ビーコード「ビーサンバトルA」レポート

以下、全て出番順です。論評の最後に僕の点数(5点満点評価)と票を入れたかどうか、そしてコンビ名の後に実際の順位を書いておきます。
一応、今回のABともに見た感想としては「笑い飯が過去のモノになった日」というところで今回のライブは今後語れそうな予感もしています。サプライズがありました。

MC:ジャンクション

笑い飯のオールナイトイベント後の登場、全く飲めない下林さんが昨日のイベントで酒を飲むコーナーで、去年一年の酒量を確実に越えるだけ飲んだということで、見た目明らかに二人とも疲れていました。
原田さんが「いらっしゃいまっせー」ってやらなかったのは、最近のMC時の仕様なのか、疲れていて忘れたのかどっちなんでしょうか?
ライブの後で千日前で下林さんが単独イベントのチケット売るために立っていたんですが、物凄い疲れていて怖い顔で突っ立っているだけで、あんな顔してたらファンも買いにいかんわと思っていたら、案の定見ている限りは全然話しかけられることすらありませんでした(笑)。

少年ギャング 9位/15組中 58票 漫才「ジャンケンで負けたことがない」

ボケの方が「オレ、ジャンケンで負けたことないねん」といってジャンケンしてあっさり負けて、「ジャンケンポンポンなら負けない」とかいって、色々とオリジナルの歌やフリでジャンケンをしていくネタ。
悪くはないというか、極めてbaseの客層にあっているネタでしたが、ただ正直勝ても負けもしない安全策のように思っていたら、本当に再来週の二回目を待たずに昇格も残留もなさそうな順位に落ち着いてしまいました。これでも2002年M-1セミファイナリストなんだけどなあ。3.0点

メキシコの風 15位/15組中 14票 コント「アンパンマン世界の恋の話」

この人のパターンの恋の話らしいのですが、カバ男くんがバタ子さんに発情してアンパンマンが止めに入って二人でバタ子さんを取り合ってジャムおじさんが仲裁してとかそんな感じ、正直、メキシコ風なキャラ演出はネタに織り込まないのなら止めた方が良いかも。2.5点

ダ・ヴィンチ 2位/15組中 125票 漫才「合コン」

今日30組全部の中で純粋に笑えたというところでは、ここが一番面白かったです。
二人とも胸にスケッチブックを持って登場して、いわゆる“心の声”をフリップに出していきながら展開するネタで、終始大爆笑でした。ネタバレも避けたいというのもありますが、すっかり填ってしまって、このネタの最中は全くメモ取っていなかったので、以上、いやとりあえずホンマにこれは見てほしい。このネタ一本あれば今年のM-1準決勝には確実に上がってくるでしょう。フリップネタはパターンいくつか持ってもいるようですし。5点、当然投票。

なぎさ 4位/15組中 107票 漫才「引きこもりの子供を説得する」

このコンビは技術的にしっかりしていて、確実に3分間客席に笑いを途切れさせないコンビではあるのですが、ただ目新しさがないし、奇抜な発想とか、これはなぎさしか出来ないという点がほとんど無いんですよね、そういうところで6月のビーコードで見に行ったときも迷った末に、これだけ笑わせて貰ったんだからと投票したのですが、今回は前回と比べて客席の笑いも大人しめだったし、こういう漫才コンビがよくやる設定で、具体的に他のコンビで、この設定なら他に面白いコンビが具体名を挙げていえる設定でやられると、流石に投票は出来ませんでした。3.5点。

span! 1位/15組中 137票 漫才「漫才師の職業病→煙草のポイ捨てを注意する」

前半は職業病で電車でお年寄りに対してつい、ツッコミやボケをしてしまうというネタ、「ゲンセキ」でやつているコントもそうですし、先月のbaseの「新ネタライブ」でもそうでしたが、このコンビは漫才のボケやツッコミという約束事を利用したネタが得意ですね。
後半はツッコミのほうの不良キャラとか、ボケの方の男前でかわいらしいキャラを利用したネタでしたが、正直、この辺はちょっと食傷気味かな、正直そんなに好みの展開ではありませんでしたが、かなり笑ったし、客受けもナンバーワンでしたので投票しました。4.0点

☆ciao☆ 11位/15組中 35票 漫才「スーパースターへのインタビュー」

スターとレポーターのやりとりのネタで、押しかけてくるファンがレポーターの方のファンとか、随所のボケに光るフレーズはあったのですが、ちょっと絶対の構成が甘過ぎて、正直どうかと思いました。固定ファンもいるだろうし落ちることはないんだろうなと思ったのですが、結構ヤバイ順位と得票になっていますが、今回は下がちょっと確定っぽいのと、このコンビはこういう追い込まれたときに確実に安全圏の点を取れるネタはあると思うので落ちることはないでしょうね、ただこの手の正統派漫才のコンビがビーサンから上がることも下がることもないポジションに居続けるというのが、実は一番タチが悪いんですけどね。2.5点

日刊ナンセンス 7位/15組中 68点 漫才「大阪市営地下鉄環状線

地下鉄に乗った時のことを話して、「ブルーなことがあったんですよ」「ブルーということは四ツ橋線か!?」と、大阪市営地下鉄の路線図の色分けに関連付けていくというネタから、自分の方が環状線が好きだという言い合いから、環状線の駅名を言葉尻に付けるダジャレを言いあうという、往年のWヤングを思い起こさせれるまさかのダジャレ漫才に突入、いや日刊ナンセンスがそれをやっているというのは噂には聞いていたんですが、正直ダジャレ漫才の切り口とかダジャレの合間に挟まれているフレーズの斬新性とかが素晴らしく、一緒に見に行った古典などに詳しい方も「ベタなオチや設定を切り口を変えて新しくしている」といくつかのコンビを誉めていましたが、おそらくこのコンビのことがアタマにあったのではないかと思いました。当然投票しましたが、自分的には『村野井がバイトを辞めた理由』のショートコントシリーズのほうが好きだったかなあ、あれはいまだに思い出し笑いします。「村野井の給料はお客の善意が時給♪」というブリッジは、この後何年か思い出し笑い出来る自信あります。3.5点

ママ・レンジ 10位/15組中 53票 漫才「こなきジジイ」

「夏だから妖怪とか出てきますよねえ」というネタ振りから始まって、こなきジジイが色々とボケていくネタでしたが、僕は結構好きだったのですが、正直、ママ・レンジぐらいキャリアがあるコンビがビーサンバトルでこの程度しかやれないのは辛いなあと思いましたね、その辺が僕は結構楽しんだけどだったけど投票出来なかった理由、正直、今月はヤバイかも落ちてしまうかと思ったけど、まあ及第点の笑いとれていたし、日曜日ということで一見さんが多いビーサンバトルでは上がりもしないけど、落ちようもない感じでしょうか、公平が八木軍団Tシャツ着ていたのは嬉しかった(笑)。4.0点

鎌鼬 3位/15組中 111票 コント「弁護士事務所」

今月からビーコード入りした新顔、正直設定とかに全く目新しいところはなかったし、ボケにもそれほど珍しいモノもありませんでしたが、ここまでうまく畳みかけられたら投票しないと仕方がない。「あっ!」っていうべきところを「らっ!」といったりとかとにかく全てのボケがベタベタだったんですが、とにかく畳みかけが巧かった、手元のリアルタイム採点は低かったけど投票しました。3.0点

トレイントレイン 13位/15組中 22票 漫才「プールの監視員」

とにかく酷かったということしか覚えていない。ヤクザの客どう注意するとかそんなネタだったような、一緒に見に行った古典芸能やってる方が唯一ネタが終わった後に「これはちょっと酷かったね」とネタ終わりに始めて否定的な意見を言うために声をかけてきたぐらい。1.5点

極悪連合 6位/15組中 92点 漫才「どんなに悪いかアピール」

僕は先月に中村こと旋から前売りを買っていたのですが、今回の連れがまだチケットを持っていなかったので、NGK前で手売りしていた極悪連合のMr.Xさんとウルフさんから購入しました。
MCのジャンクションと同期ということで、ブリッジの司会のトークで弄られていましたが、その一貫でMr.Xさんが本名思いっきりばらされていました(笑)。Mr.Xさんは先々月の中山功太司会の際も「Mr.Xは謎なだけで、別に悪くない」と弄られておいしいなあ(笑)。
えーネタはいつもの自分たちが悪いかアピールで、いつもの内輪ネタが「ジャンクションのアホー」ぐらいだったのですが、会場のbase常連が「極悪連合の場合はなにをやってもOK」という空気を作っていたのを利用して、一見さんにも受け入れられる伸び伸びとしたネタの展開をしていました。
正直、前回みたときのほうが完成度の高いネタでしたが、今回は何か極悪連合を包む良い空気だけでなく、きっちりとそれを利用出来るくらいに力を付けているのが深く印象に残りました。ネタの出来だけなら2.0点ですが、総合的に見て4.5点、投票しました。あっあとネタ終わりのトークコーナーに入らなかったのは残念。

牛若丸 5位/15組中 102票 漫才「バイトの面接で印象を良くする」

今日のサプライズ一発目、バイトの面接の際の印象を良くしようという話で、「芦屋から来ました」とか「宝物は“人との出会いです”」と答えるとかいうネタだったんですが、ここはツッコミがいちいち変だったんですよ、つまりツッコミ台詞がそのままボケになっていて、要するに笑い飯パターンの「Wボケ、Wツッコミ」のネタ運びだったんですが、ボケとツッコミの入れ替わり方が自然で最初、ツッコミ台詞が変で面白いなあとか思ってみていました。正直、笑い飯が「Wボケ、Wツッコミ」の切り替わりのターン制をこのまま続けて袋小路に陥っていったら、取って代わられる可能性は充分にあると感じました。ただ現時点では僕も全体的にどんな構成だったのかとか、メモしていた部分のところでのボケが思い出せなかったり、全体的にフレーズ、構成に甘いところはありますが、やろうとしていることの枠組みが明らかに現状の笑い飯より上で、これは完成したら大化けすると思いました。
正直、牛若丸は評判も聞いていたので、あんまり期待していなかったし、事実一緒に見ていた人も驚いていたし、後でこの舞台を見ていなかった人に「牛若丸が良かった」といったら驚いていたぐらいですから、これがよっぽどのサプライズであるか理解して頂けるでしょうか? とりあえずこの出来でも充分に今年のM-1で準決勝には残れると思うし、ネタの完成度が高まれば数年の内にM-1ファイナリスト狙えますよ、マジで。4.5点、当然投票。

中村 14位/15組中 15票 漫才「河童が遊びに来る」

エンプロの旋さんが名前を変えてお忍びで受けたら通ってしまったビーコードということで、色々とお喋りもしていたで、正直サポーターぐらいの気持ちで見ていたのですが、これで点を入れたらこの人たちのためにならないという内容でしたね、次に期待したいです。2.0点

スーパーZ 12位/15組中 31票 漫才「ペットを探すバイト」

正直、このネタの出来でこの得票はキツイというか、baseの客層とスーパーZがあっていないとしか言えないわ、こういうコンビはさっさとうめだ花月に組み込むとか、東京行きを勧めるとか吉本さんに色々と考えてほしいです。今年のM-1はまた普通に準決勝には上がれるでしょう。ワニのネタクラスのネタを量産出来るようになっていると思います。投票、5.0点

西海岸's 8位/15組中 61点 ショートコント「言葉に出来ない」

3ヶ月振りのビーコード復活ということで、「ゲンセキ」でお馴染みのオフコースの「言葉に出来ない」に乗せてのネタでした。まあ久しぶりに返り咲いて落ちれないですからね、ここはテレビでお馴染みのネタで守りにはいるのは仕方ないけど、ちょっと残念。採点不能ということでお願いします。
ということで、日刊ナンセンスと極悪連合が地力を見せてくれたのと、牛若丸の衝撃が大きかった8月一回目の「ビーサンバトルA」でした。「ビーサンバトルB」のレポートに続く、この日のライブの総括もそちらでまとめて行います。