M-1グランプリ2005 3回戦大阪1日目

今回は本当に心から行って良かったと思います。もう今回は前売りで500枚、当日とか色々あわせるとNGKスタジオに600〜700入れるというすし詰め状態、固い地面に座らされて、みんなが小さく座っているから、腰もお尻も足も痛い中での観戦でしたが、もう心から笑い、そして震える四時間余りの時間を過ごさせて頂きました。今日は本当に行けて良かった、もう何度でも思える、何度でも言いたい時でした。もう僕は歴史の証人になったと思いました。
まず二つのコンビが一つの山を越えて、新たな領域に旅立っていった。二回戦においてにのうらごが防音の鉄の壁を飛び越えるほどの爆笑に会場を持ち時間絶え間なく起こしていたように、二つのコンビが一つ高いステージの舞台を出来ることを証明しました。そしてそれとは違う二つの新星が大きな財産を得る仕事を成し遂げ、そして一つのコンビを上げたことは、M-1グランプリという大会の格をまた一つ高めることになるのでは、そういう期待と興奮と感動、色んなものがごちゃまぜになりました。今日は素晴らしかったです。
今回は名前の後に漫才のテーマやタイトルを付けて、その後に合格のコンビにだけ“合格”と記して、感想というか論評のようなものを書いた上で、僕のその時に付けた個人採点を付けたいと思います。会場の客受けの大きさなども記してはいたのですが、これはどうもどこに座ってるかで印象が変わるらしいので、時々参考までに書くに留めたいと思います。実際に某所で会場の笑いの量を数値にしたものと一緒に書いたレポート見たのですが、僕の印象と全く違ってたので、会場の受け具合を出していくのは危険だなと思いました。NGKスタジオは劇場ではないから、会場の笑い声が全体に響かないのか、自分の周り半径1メートルとか2メートルの笑い声しか聞こえないみたい。

  • 第1ブロック

パイナツプル 「童謡にツッコミを入れる」

1回戦から続けて随時改良を加えるだけでなく、漫才としてもレベルアップもしていて、ここはピン芸人ユニットだったわけですが、回を重ねると漫才になっていくというのは凄いなと思いました。『おもちゃのチャチャチャ→なべなべそこぬけ→あわてんぼうのサンタクロース→お弁当箱の唄→ねこふんじゃった』の流れでしたが、「お弁当箱界の上下関係」はこの三回ずっと確実に爆笑を取っています。しかし三回戦の雰囲気、トップ出番にこの変則的な形はさすがに受け入れにくいものがありました。今後はもう一人加えてトリオで新しい活動をするらしいので、そちらにも期待したいです。2+

チョコクロ高齢化社会

出会い系サイトやテレビの視聴者プレゼントが高齢者向けになるというネタから、高齢者向けの漫画雑誌「ソロソロコミック」とかヒットはありましたが、二回戦の段階でもそんなに僕は良いと思わなかったのですが、さすがにここが限界でした。2-

とろサーモン 「シカト漫才 久保田逆ギレVer」合格

一人暮らしでペットを飼いたいという話題から、久保田さんが後半に逆ギレするパターンでしたが、元々の「スカシ漫才」は芸人さんの間での評価が高く“麒麟枠”の一番手と上げる声が大きいようですし、この久保田さんの逆ギレ版も玄人筋の評価が大変高いのですが、ここは変な設定のコント同様に、自分たちのやりたい意図がお客さんに完全に伝わってないですよね、正直ここを出すんだったら、他に出すべき所は他に沢山あると思います。3+

南海キャンディーズ 「サーモンのマリネに玉ねぎをのせる」合格

今年の夏ぐらいまでは、今年のM-1に向けた必勝ネタと見られていたネタですが、はっきりいって賞味期限がもう既に過ぎてしまったような、漫才アワードとろサーモンに大差で負けたようなネタを持って来たのは、南海キャンディーズの今年の迷走っぷりを示していると思われます。前日のビーイチバトルでやったネタも良くなかったようですし、今年のネタでは「歌のお姉さん」のネタは評価がある程度高い一方で、このネタ以外に良いネタもないし、本人達がこのネタに絶対的な自信を持っていないということを考えると、準決勝でのネタ選択ということも含めて南キャンの決勝進出はかなり難しいと言わざるを得ないです。いまの不調はbaseの客がアホだからと言うのが引き金になったかも知れませんが、現状はそれだけが原因では決してないでしょう。3-

  • 第2ブロック

第1ブロックを終わって、無名のNSC生からテレビでお馴染みの人たちまで幅広かった五組にも関わらず、全く均等に拍手が送られていた会場の雰囲気にビックリしました。この後もほとんど誤差の範囲で似たような状況が続き、非常にニュートラルな会場の雰囲気で進行されたことに感動しました。やっぱり入場料が2000円以上で、午前10時に予約の電話を入れないと行けないということになると、客層は一変しますね。

サンバルカン 「早口言葉」

早口言葉を変えるという二回戦を勝ち抜いたネタ、前回大いに笑った「生麦、生米、生玉子」を「麦、米、玉子は生」も相変わらず面白かったし、「バスガス爆発」を「バスえらいこっちゃ」と言い換えるのも面白かったですが、若干会場の笑いが二回戦より低く、この辺が現役NSC生としての格の差なんだなと思いました。3+

ユキコミキ 「エジプトに行った気分だけでも味わう → 桃太郎」

「韓流ブーム(笑)」というツカミから、二回戦でもお客さんの印象に残った「メンソーレ、エジプト」「おまえにファラオは守れん」「鬼やと思い過ぎや」とキラーフレーズが続出しましたし、過去にも準決勝に勝ち上がったことがあるコンビでもありますし、審査員にここを贔屓している人がいるということで、確実に勝ち上がると言ってた人がこの日一緒に見ていた人も含めて、言っていた知り合いが多かったんですが、正直ここを上がるには決定的に最後の一押しとなるものが足りないように見えました。発想に技術力がついていっていないということなのかも知れないなと思えます。3

ヒカリゴケ 「女になりたい」

相方が自分のことを男前と思っているというくすぐりを入れながら、女になって「あんみつ屋で部活の相談したいやろ」という所から、男女コンビ「ラブ・キューピッツ」としてやってみるという展開は非常に見事でした。残念ながら不合格でしたが、ABCお笑い新人グランプリでは松竹から決勝の枠を取れる可能性がある一組と言えるでしょう。4-

オーケイ 「最近の若者についていけない」

前半の小島さんがメイドカフェにハマっているという下りまでは、最近の新しい情報が分からないという話から「関ジャニ∞(メガネ)」というツカミに至るまで、オーケイが10年目ラストチャンスに至ってようやく三回戦の壁を突破したと思えた、過去のオーケイと比べて最高の出来と感じさせるものだったのですが、後半のテレビでも見たことがある「結婚したい」「出会い系サイト」の流れになると一気にトーンダウンしてしまいました。前半だけなら4+を付けても良い出来だっただけに、後半の落ち込みは悔やまれます。こうしてオーケイはM-1初年度からずっと三回戦敗退を五年連続続けてラストを迎えてしまいました。ただいかにもオタクという風情の人がメイドカフェの話をするより、小島さんみたいにイケメンの人がメイドカフェにハマっているみたいなオタク的な話をする方が、面白い上に数倍もネタに広がりがあることが分かったのは、今後のお笑い史、漫才界にとって非常に有意義なことでした。ただ、それだけに後半が余りにももったいない、前半の出来が最高だっただけに、後半一気に「こりゃ無理だわ」ということになったのは非常に残念でした。3

麒麟 「ファッションショー」合格

テレビも散々やっているお馴染みのネタですが、三回戦という外すことがないネタを持ってくれば、麒麟ぐらいになれば通ることが出来るとはいえ、この期に及んでこの水準のネタを持って来てしまうというのは、相当に問題があると感じました。このネタ自体も構造的な欠陥は言い出せば切りがないんですが、このネタに限らず今年の麒麟の代表的なネタの多くが、川島さん一人が活躍して田村さんが何もしていないタイプのネタが多くて、2002年や2003年の麒麟に戻ってしまったというのが、正直な感想です。だから僕は麒麟を決勝候補から完全に外したいと思います。3+

  • 第3ブロック

菊一文字 「全身チェック」

人に優しい方がモテるから、お婆ちゃんのカバンを持ってあげたいけど、そのカバンがチェックの柄だったので、自分はその時チェックのシャツに、チェックのパンツだったからチェックのカバンを持ったらダサくなるというネタで、インディーズイベントなどで優勝する彼らの最大のネタですが、二回戦で見たときは正直、M-1で見ると格の差があるなと思ったのですが、今日はかなり良いムードで見ることが出来ましたし、場内の受けもなかなか良かったんですが、こういうネタは審査員には好まれないだろうなと思っていたのですが、やっぱりでしたね。3+寄りの4-

バルチック艦隊 「坊さんだらけの大運動会」追加合格

現役NSC生、二回戦と同じネタで勝負してきました。ここは二、三年もしない内に、ケンコバに見つけて貰って気に入られて、バッファローさんに紹介されて「ホームラン寄席」とかに出てファミリーになってそうな気がしました。絶対にあの辺の芸人さん達に気に入られる芸風です。4

ダ・ヴィンチ 「スケッチブック:海にデート」

海に相方とデートに行くというネタをスケッチブックで、自分はダ・ヴィンチのスケッチブックのネタで「合コン」以外のものを見たことがなかったので非常に嬉しかったのですが、ただネタの多くにスーパーマリオを多用するネタだったので、こういうのは審査員は好まないのではと不安になりました。「合コン」の方をやっといた方が良かったのではと思ったのも事実です。ただ追加合格の期待はしていたのですが、残念でした。4+

鎌鼬ネズミ講」合格

一回戦からずっと続けているお客さんにサイドビジネスを勧めるネタ、一回戦からずっとこのネタでその日のトップ3に次ぐ受けっぷりで、この日も爆発を巻き起こして準決勝のステージに辿り着きました。テレビ的にどうなんだという判断がされるのが、これ三回戦から準決勝の審査だと思うのですが、あのネタがそれをクリアしたのは非常に大きいです。自他ともに“麒麟枠”の候補に挙げられていたコンビが結構三回戦で東西ともに敗退している状況も考えると、鎌鼬は一気に“麒麟枠”の候補筆頭に近いところまで名乗りを挙げたと思います。この三回戦が終わった後でも、心は神宮の敗者復活戦に飛んでいるような感じでしたが、ここは六本木の決勝会場に辿り着く可能性はありますよ。5

NON STYLE 「井上のイキリっぷりを責める」合格

もう意地を見せたというしかないです。ここ二年連続して三回戦で敗退、関西の賞レースでも本命候補に推されながらも敗退を続けていた、baseよしもとのエースが立派に責任を果たしました。“しんにょう”のネタ以降、これというキラーネタがなく、石田さんの動きや喩えという安全なネタが多かった中で、井上さんの格好付けキャラを中心にネタを展開して、大きく殻を打ち破りました。どっちがボケでどっちがツッコミというのももはや境界線はないネタ運びに「明日があるさ」の替え歌のツカミや後半のくしゃみの所の石田さんの言語センスといった、元々ある要素も絶好調でbaseよしもとの客前以外でも通用するところを見せつけました。この出来なら末席とはいえ決勝候補に入れることも充分に可能とも思える内容でした。5-

  • 第4ブロック

トレイントレイン 「親に漫才師になることを反対される」

説得の過程で父親が相方をしたがるというネタ、親子で漫才をする理由は「戦争の悲惨さを伝えるため」という展開はレベルが高く、ビーサンから落ちたときは僕も見ていて、そりゃ落ちるでしょという内容だったんですが、これだけのネタが作れるのなら早く復帰させても良いのではないでしょうか。3+

ニコラスレタス 「叩き合い」

登場してまず三人で叩き合い、その後は子供の頃の想い出として、真ん中の人が左右の人に叩かれて、最終的に三人で叩き合いになるというのを繰り返す二回戦と同じネタでした。3

ベリー・ベリーガンシューティングゲーム」合格

UFOキャッチャーからゾンビのガンシューティングゲームという、ベリー・ベリーがボケとツッコミを入れ替えてから最高のネタですが、ベリー・ベリーはどちらかというとbaseの客に阿っているというと言い過ぎですが、かなりbaseの客層にターゲットを絞ったネタが中心のコンビで、このネタもかなりそういう要素が強いネタだったと思うのですが、この三回戦の比較的年齢層が高い客層で、台本を特にいじることなく自分たちのいまある最高のネタを、最高の演技でやって、あれだけの爆笑を取ったのは、ベリー・ベリーがこの日の舞台が大きく次のステージに踏み出したきっかけになったでしょう。いやでもこの日の出来は本当に素晴らしく、一緒に見ていた人と合格発表の際に「ベリー・ベリーは(この大事な舞台で)今までで最高の舞台をやった、合格は当然」と盛り上がっていたら、少し離れたところにいて結果を聞いていた上田さんに聞こえていたらしく、近寄られて「ありがとうございます」と言われたときは、聞こえてると思わなかったので恥ずかしくて二人でコソコソしてしまいましたが(笑)、改めておめでとうございます。
このコンビは準決勝と神宮の敗者復活戦は貴重な財産になる舞台だと思うので、どうか宝物を手に入れてきてほしいです。って敗者復活戦に行くの前提で話してやるなと思われるかも知れませんが、でも三回戦の後でNGKの前で鎌鼬ベリー・ベリーが他のbase芸人に囲まれていたけど、本人達も周りで祝福している人たちもみんな神宮の敗者復活戦の話しかしてなかったからなあ(笑)、まあ流石に彼らに決勝の舞台は非現実すぎて想像の範囲にないか。4-

ダイアン 「失恋を音楽を聴いて忘れる」合格

「デパ地下の唄」とか「ネジ買うてこい」というのがある、baseやテレビでも最近よくやっている歌ネタ、ここで落ちる可能性はないダイアンですが、なんかこの日の舞台を見てダイアンには、『絶対に三回戦で落ちることはないけど、準決勝を越えることはない』という、うめだ花月の先輩漫才コンビたちと同じ臭いを感じたなあ、殻を破る前に完成してしまった感が強いです。4

  • 第5ブロック

学天即 「昔話」合格

二回戦で会場に衝撃を与えた完全アマチュアコンビ、二回戦で場内の男客を大爆笑に包んでいたイ・スンヨプの下りに笑いが起きないかったというより、本当に0.5秒早口で言ってしまったので、お客さんが笑うタイミングを失ってしまいました。後半の桃太郎、犬、猿、雉が誰の車で向かうか揉めるという所も少し早かったのは、流石に緊張の表れだったのでしょうか。ちょっと知的な方向のネタなので、お客さんに考える間がないと難しいネタですね。ただ平家物語を語り出して、「そんな本格的な昔話はいらない」など二回戦でも受けていたところは今回も確実に笑いを取っていましたが、二回戦のように大爆笑は取れなかったので無理かなと思っていたら、まさかの合格で名前が呼ばれたときは、一緒に見ていた人たちとまたまた盛り上がってしまいました。不確かな情報ですが、18位のボーダーにいて倉本さんが気に入って上げたとかいう話もあるようで、少なくともあと二回見れるというのが楽しみです。4-

暁 「元・自衛隊のナンパ」

超満員のお客さんを前に「暁の漫才を見れるのは、この中の半分です。」とバトルロワイヤルのパロディのツカミは良かったのですが、本編の元・自衛隊員にナンパを教えるという展開は、少し良くある感じで天丼もあまり効果的ではなく、普通の出来だったと思います。流石に普通の出来ではここを勝ち上がれる力はまだありませんでした。3+

パステルモグラ 「スーパーボール」

スーパーボールを団地の四階から落として遊ぶ子供という、M-1でも一貫して出してきたパステルモグラの最近の勝負ネタですが、加藤さんの最初のボケ台詞が聞き取れなかったので、山崎さんのツッコミ台詞がお客さんに何のことか分かんなくなってしまい、そのまま続けなくてはいけないネタなので、お客さんが何のことか分かんないままゴールまで向かわなくてはいけなくなってしまいました。こういう時にお笑いの人って辛いなと思いましたよ、ましてパステルモグラのように淡々と続けなくてはいけない芸風の場合、実際以上にスベっているように見えてしまうのも可哀想だなと思いました。2-

イアソン 「松茸狩りは危ない」

一回戦、二回戦と応援団ネタで勝ち上がってきたイアソンでしたが、ここではボケの方の人が延々とツッコミの人に切れているだけというネタ、この日唯一と言っていいほど、全く笑いも何も起きずに終わってしまったんですが、キレるという演技の都合上、場内には声は響いているわけで、何となく盛り上がってるようにはなるけど、実際には前のパステルモグラよりこっちのほうが確実にスベってましたね、淡々とやってるのとテンションが高い違いだけでそうは見えなかったけど、なんでここは“応援団”をやらなかったのかと思っていたのですが、よく考えたら次はあの人たちなんですよね、そりゃ同じショートネタの土俵では戦えないと判断しても仕方ないか、でもこんな不完全燃焼なことするなら、当たって砕けにいったほうが良かったでしょうね。1-

イシバシハザマ 「おなしな話」合格

『目玉の義理のオヤジ→チキンレース→なんかむかつく→もっとむかつく→ファミコンのコントローラー→海で溺れる』という流れでキャスト紹介は『チキンレース』からでしたが、最初と後ろ二つ目以外は、ほぼ全て変則的なネタを持って来て、このもしかしたら落とされるかも知れない三回戦で、こういう遊びの要素が強い展開を持ってくる勇気は素晴らしいです。そしてこんな変則的な流れにも関わらず、場内割れんばかりの大爆笑で、「ショートコントは漫才じゃない」なんて声を改めて吹き飛ばしてくれました。今年の“麒麟枠”はやっぱりここが来そうな気がしてきました。あの審査員陣なら評価してくれると思う。5+

  • 第6ブロック

クロスバー直撃 「好きな歌の唄いたいところだけをつなげて唄う」

嘉門達夫の替え歌メドレーの「歌が途中で変わるシリーズ」の変形版、ソフランCと学研のオバチャンの下りはやっぱり何時何処でやっても受けますね、妖怪人間の下りは先日の「笑いのシンポジウム」でやっていて、今回はやらなかった「紅」のネタにした方が良かったんじゃないかと思いましたが、DVD収録出来ないタイプのネタですし、それでも飛び抜けていたら通すんでしょうが、そこまででなかったのが残念でした。4

極悪連合 「いつも通り」

会場がすし詰めのため、登場時にMr.Xさんとキバさんが客席に降りていくことが出来ず(笑)、キバさんは今後のネタの進行上に必要なので無理矢理降りてましたが(笑)、「キャンプに行っても何も手伝わんぞ」から始まって、「キバダイナマイトロイヤルクラッシュ」「Mr.Xの正体が日本人だったとは〜」「Xガード」という流れで、ってこれだけじゃ何のことか分かんないよ(笑)、まあ知っている人にはいつも通りですと言えば伝わると思いますが(笑)。しかしこのトリオを春ぐらいから見て来て、漫才としての形が急速に進歩していること、特にウルフさんのツッコミの技術の上達が飛躍的なところは、追っかけてみてきて感動的でした。それだけにもっと多くの人に、特に東京の人たちに見てもらえるステージまで行ってほしかったです。場内が爆笑だっただけにいけるかと思ったんですが、流石にそれは甘かったですが、しかしここまで巧くなったんですから、この人たちのような芸風でも実力が発揮できる環境が大阪でもあればと思います。このままだと東京に行ってオフィス★怪人社げんしじん事務所に移籍するのが一番の陽の目を浴びる近道ですからね、何とか大阪にもああいう流れが出来てほしい。極悪連合さんを見るといつもそう思います。4

牧戸上原 「ノリツッコミオンパレード」

牧戸上原の新境地、ボケとノリツッコミのブラジリアンスタイル漫才、流石に先日のインディーズイベントだと、インディーズイベントなんかに来る客層だと意図がすぐに理解できるお客さんばかりでしたが、700人近く入ってる会場ではそういう訳にはいきませんでしたね、漫才よりもコントの方が二人の演技力や、牧戸さんの爆発的なボケや上原さんの独特の言い回しのツッコミが活きるように思いました。イシバシハザマオオカミ少年みたいなショートコントのパターンを一つ作ってみても面白いように感じました。とりあえずこのM-1の二回戦、三回戦で示した方向性は、このコンビにとって未来を開けるきっかけになり得るものだと思うので、この結果に折れずに進んでいってほしいです。3-

ビッキーズ 「最近の若者」合格

一番印象的だったのは、あの飴って客席の四列目ぐらいまでしか届かないんだなということでした(笑)。5+
リアルタイム採点で最高点の5+を付けてるのに、そんな感想しか残らないというのも凄い、もうここは絶対に三回戦で落ちることないけど、決勝に行くことはないコンビの代名詞としては筆頭格だと思うのですが、ここは早くM-1とか関係ないキャリアになって、早く重石になってる世代が死ぬのを待って、花月の看板として稼げるようになるまで、とにかく続けて頑張ってほしいです。技術はあるし、あんなに爆笑取れるのに、決勝というのが全く想像できないもんなあ、「笑いの金メダル」もうめだ花月組が毎週のように出ていたときに、サバンナとともに準レギュラーとして残ったと思ったら、いつの間にか出なくなりましたしね、このあたりの世代がまだ「爆笑オンエアバトル」に出たがっているというのも理解できるんですが、うめだ組がただでさえbase組の露出を邪魔している部分があるだけに、それも難しいでしょうね。

  • 第7ブロック

テゴネハンバーグ 「ジャングルを探検」

高校生コンビ、夏休みにジャングルやプールを探検するという二回戦と同じネタ、ネタの内容は二回戦と同じですが、改めて素人の高校生とは思えない技術力の高さに驚きました。例年のレベルだったら準決勝に行ってたと思います。4

おしどり 「音曲漫才」

アコーディオンに乗せて、ハリガネ芸をする夫婦コンビ、こういう古典芸能っぽい雰囲気だと下ネタやっても下品にならないということが分かったのが収穫(笑)、二回戦でやっていた個々に作っていたものが最後にクリスマスツリーとなって完成するという流れの完成度を見ていただけに、今回は少し物足りませんでしたが、相変わらず確実に良いお仕事をしてくれました。長丁場の敗者復活戦で真ん中ぐらいに挟まるとお客さんもだれなくて良いんですけどねえ。あえて採点不能にします。

りあるキッズ 「夜中に騒いでる不良を注意」合格

今年一番やってるであろうネタで貫禄の漫才でした。ボケは終始ベタなものばかりでしたが、本当に巧く使っています。3045円を窓から投げつける下りは素晴らしい。準決勝のネタ次第でここは決勝の舞台に戻ってきます。来年がラストチャンスと残り少ないですから、落とす事がないようにしてほしいです。5

ザ・プラン9 「CM」合格

この日のお客さんの雰囲気がどんな有名所でも、無名の人たちでも分け隔てなく同じだけの拍手と雰囲気だったと言いましたが、ここだけ例外で出てきたときの歓声と拍手はこの日ダントツでした。それもそのはずでお揃いの真っ白な衣装に身をまとって登場すると、やっぱり舞台映えして格好良いんですよね、ただネタはここも最近一番よくやっている「CM」のネタでしたが、このネタって煙草のCMの部分以外は、ほとんどが三人いれば充分出来るネタばかりで、「五人の必要性がなければ意味がない」という松本人志の評価に直結してくるんですよね、あとプラン9のネタのもう一つの欠点として、最初見たときに大爆笑したネタでも、二回目見ると恐ろしいほど面白くないという所なんですよね、ここまで一回目と二回目で見た方の感想が違うネタなのも珍しいです。個々のボケがインパクトに頼りがちということなんでしょうか。3+

  • 第8ブロック

まいなすしこう 「子供の親のなる」

カバンから登場、『千と千尋の神隠し』の坊のモノマネ、『ちびまる子ちゃん』のバカの山田のマネ、コンビニのバイトでレジが高い、声変わりのネタ、そして最後はバイクで二ケツのネタをやって、最後はまたカバンに戻って退場と、全てを濃縮した舞台で、場内大盛り上がりでしたが、さすがにここまで色んな話題に行ったり来たりして、テーマというものがあってないようなものというか、片方の身体的特徴だけに依存するネタでは流石に準決勝は厳しかったようです。僕としてはこの日はこことダ・ヴィンチの追加合格に期待していたのですが、ただここはキラーネタが一本作れれば、一気に決勝まで駆け上がれるという友人の評価に僕は賛同します。4+

伊賀・平山 「ツッコミを避けてしまう」

吉本新喜劇若手俳優の二人組、新喜劇でもお馴染みの元スタントマンらしいアクロバットな舞台でした。二回戦では最後に少しだけで物足りない舞台だっただけに、今回は最初から飛ばしまくってくれて、正直この舞台を二回戦でやってくれたら合格も納得だったんだけどなあと、逆に二回戦の舞台が残念になりました。3

オジンオズボーン 「父親が母親との馴れ初めをヒップホップで説明する」合格

このネタが始まるというのは、最初の一言で分かるわけですが、年齢層が高い今日の客層ではこのネタでは無理だと思ったのですが、ただオジオズにはこれ以上のネタがないのも事実かと思って見ていましたが、大人の男比率が高い客層相手に爆笑を取っていて驚きました。この舞台にかけてきたという意気込みも伝わる、素晴らしい舞台でした。ノンスタ共々吉本と松竹の若きエースが意地を見せました。4+

なすなかにし 「アピール→飲み会→三つの動作」合格

二回戦と同じコンポで、正直ここまで流した感じのネタをやって、この日の上位三組に入る大爆笑を巻き起こしたのは凄いの一言でした。なすなすにしは現在五年目ですが、『五年目の頃のますだおかだを越えている』という評価をする人がいるのも当然だと思いました。ここは確実に将来の松竹の屋台骨を背負うでしょう。現在M-1グランプリの優勝の可能性がある唯一の松竹芸人でしょう。間違いなく10年目にいくまでに一度はここは優勝します。5+

  • 第9ブロック

人生百年 「無人島に何を持って行くか」

福岡予選勝ち上がりのアマチュア、世の中が便利になりすぎているという展開からでしたが、構成が悪かったのか、意図的にスカシをやりたかったのか、物語が着地しないままに終わってしまいました。濃いキャラクターだけでは流石にここは上がれません。2-

つばさ・きよし 「ムカつくことが多い」

ムカつくことということで、電車の車掌、最近の親が子供を甘やかしているなど、テーマには沿っていたんですが、やっぱり少し話題がとっちらかっているように思えました。ここは一回戦の出来が一番良かったというのは、ちょっと問題ありますね。3+

アジアン 「自宅で英会話教室」合格

確かにアジアンにとって「早口言葉」同様に看板作品であることは事実なんですが、もはや旧作と言っても良いネタを持って来たのにビックリ、僕の周りにいた知り合い以外のお客さんは大爆笑だったんですが、他の場所にいた人の話を聞く限り、アジアンにしては受けてなかったという人が多く、ネタが終わったときに馬場園さんがはっきりと「失敗した」というのを表情に出していたほどで、南海キャンディーズもそうでしたが、どうして三回戦という一歩間違えれば落ちてもおかしくないところで、やり慣れているとはいえ、はっきりと賞味期限切れを起こしているネタを持って来て、外してしまうというのはアジアンや南キャンほどの人たちだからこそ、現在のスランプを裏付けているというか、いま本当に自信を持って出来るネタがないということを証明してしまった感があり、準決勝に対しての巻き返しに何の期待も出来ない、むしろ審査員にも今日の出来が印象付いてしまったのではないでしょうか? しかし今年の春から夏にかけて、今年のM-1決勝進出は確実と多くの人が予測してたアジアンが、ここに来て迷走してしまったのは衝撃的なことでした。南キャンもそうですが、ここに来て手垢の付いたネタであったり、早くに賞味期限が切れてしまった程度のネタをわざわざ持ってくるのは、新ネタに対する自信のなさや現在の調子に対する不安の現れだと、知り合いの芸人さんが教えてくれましたが、現在、旬の良いネタというのが「歌のお姉さん」ぐらいしかない南キャンと違って、アジアンには「深夜のテレビショッピング」という良いネタがあるんですけど、こんな旧作に頼るぐらいなら、それを何故持ってこなかったんでしょうか、この辺の判断が出来ないというのが、スランプということなんでしょうが、もしネタが麒麟と被っているという判断なら考え直してほしいです。どう考えても麒麟の「テレビショッピング」のネタより、アジアンの「テレビショッピング」の方が、ネタが被ったときに印象度で勝てる良いネタだと思えるんですが、ただそういう判断が出来ないとき、三回戦の段階でこの程度の舞台をしてしまうようでは、準決勝の舞台で良いネタを持って来ても期待はそんなに出来ないのかも知れませんが。今年前半の出来を思うと、ここはもったいないです。3+

笑い飯 「ガムの妖精」合格

マナーの悪い人という話で、テーブルマナーの悪い人、交通マナーの悪い人の話を経て、本編の「ガムの妖精」の話に行ったのですが、本編のガムの妖精のネタは良かったんですが、それに至るまでの話が弱すぎで、三分を「ガムの妖精」で押し切れないあたりに、準決勝や決勝での不安を残したように思いました。笑い飯は凄いネタを一本隠しているらしい、去年のM-1決勝の最終決戦用のネタで、baseでもまだ一度しかかけたことがない凄いネタがあるらしいですが、正直それを出す前に終わってしまう危険性は残してしまったように思いました。その隠しているという未知のネタ以外は、現状「ハッピーバースデーの歌」のネタしか高いレベルで戦えるネタは無いというのが正直なところだと思うので、
ネタの選択次第で準決勝は未知数という評価は変わらない、むしろ二回戦の時より若干ですが、トーンダウンした印象です。5

  • 第10ブロック

ゴールドハンマー 「若手芸人が芸人志望の不良に絡まれる」

ネタを見てくれと絡んできたのに、「一生懸命やるから笑ろたら承知せんぞ」といったり、メールアドレスの下りは爆笑でした。東京向きだと思うので敗者復活戦出してみたかったです。4

おくにと申します 「ジャズ喫茶」

小籔千豊土肥ポン太のユニット、「アンタッチャブルの次はど素人の僕らが取ってM-1終わらせる」というツカミで爆笑、その後に噛んでも「素人さをアピール」と即座に言うところは流石でしたが、本ネタは二回戦同様に土肥さんのピンネタに小籔さんがツッコミを入れてるだけで、流石にこれでは準決勝は無理というより、土肥ポン太さんがR-1で準決勝に進出できていないのに、土肥さんのピンネタ主体の漫才でM-1で準決勝に進出している場合じゃないですよね(笑)、小藪さんはかなり本気だったという話もありましたが、このネタ見た後だとちょっと信じられないです。ただ舞台での漫才している姿は流石だったので、是非ともイベントなども含めて続けていって、来年のM-1ではオリジナルのネタを見せてほしいです。4-

他の新聞は笑い飯南海キャンディーズ麒麟がメイン記事なのに、何故かスポニチ大阪だけは、おくにと申しますがメイン記事です(笑)。

千鳥 「幕末ごっこ」合格

結論から言います。千鳥は今年確実にM-1決勝八組に入ります。このネタをそのままやれば、準決勝は何の問題もなく突破できるでしょう。詳細は言いません、12月25日の午後七時過ぎぐらいになれば、テレビでANN系の局にチャンネルを合わせれば、放送されてると思うので、それで見てください。ネタの中身には触れませんが、どこが素晴らしかったかという所を少しだけ紹介させて貰うと、まず全ての笑い所が大悟ではなく、ノブから発生していたこと、千鳥は麒麟もそうですが、天才的な才気が溢れすぎるボケと不器用なツッコミという図式で、麒麟は2004年に一時期その図式から脱したように見えましたが、今年に入ってまた戻ってしまいましたが、千鳥の今回のネタはその図式から完全に踏み越えて、大きくノブさんがというより、ノブの使い方を千鳥というコンビが理解し出したということであり、この進歩によって千鳥は、完全に笑い飯麒麟を置いてけぼりにして一つ上のステージに上がりました。この「幕末ごっこ」という台本も、去年のM-1決勝でやった「中世ヨーロッパごっこ」のようにナンチャンに指摘されたような設定の初歩的なミスは一切無くなっていましたし、前半いかにも千鳥らしいボケの畳かけがあって、中盤のコント部分が物凄いシステマチックな、一緒に見ていた人が『まるでアンジャッシュのようだった』というぐらい複雑な仕掛けを綺麗に進めて、しかもその部分がきっかけになってオチが前半の千鳥らしいアホなところに帰っていくという、もう僕が人生で見た中で最高に美しい展開の本の漫才を見せてもらいました。やっぱり千鳥は天才です。笑い飯麒麟南海キャンディーズとは根本的なポテンシャルに決定的な差があるとすら思えました。
台本は非の打ち所もない最高水準、技術的な問題点、コンビのあり方の欠点も全て改善された千鳥というのが、こんなに凄いんだということを見せつけてくれました。いやさっきから物凄い勢いで褒めていますが、これだけ褒めても全く褒め足りないと感じる自分がいます。最も僕がどれだけの言葉を費やして褒めるよりも、この日ここまで爆笑を取っているコンビはいたけど、三分間の出番の間に終始爆笑の渦が途切れなかったのが千鳥が最初だったということで充分かも知れませんが。5+++
ただ千鳥は去年の三回戦でラーメン屋、準決勝で中世ヨーロッパをやって、大爆笑を取りながら、決勝で中世ヨーロッパをやって大外ししたので、決勝大会で通用するかは未知数だとは思います。またこの水準のネタをもう一本用意できているかというのは、少し難しいとも思うので、決勝は100%行くと断言したいですが、優勝候補には入れられないなという気持ちでもあります。まあでもいまのbase組で一番優勝に近いところにいることだけは間違いないと思っております。

チュートリアル 「サスペンス劇場」合格

千鳥が突風を会場全体に巻き起こした後で、この日のトリのチュートリアルが登場、徳井さんが少し遅れて舞台に慌てて上がってくるというアクシデント的な入りだったんですが、これは本当に何かに気を取られたりして遅れたのか、それとも千鳥が起こした嵐のような状況を一旦冷ますために、わざと入りを遅らせて間を置くというクレバーな判断をしたのではないかとも思えました。しかし実際はネタにはいると千鳥の起こした風を利用して自分たちも更なる突風を巻き起こしていったのですが。
徳井さんがサスペンスドラマのシナリオを考えてきたという、実はチュートリアルがオーディションの頃からやっていたようなネタということなんですが、もう完全にその頃とは別物と言っていいぐらいに改良がされていて、知り合いの芸人さん達は一様に「一度完成させたネタを作り直してさらにレベルを上げる」という構成力に驚いていました。確かに映画でも音楽でもマンガでも、昔の作品を作者が自らリメイクすると、大抵クオリティが落ちてるもんですが、それを成功させるぐらいに徳井さんの構成力の高さと、お二人の演技力が飛躍的に向上していたということなんでしょう。千鳥に続いて、ここも三分間大爆笑が途切れることなく会場を始めから終わりまで包んでいました。もう僕も笑いすぎて、実はあんまりネタの細部を覚えていないぐらいで、少しトリップ状態に入っていたように思えます。ただこれがチュートリアルによってなのか、前に出た千鳥によってトリップ状態にさせられた状態でチュートが出てきたからそうなったかというのは、少し考える余地があるとは思うのですが、例えそうだとしてもそういう上昇気流を捉えるだけの力がチュートリアルにあるということだから、全く問題ないと思いました。普通ならあんなに尋常ではないほどの爆笑の後を引き継ぐと、実力者であったとしても何も出来ないままになることが多いですからね、しかも千鳥と違ってここは良いネタが他にもありますし、この日チュートリアルは今年の優勝候補に一気に名乗りを挙げたと言って良いのではないでしょうか、元々うめだ花月勢でM-1決勝の可能性があるのは、りあるキッズチュートリアルだけという評価も一部であったし、実際に過去の進出者もこの二組だけでしたが、チュートリアルは格の違いを見せつけました。5++

結果発表

この日に合格した18組をまず紹介します。

とろサーモン南海キャンディーズ麒麟鎌鼬NON STYLEベリー・ベリー、ダイアン、学天即、イシバシハザマビッキーズりあるキッズザ・プラン9オジンオズボーンなすなかにし、アジアン、笑い飯、千鳥、チュートリアル

正直、とろサーモンやアジアンの合格は若干甘めのように思いましたが、学天即がボーダーラインだったという噂が本当なら、ここを合格させたいということで合格基準が下がった可能性があるようにも思えますが、ただ東京と違いビックネームに不合格は一切ない一方で、鎌鼬ベリー・ベリー、学天即の名前が読み上げられたときには、会場中がポジティヴなどよめきに包まれました。この日は誰かを落とすという形ではなく、この三組を拾ったことで、M-1の審査基準の素晴らしさを証明する結果になったと思います。
またこの日からも追加合格があることも発表され、僕としてはダ・ヴィンチまいなすしこうバルチック艦隊、少し離れてゴールドハンマーという順で追加合格を期待しましたが、翌日の発表でバルチック艦隊が追加合格しました。

総括

大阪三回戦の初日が終わりましたが、前売りだけで600枚以上売っていることを考えると、NGKスタジオに700人以上を詰め込んだ環境、また入場料が上がって大人の観客ばかり、このステージの重みを理解している客中心という雰囲気が、各コンビの現在の力の差をはっきりと浮き彫りにしてくれたように感じました。
まず千鳥とチュートリアルはこの日に出た他の全てのコンビと比較しても、次元が違うところにいました。この二組の決勝は準決勝で大事故が起こらない限り、確実ではないかという気になりました。そしてNON STYLEオジンオズボーンが決して女子供の客相手に限定しないことを証明したこと、鎌鼬ベリー・ベリーが準決勝に手が届いたことが、この日に起こった漫才界における歴史的な事柄だったでしょう。
他にポジティヴなことでは、イシバシハザマりあるキッズなすなかにしが完全に流し気味で爆笑をきちんと取っていたこと、ネガティヴな事柄としては、南海キャンディーズとアジアンにはっきりとスランプを感じたこと、とろサーモンが落とされても文句の言えない出来だったこと、麒麟が千鳥との間にはっきりと力の差を見せてしまったように感じさせられました。