お笑いと芸人に対する扱いの現状が、このままでいいのか!?を真剣に考えています

ここに書いている「エンタの神様」の話は噂話ぐらいに思っていたんですが、そうかプロデューサーが本人で言ってたのか、自分が芸人を面白くしているとか偉そうに思って入るんでしょうね、僕はどうもこの番組に限らず日本テレビの番組のプロデューサーやディレクターが入り込みすぎる番組作りが好きじゃありません。さんまさんと所さんぐらいしか本当の意味で対応出来ているタレントさんもいないような気がするし、あっ伊東四朗さんも対応出来ているか。もちろん悪いところばかりではなく、映像を何分か見てからトークみたいな構成の番組には、これ日テレのチューンしすぎる番組作りはあっているんですが。
しかし本来演者の自由度に任せるべきところまで、ズカズカと入り込んでいたり、使い捨てと批判されるような芸人の起用法も確かに気分が悪いです。
全体的に東京の芸人さんは、事務所の社員や先輩、テレビ局のスタッフなど口出しされやすい環境にあるようで、本人の資質にあっていないんじゃないか? というような芸風でやっている人や、一時代前のコントや漫才の流行を追ってるようなネタをしているというかさせられている人が多いように思います。
一方で大阪の利点というのは、吉本にしても松竹にしても、基本的にやりっぱなしというか『チャンスはあげるけど、それ以上のことは自分でやれ』という方針であることが吉本ではよく言われていますが、これは松竹も吉本ほど極端ではないけど、それに近い方針のように思えます。
一番自分というものを確立しなければいけない大事な時期に、『己の方向性は己で考えろ』というポジションに置かれるというのは、明らかに自分を成長させることが出来るし、大阪は同期、先輩、後輩、大師匠の芸を間近で見て勉強する機会が物凄く多いという利点もあるし、ヘンに弄られることなく自分自身で自分の芸をチューニング出来るというのが大阪芸人の最大の利点でしょう。
吉本や松竹が芸人の師匠制度を事実上崩壊させる、養成所スタイルを始めたのは、ヘンに先輩芸人によって型にはめられることを嫌ったというのはあるかもしれない。言われてみればさんまさんも鶴瓶さんも生活上のことは別にして、芸のことに関しては師匠からはほぼほったらかしにされていた訳ですが、ただこういう風にほったらかしに出来る師匠というのは少ないですしね、オール巨人さんなんかも南キャン山里さんに髪型変えろ、天津の向くんにジャージは止めろとか言ってたらしいし(笑)。そういう意味で大阪の芸人育成は『いかに自立させるか』ということに、以前は自然となっていたんでしょうが、最近は戦略的にそれをやっている感じがします。だから「baseよしもと」の芸人さんとかは「エンタの神様」に出ることがあっても、出ずっぱりにならないのは、ここのプロデューサーは芸人をいらってくるということに対する健全な警戒感があるんでしょうね。
ただ大阪の場合は、現状テレビ局のプロデューサーやディレクターに若手を育てるという気概が全くないという問題があるので、まさに笑い飯とかが代表的なんですが、ある程度大阪で自分たちを確立することが成功した芸人はどんどん東京に進出するべきだという意見に変わりはないです。ただこれは時期が難しいとは思う、あんまりにも関西でも名前が通っていないような段階で行くと、東京の芸人さんと変わらない環境になるわけだし、かといって中堅ぐらいの色がくっきりついてしまうと、今度は東京のテレビ局も使い方が難しくなる、陣内智則あたりがギリギリ良い感じでしょうね。
しかし大阪の局はなんで若手を育てなくなったんでしょうか、不景気で冒険が出来なくなったということや、若者の在宅割合が東京などに比べても関西は低いという話があるのですが(その割に街の景気が悪いというのも不思議な話なんですが)、テレビが完全にオバチャンのものになり、やしきたかじん上沼恵美子太平サブロートミーズ雅円広志原田伸郎、在阪局アナなどを起用することで安易に視聴率を稼げる状況などもあるのでしょうが、ダウンタウンのように自分たちが育ててもどうせ出て行かれるという思いもあるのかも知れませんが、ただダウンタウンは大阪では予算的にもスタッフの理解という面でも自分たちのやりたいことをほとんどさせて貰えなかったという思いを抱えて東京に行ったわけで、ダウンタウンに恩義を感じさせることが出来なかった方が悪いという印象は強いです。
芸人さんがスタッフや社員の人に恩義を感じる場合というのは、ダウンタウンにとっての川崎さんとか、よゐこにとっての難波マネージャーのように、周囲から『それではダメだ』と総スカンを食らっていた時に『君たちは間違っていない、そのままでいいんだ』と言って支持していたからであり、それは極楽とんぼとフジテレビの片岡飛鳥や、明石家さんま毎日放送の増谷さんやコナベさんとの関係にも近い。さんまさんは女性問題で関西の放送局から一斉に干されて吉本からも見放されかけた時に、上司の反対を押し切って増谷さんとコナベさんがさんまさんを起用し続けたから今があるわけで、だからさんまさんは大阪のマンションを引き払って東京に完全に移ってからも、毎日放送のレギュラーだけは続けて、いまも週一回「明石家電視台」のためだけに大阪に帰り、関西ローカルの深夜ラジオも続けている。
それを考えると、自分の都合の良いように作り替えることを演出だと思っている、それを偉そうに風潮しているプロデューサーに芸人さんが恩義を感じるでしょうか? 自分たちの本質を認めようとしない人に、我の強い芸人を目指すような人が心を許すでしょうか? 「電波少年」に出ていた芸人さんから当時のあの番組のプロデューサーへの感謝の言葉というのはあまり聞かないですよね、最近の波田陽区を見ていると確実に「エンタの神様」から逃げる準備を始めているように思うのは僕だけじゃないと思います。(振り逃げプロ野球