(アマチュア) 「留守番電話に告白する練習」△

二回戦でもビックリするぐらい巧くなっていると感じましたが、今日は更に巧くなっていてビックリしましたし、台本もレベルが高い文章を省略していく過程で、色んな文が追加されていくという高度なネタで、今日アマチュアからあるのならここだと思ったのですが、こちらも追加合格候補ではあります。4

ビタミンS(吉本興業 大阪) 「お風呂の入り方」

あーあんなお兄ちゃんいたらウザイ(笑)。現時点でこのコンビの実力は最大限に発揮出来ていたと思います。ウザイ嘘くさいお兄ちゃんに、さっぱりハキハキした妹って良いコントラストのコンビだよなあ。3+

チキチキジョニー(松竹芸能) 「魔法使いになりたい」

二回戦から比べると笑いはかなり減ってましたね、二回戦の時も気になったけど、体当たりのツッコミは良いけど、その前の「ツッコミ爆弾セット」みたいな前振りは間延びするから省いた方が良くないかな? 3-

ジャンクション(吉本興業 大阪) 「子供の頃からの友人→生徒が二人しかいない学校の卒業式」

昨日のミサイルマンの項をご参照ください。というだけで締めても良いかも知れない。来年がラストチャンスのキャリアのコンビと考えるとキツイけど、オンバトでもオンエアされた事だし、本格的にコントの方に切り替えても良いんじゃないでしょうか? 営業用に漫才が必要なら有りネタ一本か二本あれば足りるでしょうし。3

ハイスクールぶらんど(アマチュア) 「昭和っぽい子に告白されたい」

浜松から来たM-1甲子園決勝組高校生コンビのバレンタインネタ、ツッコミの子が「昭和をそんなんじゃない」と突っ込んではいたけど、平成生まれにとっては昭和のイメージって戦中戦後もあんな風にごっちゃなんだろうなと思った。2

フロントストーリー(吉本興業 大阪) 「相方へのお礼の手紙」○

清水さんへの感謝の手紙を読む、光岡さんがどんとんMっ気を出しまくって、大暴走状態になるネタ、これで合格しなかったらもうフロントストーリーはどんな事があっても合格しないだろうなあと思いました。物凄く受けていたし、演技も迫ってくるモノがあったのに落とされるのは、もうM-1的にはこのコンビは根底の部分で否定されているんでしょう。だってここを変えるべきとか、この部分がもっと成長するべきとかいう感想無いもんなあ、もうこれでダメなら仕方ないよ、そもそも落とす側の気持ちも分かる気がするからなあ、もう来年からはまたSMの鞭取り出したり、好き勝手やればいいと思う。4

勝山梶(吉本興業 大阪) 「難解な言葉の練習」△

二回戦の時に、今年の始めにbaseで見たときと比べて、明らかに客層を意識した変更がされていて、これは準決勝確実と思っていたのですが、完全にbase仕様の要素が復活していて、二回戦の時に驚いた知的な要素が減ってしまって、明らかに二回戦のbaseよしもと、三回戦のABCホールの客層の違いを理解していませんでした。二回戦と三回戦は逆にするべきだったと思います。審査員にも中途半端な印象を与えてしまったように思います。ここはもったいなさ過ぎだし、これなら昨日は難波横山が合格するのなら、勝山梶も合格出来るべきと書きましたが、僕的にはそれでも評価はまだこちらの方が高いですが、一貫していた難波横山の方に軍配上げる判断も納得です。4-寄り3+

日刊ナンセンス(吉本興業 大阪) 「NGショートコント」△ 合格

「名乗るほどのものでは……」「九回二死満塁」のコンポ、同日の藤崎マーケットと比較対象にされてどっちかみたいなことになると辛いかなと思っていましたが、そんなこともなく無事に通過して良かった。センターマイクから離れるので広い神宮の敗者復活戦は辛そうですが、目立ってきて欲しいです。4+

ヘッドライト(吉本興業 大阪) 「曲のタイトル」○ 合格

昨日カラオケで歌った曲タイトルをメモしていたのを延々と読んでいく、なんか最近の他のライブレポとか、テレビライブがあるので見ていると、やる気がないように見えるけど、さすがにM-1予選ではそうは見えないんですが、これは本人達が肩の力を抜いてやっているというコンセプトが僕らに伝わっていないのか、それとも本当に他の舞台ではやる気無いのかどっちなんでしょうか? なんか去年も今年もヘッドライトで一番笑ったのは、M-1三回戦だったということになりそう。合格予想に入れましたが、こういう読み上げ系の並列的に取られかねないネタは審査員的に嫌う人は嫌うと思うので、多少心配していましたが無事に合格。4

  • Bブロック

デロリ庵(アマチュア) 「つわり」△

こちらもM-1甲子園決勝組、なんか休憩時間にロビーで取材受けていて、序盤にネタ飛ばしていたことについて、凄い落ち込んでいましたが、ネタが飛んでしまっても直ぐにフォローして立て直していったのは、逆に感心しました。追加合格の連絡が来る心構えは少しだけしておいても良い。4-

銀シャリ(吉本興業 大阪) 「他人と一週間が違う」○ 合格

ファンダンゴGAORAのカメラが入っているライブでは「桃太郎」や「時間割」をやって、「一週間」をやらないのは、あからさまにM-1用に取ってあると思っていましたが、一回戦から一貫して「一週間」やり続けています。もうこうなったら決勝もしくは敗者復活までこのネタで押していって良いと思います。流石に爆発力はカルパチーノジャルジャルの方が上回るけど、こちらも決勝に出してあげたい人達です。今年の駆け上がる様を大阪で見ている人達はそう思っている人多いでしょう、今年関西お笑い界最大の上がり馬。5

青空(吉本興業 大阪) 「彼氏にするなら」

他の人のライブレポ見ても不合格を疑問に感じている人そんなにいないなあ、まあ今さらこのネタというのはファンから見てもガッカリするところでしたよね、「青空=野球ネタ」というのはお笑いファンには別でも、一般の人にはそんなに浸透していないんだから、野球ネタを織り交ぜるんならもっとガッツリ野球だけで行くか、全くやらないかという風にしないと、これだけ普段お笑い見ないであろう人たちが多い客席だと、なんで突然野球関連の固有名詞が出てくるのか分かんないですよ。ストリークと青空が野球の話ばっかりするネタを少し時期ずれて始めたときには、ストリークの方は野球ネタがベタだから、最初の頃はストリークダッシュするだろうけど、丁寧にマニアックなところをセンス良く突いている青空の方が、時間をかける内に盛り返していくと思っていたんですが、ストリークが思った以上の猛ダッシュをしたこともあって、野球路線を若干縮小してしまったのは残念でした。
でもそうするのなら野球ネタはトークとかではするけど、漫才では封印して岡さんのアイドルネタとかに大きくシフトしても良いような気がするんですが、どうでしょうか? 野球オタク女芸能人って枠は磯山さやかなんていうグラビアアイドルに持って行かれそうですし、須藤さんの趣味を前面に立てるのを失敗したのなら、今度は岡さんを前面に立ててみてはどうでしょうか? ここも来年ラストチャンスみたいですし、どうなるんでしょうか。3+

プラスマイナス(吉本興業 大阪) 「犬を飼うのをオカンに反対される」○ 合格

まあここまで受けていたら、かわら長介先生が審査員にいるとかいないとかは関係なかったと思いますが、無事に準決勝進出して本当に良かったです。5

ダイアン(吉本興業 大阪) 「ピンクリーおじさん」○ 合格

“ピンクリー”なのか“ピンクル”なのか“ピンクリン”なのかは、人によって違う聞き取り方しているみたいなので、僕は僕が聞こえた通りに表記します(笑)。ダイアンの新境地ですよ、元々テクニックはある人達がこういう事してくるのはたまらないなあ、永遠の準決勝の人たちだと思っていたけど、津田さんの鬼気迫る演技といつも通りの西澤さんのコントラストが最高でした。ピンクリーおじさんを知らない事を、別に追求したりバカにしたりしない西澤さんに対して、一人でどんどん勝手に自分を追い込んでいく津田さん、今までのテクニックがあるから小ネタみたいなの並べるだけで充分笑い取れているんだけど、それでは賞レースは勝てないという典型のような漫才とは全然違う、これはダイアンが初めて勝負に勝てるネタを作って世に出してきた。やっぱり技術の基礎がある人達は凄い、技術は自分に嘘を付かない。僕は今回の三回戦に関しては、ダイアンは笑い飯麒麟、千鳥より上でした。5

NON STYLE(吉本興業 大阪) 「デートでお化け屋敷」○ 合格

どうも休憩後のトップ出番の予定だったのが、ここに変更になったみたいですが、でも今日は「ヨシモト∞」の収録なんだし、学園祭行ってる人達が遅れてくるのにあわせて、休憩を長く取ることは予測出来たんだから、最初からそうしておけよとは思うんですが(笑)。しかし本当に面白いところってコメントしようがないなー。今年決勝に行かなかったら審査員がアホで良いです。いま大阪でリアルタイムで見ている人達はなかなか気付きにくいですけど、ダウンタウンナインティナインに続く人達がようやっと出てきた、baseよしもと開設以来最大のスター候補がいよいよ船出だと思って、いまNON STYLEは見ておきましょう。5+

ナースステーション(アマチュア) 「看護師の転職→ハンバーガーショップみたいな病院」△

二回戦よりボケが巧くなっていて聞き取りやすくて、ネタがすげえ分かるけどこれ台本が普通に面白いわ(笑)、しかし二回戦の時にビックリさせられた、ヘタウマと言うしかないツッコミは健在だったんですが、なんと後半のコント部分でツッコミが入れ替わっていたんですが(二回戦の時は舞台上で起きている事の凄さに動揺して、入れ替わっていた事に気付かなかった)、今度は入れ替わった方の人も同じレベルでヘタウマなツッコミを展開するではありませんか!! いやあ凄かった、もうこれは奇跡の漫才です。山林久人をR-1準決勝に通したんだから、M-1でもナースステーションを通して欲しかった。4+

昭和ハラキリボーイズ(水野夏樹ファンクラブ) 「最近の流行についていけない」△

いくつかレポ読んでも二回戦の時もそうでしたが、真ん中の大きい人にしかみんな触れていないのが残念です。横にいる二人の小さいオッサンも凄いんだぞー、僕は平松さんが漫才の時に舞台からはける時の独特の歩き方が好きです、安田団長が乳首を隠しながら舞台からに引くよりも萌えます(笑)。ハラキリは面白いし、是非とも一過性のものではなく続けて欲しいけど、またマシンガンズのネタを見たくなりました。4-寄り4

キャベツ確認中(吉本興業 東京) 「○が書けない」△

登場時にもしかしたらここまでだとこの日最高の盛り上がり、やっぱり大阪選んで大正解ですね、辻本清美強い(笑)。案外ディティールが細かく正確に設定されている事にも感心、しかも二回戦は辻本清美でボケていたけど、今回は多分ありネタを辻本清美仕様に変えたモノなのかもしれませんが、普通にキャベツの方がボケているんですよね、それを辻本清美で突っ込む、いやとにかく無茶苦茶盛り上がりました。4-
ということで、ナースステーション→昭和ハラキリボーイズキャベツ確認中という別競技な人達が連続という濃い時間帯でした。

田中上阪(吉本興業 大阪) 「校歌→修学旅行」○

ここは完全にネタの選択ミスでしょう。自分は甘い採点だったと後から考えれば思います。もっと良いネタあるのになあ、もったいない。4+

四次元ナイフ(吉本興業 東京) 「ハゲが外出しない理由」

二回戦と同じネタでしたが、なんか二回戦は爆笑取れるけど、三回戦になると厳しくなるというのが、お約束になってきていますねえ、一度準決勝に行ってるだけでなく、その準決勝見に行った人に「決勝に行くかと思った」と言わせる漫才やってる人達だから、何かとこの表記の通りに東京に行かれるのなら殻を破るきっかけにして欲しいです。東京の皆さん、ハゲとメガネをよろしくお願いします。3

  • 休憩〜今度は30分(笑)

ということで昨日の45分休憩に続いて、今日は30分の休憩でしたが、その後に交通渋滞なのか、言い訳なのか分かりませんが、最後の五組のブロックの前にえらい中説の引き延ばしがありました(笑)。今日は自ら中田なおきが昨日失敗したネタを練習してきたと演じだしてましたが、うーん昨日の方が良かったかな?(笑) しかし今日はこの間も後にまたあった演者の到着待ちの時間も、凄く客席が中田なおきに協力的で物凄い一体感がありました。結構困っているというのを今回は隠さずにお客さんに助けを求める感じだったのが良かったよなあ、でもあれ本当にストレスのある舞台だったと思う、マイク持っていない方の腕とかの振り方が尋常じゃなかった、いやでもお疲れ様でしたし、場の空気をうまく保たれていたと思います。でも正直、M-1過去のエピソードはもっと巧く正確に話して欲しい、アレンジした部分が事実よりつまらなくなっていることがあるのは、予選見ている人には分かるからなあ。

  • Cブロック

タナからイケダ(アマチュア) 「六甲おろし

休憩明けの不利は、過去のNGKスタジオの二回戦や三回戦ほどではなかったのは、外が雨でお客さんがあんまり休憩時間に退出しなかったからだと思う、今日に関しては中田なおき頑張ってたし、二回戦と同じネタで同じぐらい受けていたと思いますが、なんかラストの方の流れが笑い飯の「ハッピーバースデー」に少し似ていると思った、まあ少しだけですけどね。4

ギャロップ(吉本興業 東京) 「おまえは父さんの子じゃないんだ」○ 合格

絶対に受かって欲しいと思っていたので合格者の名前呼ばれたときは嬉しかったなあ、今日の合格で一番嬉しいですよ、困難なときにも正統派を貫いて精進してきたことが結実しました。もういま大阪の若手でも技術レベルはトップレベルに入っていますよ、NGKbaseよしもとの芸人が出る若手枠みたいなのありますが、飛び級でそこに入れてあげて欲しいです。それぐらいの実力が付いていると思います。5-寄り4+

覆面マスク(松竹芸能) 「モテる所を教える」

やりたいことは全部出来ていたし、狙い所できちんと受けていたと思います。M-1に限らず賞レース予選って、覆面マスクは全てやりたいことを出来ずに敗退とか繰り返していたけど、なんかようやっとやりたいようにやれた上で、ここまで勝ち上がって全てを出し尽くせたことが良かったなと思います。3

りあるキッズ(吉本興業 大阪) 「クレーム処理の電話」○ 合格

今年がラストチャンスということで、相当ナイーヴになっているというのは、安田君のブログを読んでも分かるし、色んなインタビューとかのインタビュアーの人の感想とか読んでも思うのですが、考え過ぎているのがよく分かります。笑い飯のネタに似ているという声あるようですが、笑い飯だけでなく色んな要素が入りすぎてましたよね、考え過ぎな状態になっているのかもしれない。M-1関係なくなってからの自由になった漫才の方に期待したい気持ちになりました。関西からラストチャンス枠が出るとしたら、もうこれはロザンしかいないという結論に僕の中では達しました。4-

やじろべえ(アマチュア) 「しりとり」

ネタは二回戦と同じ、この人達はコントもそうだけど漫才でもキレイなオチで終わらせるんですが、でもネタによってはそれが足引っ張っているときあるような気がするし、特にお笑いファンの一部には「キレイなオチ至上主義者」みたいなのがいて、オチがキレイだとそれだけで評価を物凄く上げる人達がいるけど、芸人とか作家さんといった玄人には小手先みたいに思われるんじゃないかなあという危惧はいつもしています。意外と若い子の方がキレイなオチみたいなのに弱い気がする。2+

ゼミナールキッチン(吉本興業 大阪) 「西部のガンマン」

二回戦の後にファンに「三回戦にとっておきのネタを残してある」と豪語していたのを聞いていたので凄い楽しみにしていたので、物凄い肩透かされました。これなら二回戦と同じか、今年の初め頃にやっていた「弟子入り」のネタの方が良かったんじゃないかなあ、うーん残念です。ベリー・ベリーに続いて、僕の好きなコンビが落ちて納得という落ち方してしまった。3+

男と女(吉本興業 大阪) 「クリスマス・イヴ」○

確かに二回戦の爆発的な受け方はしていませんでしたが、うーんこれで落ちるか……。補欠合格候補の一番手だと思いたい。4+

イアソン(松竹芸能) 「イアソンの応援団」

受けている人と受けていない人のコントラストがもうはっきりくっきり、年齢層が高めの笑い声なのは、やっぱり初見の人にはまだ充分受けるネタだということですが、やっぱり去年と同じネタだとなあ厳しいよなあ、正直去年の三回戦で「応援団」やってたら、まだこのネタに鮮度があったから可能性あったかも知れないのに、去年はやらなかったのは改めてもったいないと思った。今年またこのネタを引っ張っているのなら、去年やりきって欲しかったし、今年やるのなら去年なかったカルピスの下りは笑えたから、全部変えてきて欲しかった。1+

  • Dブロック

Dr.ハインリッヒ(吉本興業 大阪) 「ピースフルメッセージ」

ここは単純に三回戦だとまだ技術の差と格の違いがあるという感じでしたが、まだマニアに評価されているだけでも充分だと思いますが、それなら東京に行ってキートンさんあたりに見出して貰った方が良いのかな? 1

いしまる(松竹芸能) 「シューティングゲーム

二回戦の時に良かったネタですが、いしまるが通った日の総括に「今日の松竹勢の合格者からは準決勝でないかも」と書いていたんですが、やっぱり三回戦になると全てにおいてここも格の差があった、テンポも少し乱れていた気がします。2+寄り3-

藤崎マーケット(吉本興業 大阪) 「ラララライ体操」○ 合格

大阪三回戦における二番目の大盛り上がりの時間でした。きっとテツandトモが決勝進出したときの準決勝会場もこれだけ盛り上がったんだろうなと思った。おそらく12月10日のNGKで同じぐらいの盛り上げをやったら、少なくとも準決勝と三回戦の会場にいた人は藤崎マーケットが決勝に行くことに疑問を持つ人はいないでしょう、いたらバカですよ。一応漫才の定義については、去年一昨年に書いたのがあるので繰り返しませんが、僕はここは決勝にプッシュしたいです。カウス師匠も二回戦で見てお気に入りらしいですし、しかし今年の夏の漫才アワードのビデオなんかと見比べても、同じものとは思えないほどレベルアップしていますね、これは単純に藤原トキが巧くなった、おそらくネタの主導権は完全に田崎祐一の方にあるんだと思いますが、物凄い急速にこのネタにおける演技プランを藤原トキが自分のモノにしていったんだというのが分かって、いやはやこれは凄い物を見ましたよ、「浮気」と「葬式」は鉄板です。あの格好で神宮の寒空はキツイでしょうし、是非とも決勝の舞台へストレートインしてください。5++

ボルトボルズ(松竹芸能) 「カップリングパーティー」△ 合格

ヒカリゴケ、フロントページ、トライアングルが二回戦敗退という暗いニュースの中で、ボルトボルズの準決勝進出はホントに良かったと思います。二回戦の方が面白かったと思うけど、あの奇襲による盛り上がり最高潮の中で、ある程度ベタな正統派の流れできちんと印象に残ること出来るのはやっぱり大したもんですよ。4-

金時(吉本興業 大阪) 「子供の頃のしょうもない遊び」△

今日の収穫は金時がツッコミで笑わせる漫才なんだなということに気付かされたことだったりするんですが、このネタは去年に金時がbaseよしもと内の序列を駆け上がっていったときの代表作ですが、去年のM-1二回戦、三回戦ではやっていなかったとはいえ、今さらこのネタなのかという思いになってしまったなあ、三回戦に「幸福金融の黒田」のネタを持ってこれなかったかあ。
またまた「とりめし御膳」さんからですが、この日のレポで青空の所で書かれていることですが、芸人さんがこういう時に昔のネタに頼るというのは、僕は青空よりも金時の方に感じましたし、去年の準決勝でもストリークや天津に感じたし、二回戦では友人のアマチュアコンビとかが、最近作った良いネタがあるのに、昔のネタを持ってきていたのを見ていて思いましたね、やり慣れたネタというのはお客さんが飽きている可能性もあるし、お客さんが初見の人達ばかりであっても、鮮度というのはなんとなく伝わるもんなんじゃないかとずっと思っています。あと昔の代表作に頼るというのは、今の自分たちを信用出来ていないということだから、やっぱりそういうのって何にも知らないお客さんにも無意識に伝わる所はあると思います。
金時は今年に入ってからもそれこそ「幸福金融の黒田」みたいな良いネタ作っているだけに、旧作に頼って敗退というのは、凄くもったいないように思いました。3+
さて次の天津のネタ前におそらく出番順の変更から見て、プラン9とろサーモンがまだ到着していなかったようで、結構な時間のインターバルがありましたが、この後の5組はある程度のキャリアのある人達だったこともあり、問題なく素晴らしい時間を作っていたのですが、ただレベルが高かっただけに一組のネタの突出して際立っていたことの衝撃がいまだに拭えないです。

天津(吉本興業 大阪) 「妄想の友達、まこっちゃん」○ 合格

始まったときは「今さら脳内友人シリーズかぁ」と思ったんですが、木村さんが向さんの友人ならと、率先して変なキャラを演じようとするのを、向さんがいなすという変化から始まり、まずここで「天津は木村さんがオタクなこと、気持ち悪いことを言うみたいな流れの方が面白い論者」である僕は良い改編に凄い満足だったんですが、途中の怒濤のオタク展開、よくあるB級萌えマンガ、美少女ゲーム的な展開から、向ワールドが広がっていくのは圧巻でした、是非ともこれは決勝か敗者復活戦で見て貰いたいです。単独ライブで卸したネタのようですが、そういうネタがこれだけのレベルにあるのは天津の単独ライブが毎月のように行われて客が入っているという事実を支えていますね、僕は今日の内容なら、天津かダイアンはどちらかが(麒麟も含めた)baseトップ組の誰かを退けて決勝に残ってくると思います。そのぐらいの素晴らしい出来だったと断言出来るのに、次のせいで霞んだと言えるんですよ……。5

チュートリアル(吉本興業 大阪) 「チリンチリン」◎ 合格

今年に入ってチュートリアルはテレビ中継が入っている舞台では、去年のM-1でやったバーベキューパターンのネタ(「冷蔵庫」とか)か、旧作(「カメラマン」とか「はてなのこうちゃん」とか)ばかりで、絶対に何か隠しているんだろうなあと思っていたら、やっぱりスゴイの隠していました。多分うめだ花月とかではやってるのかもしれませんが、お笑いファンや芸人さんに後でこんなネタやってたと伝えても「知らないネタだ」という人が多かった、あまりやっていない新ネタでしたが、いやもうとにかく凄かったです、というか凄いとしか言いようないですわ、お二人とも三回戦から気合入りまくりで、今年にかける意気込みも感じましたが、とにかくもうこの二日間で一組だけ次元の違う受け方をしていたということ、最後の数十秒は嵐のような拍手と笑い声で、オチ台詞はかき消されているほどでした。これは決勝一回戦でアンタッチャブルの過去最高得点を更新するべきネタです、素晴らしかった、ただただ凄かったです。で、帰宅してから同時刻にやっていたテレビの「ZAIMAN」でやってたネタも凄くて、この二本あれば優勝でしょう。ちょっと悪いけど対戦相手になると思えるコンビは現状いないです。実際に今日のベスト5に絶対に入る内容だった天津と麒麟が、完全にこのチュートリアルの前には霞んでしまいました。5+++++

麒麟(吉本興業 大阪) 「ボクシング」○ 合格

いやあ無茶苦茶面白いんですよ、二回戦や今日の「ZAIMAN」でやっていたSASUKEのネタも面白いんですが、でも麒麟当て振りのネタばかりになっていることは、僕は去年のM-1決勝最終決戦でM-1的に反対されたと思っているので、このまま当て振りのネタだけでM-1に挑んだら、去年の南海キャンディーズや二年目の時のアメリカザリガニのような目にあわされる可能性は充分にあると思っているので、準決勝でアテ振り以外のネタを持ってきてくれることを期待したいです。ナレーションと演者というパターンでは厳しい。やっぱり今日はベスト5ぐらいの内容だったと思うけど、一つ前の出番だったチュートリアルとの差は明らかに少しではなかった。5

とろサーモン(吉本興業 大阪) 「詩を書く」○ 合格

普通に漫才巧くなっているとは思いますが、達者にはなっているけど爆発力は薄まってしまったように思います。うめだ勢でずっと準決勝敗退で10年目迎えてしまったコンビのような安定の仕方しているような、だからどうなるか分からない不安定なところから、安定して芸人としてやっていける所にいけたという見方も出来るんですが、M-1決勝って感じでもなくなったとも思います。面白いんだけど中の上ぐらいで安定してしまう危険性はある。まあここはコントというはじける場所があるから、漫才はこれで良いのかも知れませんが。5-

ザ・プラン9(吉本興業 大阪) 「しりとり→刑事ドラマ」○ 合格

僕はしりとりの流れだけで最後まで行ってたら、物凄い評価していたかもしれない。刑事ドラマの流れになってからは良くも悪くもプラン9だなあと思いました。うん、しりとりだけで押し切っていたら、決勝あるかもと言ってたかも知れないだけになあ。5

予想と合格者一覧と全体の感想

とにかく藤崎マーケットが凄くて、それを上回ってチュートリアルが別格的に凄すぎて、男と女やさるつかいが落ちたことに多少残念な思いはあるけど、もうとにかくチュートリアルが今年優勝することを確信出来たこと、藤崎マーケットは「こんなのは漫才ではない」なんていうつまんない声を乗り越えて欲しいという思いに尽きます。だってもう絶対にこの日見た人達は、「ラララライ」って口に付いてると思うよ、今頃(笑)。

日刊ナンセンス(吉本興業 大阪)
ヘッドライト(吉本興業 大阪)
銀シャリ(吉本興業 大阪)
プラスマイナス(吉本興業 大阪)
ダイアン(吉本興業 大阪)
NON STYLE (吉本興業 大阪)
ギャロップ(吉本興業 大阪)
りあるキッズ(吉本興業 大阪)
藤崎マーケット(吉本興業 大阪)
とろサーモン(吉本興業 大阪)
ザ・プラン9(吉本興業 大阪)
ボルトボルズ(松竹芸能)
天津(吉本興業 大阪)
チュートリアル(吉本興業 大阪)
麒麟(吉本興業 大阪)
オートバックスM-1グランプリ2006公式サイト - 予選結果速報

上位数組のレベルは今日の方が上でしたが、全体的には昨日より今日の方が出場者が多いのに、合格者数が少ないのは納得です。もし今年も三回戦追加合格精度があるのなら、男と女、さるつかいデロリ庵、ハレイチトースト、ラフ次元のどれかに吉報が届いて欲しいです。