上方落語界のホープ桂吉朝氏が死去

最近死亡記事ばかり取り上げてる、なんてことを言ってたら次にこの報道、もうどないなってるんでしょうか。現在の上方落語界の層、特に枝雀、七代目・松鶴(松葉)を既に失っていることを考えると、この訃報は痛すぎです。
2001年の上方お笑い大賞は、テレビタレントとして活躍していない落語家に賞をあげるのは、上方落語会の現状や関西のお笑い界の状況を考えても、相当に勇気がいることだったと思うのですが*1、歴代の他の落語家の大賞受賞者の名前を見ても、かつての関西四天王以外は全て落語よりもテレビタレントとしてのイメージの方が強い人が並んでいます。それでも受賞させるにあたっての説得力が充分あっただけに、本当に惜しまれます。この死は一個人だけでなく、上方落語全体にあまりにも大きすぎる影響を与えることになるでしょう。今後、米団治という声もあったそうですが、むしろファンの期待は次の桂米朝という話のほうが師匠存命中にいうことではないですが、そういう流れに自然と今後なっていたでしょうし、何より米朝師匠がそう考えているのも公然だっただけに、米朝師匠の心痛はどれだけのものでしょうか。
しかし七代目・松鶴といい、落語のように齢を経れば経るほど味わいが出てくる、特に50代というのは磨きがこれからかかっていくという年代を前に、これから名人になっていくとされた方が天に召されるのは、本田美奈子さんや高橋ひろさん同様に、あまりにも酷いことだと思います。しかも吉朝さんに関しては、これから名前が全国に轟く矢先だっただけに、本当に本人はもちろん、周囲の方々の無念は計り知れないです。心からお悔やみ申し上げます。
とりあえず追悼として音源が残っている分だけでも、DVDの形で桂吉朝という落語家を残すことは是非とも心あるレコード会社にはして頂きたいです。「地獄八景亡者戯」は生で聴きたかった。

*1:正直、中川家ますだおかだが一つずつ繰り上がっていてもおかしくない状況でした。