ビーコード「ビーサンバトルB」レポート

一個前のエントリー『ビーコード「ビーサンバトルA」レポート』の続きです。
なんかもうAのほうで良いネタを沢山見せられて感動してノリに乗ってしまって、ビーサンバトルBのチケットもスイミー船パラフィンキックがチケット売ってたので買ってしまいました。ということで、ビーコードビーサンバトルB」のレポートです。

MC:天津

話の内容が思いっきりAのジャンクションの続きになっていて、おそらくAの方から見ていた人たちなんでしょうが、フリの部分で笑いが起きていましたね、ここで後々にトークコーナーにまで続く、天津は二人ともホモではないかというネタ話に繋がっていきましたが、しかし今回の天津のMCは見事でしたね、力付けているというのを実感しました。正直、笑い飯や千鳥、麒麟、南キャンはさっさと東京に行かせて、ダイアンとかレギュラーはうめだ花月にまわして、アジアン、天津、NON STYLEを時期トップ組にすればいいやんと思いましたね。天津はbaseのイベントで積極的にMCに起用されるべきです。ノンスタにもいえることですけどね。

ベリー・ベリー 3位/15組中 101票 漫才「合コン」

本上まなみゲームとか上田歩武ゲームの流れとか、コンスタントにヒットはありましたが、ビーニ経験している、そこそこの知名度があるコンビということ考えると、このぐらいでは投票は出来ないなというのが正直な感想でした。3位の結果はそれなりに納得ではあるんですが、横で見ていた方がこの順位に不満を感じていたのも両方納得です。3.5点
あと、余談ですが歌ネタで、ちょっとだけ古い歌手の曲名やバンド名を言って、「歌のチョイスが古いなー」みたいな展開ってありますよね、これがbaseの年長さんの人たちやうめだ花月勢だと、T-BOLANというチョイスが多かったんですが、この世代の人はSHAZNAを選択する人が本当に多い(笑)、Aのほうでもspan!SHAZNAをネタに使っていたし、この辺の流行りというか、芸人さんが持ってくるところと言うのが似かよるというのは面白いですね。

牧戸上原 15位/15組中 25票 漫才「ミュージシャンになりたい」

メモで「図書館無許可」というのは、どんなボケだったか思い出せるんですが、もう一方の「お茶漬け」のほうはどんなボケだったかさっぱり思い出せない、まあその程度だったということで、ネタ中に「あーこれは落ちるわ」と確信してしまいましたし、一緒に見ていた方々もみんな口を揃えて厳しいという感想でした、1.5点

はやっさん 12位/15組中 47票 漫談「オカマ漫談」

僕は初見だったんですが、スミマセン、僕はネタ中にこの人は「ギャル男キャラ」だと思ってました(笑)。トークコーナーで「オカマキャラ」だと聞いてびっくりしました(笑)。
「(服のサイズが)LとMの間でエルム」とか自動販売機でどっちか迷って目を瞑って二つ押したら、どっちも“まろ茶”とか好きなフレーズが多かったのと、この漫談形式なら東のあべこうじと渡り合えるポテンシャルを感じたので投票しました。見続けている人には今日の出来は不満だったようですが、そういう点がこの順位になったんでしょうね、3.5点。

パラフィンキック 12位/15組中 47票 コント「怪盗ルビン(?)と銭形警部」

巡査に化けた怪盗が金塊を盗むというネタ、適当な感じが味と言えば味だし、面白いと言えば面白いんですが、さすがにこういうネタじゃあ評価のしようがないですよね、前回迷って投票しなかったコンビには、今回かなり甘く見ているところもあるんですが、流石にこれには投票出来ませんでした。3.0点

パステルモグラ 5位/15組中 84票 漫才「スーパーボウルを2階のベランダから落として遊ぶ」

というネタだったんですが、特徴あるツッコミの声を活かしたネタ運びで好感、「新妻のキャベツ切るリズムが崩れる」というツッコミ台詞は今日の一番フレーズ。投票、4.0点。
パステルモグラさんは以前にチケット購入の声をかけられて迷った末に断ったことがあるので、今回良いネタ見せて貰って下駄はかすことなく投票出来たのが非常に嬉しかったです。

暁 2位/15組中 138票 漫才「戦争に備える」

元・自衛隊員の人が自衛隊の服に見えんこともないような感じの作業服で登場して、戦後60年云々と語りだし→黙祷→「おまえらは平和ボケしてる」→入口の近くの人は違う、もしもの時にすぐに逃げれるようにしている→あの人は某国の工作員に違いない→ガスマスクあたりの畳みかけは見事でした。ほふく前進のネタがまんま水玉れっぷう隊のケンさんと同じでしたが、まあそこはご愛敬というか、いまのbaseの主要客層は知らんし(笑)。
暁は期待以上のことはしないけど、期待外れのこともしないので、こういう若手の劇場には貴重な存在ですよね、確実に及第点の計算は出来る、ただこういうコンビが一つステージ上がってビーニバトルとかになると途端に足下の弱さを見せるのも事実なので、次からは少し厳しくしたいですね、前回も投票して今回も投票しましたけど、今後は考えて投票したいです。しかし吉本の若手劇場というのは舞台でほふく前進する元・自衛官というのは随時標準装備ですか(笑)。4.5点

マシンガンズ 9位/15組中 61票 漫才「スモール星人→声高い」

ということがメモに書かれていた(笑)、とにかくコンビの背の低さとか声の高さとかを徹底的にテンション高くネタにしていたのだけは覚えています。「俺は水野真紀派じゃなくて岡江久美子派」「オールガスじゃなくてオール電化ってことやね」という近畿地方限定ネタとか、「昨日二分しか寝てないねん」というあたりは面白かったけど、多分ワザとやっているであろう古くさいテンション芸の展開が楽しいと言えば楽しいけど、まあここが限界かなという感じでしたね、個人的には舞台が終わった後出待ちしていたファンに向山さんが「面白かったです」という呼びかけに対して「いやー勢いだけやから」と対応していたのが一番面白かったです。3.0点

ゼミナールキッチン 6位/15組中 77票 漫才「ラーメン屋になりたい」

ラーメン屋になりたい相方にラーメン屋にとって一番大事なのは、麺が湯下上がったときに、振るときのチャッチャッが格好良くないといけないと指導するネタでしたが、後半かなりテンポが悪くてグダグダになっていて、僕には厳しく移りました、一緒に見ていた方は評価していたのですが、僕は6位でも高すぎると思いましたね、2.5点

金時 1位/15組中 148票 漫才「小学生がやるしょうもない遊び」

手をつくって『ここ6階、ここ1階、3階どーこだ』といって、間に挟んだ手を叩くというイタズラをモチーフにしたネタでしたが、途中でボケのオチを先に言ってしまうとか、大事なところで噛んでしまうというミスが連続したんですが、その全てのミスの箇所において、そのミスを巻き返しに使う手業が見事で、これが一位になるのは納得出来ない人もいると思いますが、こういう時に芸人の地力が出るというのは真実だと思います。本当は5.0点だったけど、まあミスがあったこと自体はアレなので4.5点、当然投票。

夜盗賊団 7位/15組中 70票 漫才「ウチのオカンは凄い」

MCの天津・向君に今日の出演者紹介の時に『オタク心をくすぐるコンビ名』と紹介されていて、何となく分かるような気がすると思いました(笑)。いきなり「どーうもワンパリチキンです」と自己紹介したり、とにかく色々と卑怯でした(笑)。とりあえずほとんど覚えていないんですが、とにかくやってる最中は楽しかったし、初のビーサンでこんな卑怯なネタをやりきったことを評価して投票しました、点数自体は3.0点ぐらい。

ビタミンS 14位/15組中 43票 漫才「実家の宅配寿司をやってみる」

兄妹コンビ、お兄さんが下着が透けているYシャツを着ていたりするのはキャラ作りなんでしょうね、古いというかオジンキャラをお兄さんの方は作っている印象なのと、男女コンビで女の方がツッコミというのは珍しいなと思いながら見ていましたが、評判結構高く聞いていたのですが、残念ながらそれほどでもなかったというのが印象でした。お兄さんの方はランディーズの中川さんに雰囲気がそっくり、若い頃ではなくいまのオッサンキャラになってしまった後の中川さんね(笑)。3.0点

ささえとうき 9位/15組中 61票 漫才「困ったこと→閉所快感症」

今日のサプライズ・第二弾がここでした。いや正直、この順位はそれなりに納得ですし、今回のネタの完成度とか笑いどころの数とかは大したこと無かったんですよ、実際僕は前半は「これはやりたいことは分かるけどダメだわ」と思ってましたし、ただ後半になってボケに対してボケで返して最初にボケた人がツッコミというパターンになってきて、ツッコミ台詞がボケになっていたり、ボケとツッコミの役どころが変幻自在になってきて一気に勢い付きましたね、はっきりいって現時点では各個別のボケが弱いし、漫才全体の構成もマイナス要因は多くあるのですが、牛若丸にしてもささえとうきにしても、ボケとツッコミの役割分担が極めて曖昧で、その交代劇の手際の良さは目立ちました。
牛若丸はカウスボタン、阪神巨人のような手際の良さを感じましたが、ささえとうきには笑い飯の進化版という評価を与えるしかないように思います。いやここまで牛若丸とささえとうきが自由自在にボケツッコミの入れ替わりを扱っているのを見ると、笑い飯の昨今のボケツッコミの入れ替わりのRPGのようなターン制がいかにわざとらしいか、テンポを乱しているかが露呈してしまったように思います。
とりあえずささえとうきにも牛若丸にも現状で、M-1ファイナリストの力は全くありませんが(正直準決勝もどうかわかんない)、しかしこれが完成すれば確実にファイナリストになれる素材を見せつけたのは間違いないと思います。それぐらいポテンシャルというのもちょっと違うんですが、今後に期待出来る材料を見せてくれたと思うと同時に、M-1の審査員が笑い飯とささえとうきと牛若丸を同時に見たときに、もう既に笑い飯のパターンは古いモノになっている、「Wボケ、Wツッコミ」の形を進化させているコンビがいるということを見たら、少なくともいまの笑い飯の出来では、笑い飯を決勝に残そうという気持ちにはならないでしょう。というよりこれで笑い飯を残したら、来年から準決勝の審査員は全替えするべきだし、いまの笑い飯を決勝に上げたところで恥かかせるだけ、本人達のためにもやめてあげてほしい。
こういう形で笑い飯のやってることを、より高度に高いステージでやろうとしている人たちが一気に二組も出てきたことは凄いことです。2005年8月7日は笑い飯が過去のモノになった日として、漫才界の歴史に残る日になったと思います。ささえとうきには当然投票、4.0点

鯉女房 11位/15組中 57票 コント「神様と生まれる前の魂の対話」

生まれる前に神様の前でくじ引きをして、今後の人生の運命を色々と決めるというコント。まあ普通でした。3.5点

ネゴシックス 4位/15組中 85票 コント「七夕の短冊」

エンタでもやっていた町内会の七夕の笹を片付けた短冊を読むネタ、正直「10年後、この笹の下で会えますように」→「おおっすまん片付けてしまった」というところしか笑える箇所はありませんでしたが、常連のお客さんに連れられたお友達が投票していたように日曜日ということで初見の人が集まるビーサンではそこそこ健闘出来ましたが、平日のビーニバトルでは厳しいだろうなあ、というかビーサンバトル一発目で昇格バトルへの参加確実という得票集められなかったのはネゴシックスの地力や知名度考えるとキツイです。ビーイチで最近苦労しているレギュラーもそうですが、このあたりのテレビの人気者でネタを作っている暇もない売れっ子はさっさとうめだ花月やルミネに移籍させてやってほしいです。正直、この辺に若手のネタバトルに参加させるのは誰のためにもならない、2.0点

スイミー船 8位/15組中 65票 漫才「桃太郎」

正直、いまさら桃太郎という設定のネタされてもなあというのが正直な感想、引きこもりの子供を説得するというネタがりあるキッズのネタのイメージが色濃いように、桃太郎は完全にシャンプーハットのイメージですし、それを越えないと投票はされないでしょう、ビーコード見に来るような客はそのぐらいシビアですよ、2.5点
ということで、span!、金時、暁あたりの地力、日刊ナンセンス、極悪連合のマイワールドの確立、そして牛若丸とささえとうきが確実に笑い飯を凌駕する可能性を示した、非常に価値のあるビーサンバトルでした。島田紳助じゃないですが、感動しました。牛若丸とささえとうきはこの流れを完成させてほしいなあ、今年のM-1には間に合わないかも知れないけど、じっくり作ってほしいです。いやー素晴らしかった。