「芸人の活かしかた・殺しかた」〜めちゃイケの話、バラエティ番組の寿命の話

よゐこ有野晋哉の事例とカンニング竹山隆範の事例を元にした興味深い考察から、「めちゃイケ」という番組に関する話へ着地していますが、あの番組って途中でこのリンク先の文章の本文にもあるように、途中でスタジオコントからロケバラエティに変わることで寿命を延ばしましたが、「めちゃイケ」になってからもう今年で10年、前身の「めちゃモテ」から数えたら11年もやっているわけで、これはゴールデンタイムのバラエティ番組としてはやや賞味期限切れを起こしても仕方のない期間で、「8時だョ!全員集合」の16年というのは例外的すぎるにしても、「欽ちゃんのどこまでやるの!?」が10年、「オレたちひょうきん族」が9年、「とんねるずのみなさんのおかげです」が中断期間を含んでも8年半、「電波少年」も後番組を入れても10年、「あっぱれさんま大先生」の初期シリーズが8年、「ダウンタウンのごっつええ感じ」が6年、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」が10年+リニューアル番組が1年、そして番組終了の事情が違いすぎるけど「ウッチャンナンチャンやるならやらねば」が約3年、「笑う犬シリーズ」が5年、「夢で逢えたら」が2年半、「テレビのツボ」が3年、「突然ガバチョ!」も3年と、ほとんどの番組が記憶よりも短い期間で終了していること、またほとんどの番組が番組が往事の勢いを失う形で終わっていること、また特別な事情を持って番組が終了した例を除けば、ほとんどの番組で番組の晩年には出演者の番組に対する熱意が失われていたという後日談が出ている例が多いことを考えると、「めちゃイケ」の11年というのは、日本のテレビ史の中でも驚くほどの長寿バラエティ番組であることが分かります。
現在そのぐらいの長寿番組を探すと「笑っていいとも」が24年、「さんまのまんま」が21年、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」が17年に次ぐレベルのロングランなわけですが、ゲストやサブ出演者を組み合わせることが可能なフォーマットだったり、それぞれメインホストのカタログ番組的な意味合いがある番組と違って、「めちゃイケ」は前身の「とぶくすり」から「めちゃモテ」になる際に一部のメインキャストが入れ替えられた以外にそういった新陳代謝が行われていない訳で、過去の番組では「ヤングおー!おー!」は13年やっているけど、これは番組キャストが初期と後期では大きく様変わりしているわけで、ゴールデンタイムの若者向けのバラエティ番組が同じキャストのままで10年以上も番組が継続しているというのは、番組の影響力や出演者の力も褒められるべきな反面、この番組自体の動脈硬化はもちろん、この手の番組がメインキャストの入れ替えも無しに10年以上続いているという現状が現在のテレビ業界、特にテレビバラエティの世界の動脈硬化を物語っているように思いますし、よゐこ極楽とんぼの現状とこの番組の立ち振る舞いに無理が生じるのは仕方のないことだと思います。
もうこの番組は先日の雛形あきこのバラエティ的成長を見せつけた回をもって、歴史的役割を完全に終了したということで良いのではないでしょうか? 放送枠を「はねるのとびら」に移して、ナイナイはフジテレビのもうちょっと自由にやれる時間帯で、自身のカタログブック的な番組をやらせてもらい、もうそろそろよゐこ極楽とんぼは自らのホームに返してやるべきと思う、彼らがホームだと思っていたとしても、彼らのホームがあの場所ではないと僕は思っています。
まあだからこの番組が、同じ出演者で11年も続いている、そして今後も続いていきそうというのが、いまのテレビがしっかりしていない、新しい波を起こせないということの証明に残念ながらなっていると思います。
ということでもう「濱口だまし」だけ、忘れた頃に特番として不定期にやるぐらいで良いんじゃないでしょうか? 「笑わず嫌い王決定戦」と「岡村女学院」はなくなるのは勿体ないけど、まあこれは仕方ないというか、逆に言うとこれこそナイナイ単独の番組で引き継げばいいだけの話だったりする企画なんですよね、時間帯的にもいまの時間帯より違う時間帯の方が遙かに良さそうだし、ということでフジテレビさん、そろそろ出演者のNEXTの為にも「めちゃイケ」について、そろそろ決断しませんか?