競馬とは過去を振り返ることが愉しいスポーツ

競馬歴の長い方、それもテレビなどに出られる方は、自分の意見以外に言わなくてはいけないこと・新しいファンに伝えなければならないことっていうのがあるんじゃないでしょうか。
m-waniの日記〜ワニ思う、故にワニあり。:杉本清氏と井崎脩五郎氏

途中になっていた『競馬ジェネレーションギャップ問題』の話しを少しだけ再開すると、やっぱりこの問題の根底の部分には競馬歴の長い、メディアに出て競馬を語る方が、昔語りを最近しなくなったというところが大きいと思っています。
僕が『サラブレ』って競馬雑誌を買わなくなったのは、『20世紀最強馬を決める座談会』みたいな企画を、杉本清井崎脩五郎鈴木淑子という面子で、三人が揃いも揃って『サイレンススズカが最強』って言いだして(笑)、それで僕は『サラブレ』も買わなくなったし、この三人を信用もしなくなったんだけど(笑)、こういうときに昔の馬、自分が競馬始めたばかりの馬を持ち出せないというのは、バランス取ろうとして帰って取れなくなってるとしかそのときは思えなかったんですが、いまはもうちょっと違っていて『年寄りは趣味に関しては思い出を美化して、若者に説教垂れるべき』だと強く思いました(笑)。
競馬ファンに近年からはいったファンの間に、世代差、競馬歴によって層が出ているという話しが本当なら、やっぱり年寄りが昔語りをしなくなったという要素は大きいと思います。
でも現在の状況というのは、年寄りよりも、いま30代ぐらいの競馬ライターがそういう話しをしていない責任の方が大きいと思っていますが、オグリ世代、ナリブー世代と現在の最近のファンの乖離が本当にあるのなら、そのあたりを埋めるべき世代の人達がそのあたりの仕事をしていないから、というのは須田さんなんかはもう何年も前から指摘しているんですが、ご本人もそれは意欲はあるようなんですが、出来ていないんですよね、他が忙しいというのもあるんでしょうが、須田さんに限らずそういうことをしたくても、いまそういう媒体がないというのも大きいんだろうなと思うのですが。
実際90年代前半の名馬、いや名馬級はまだしも当時人気があった脇役みたいな馬になるともう辛くなる。インターマイウェイナリタブライアンナムラコクオーとともに三強なんて言われてた時代があったなんてもう誰も言わなくなってる(笑)。
いやでも僕が競馬始めた頃ってビンゴカンタあたりが物凄く語り継がれていた記憶があるというか文献も手元に残っている以上、現在がそういう状況にないことは寂しい限りです。
別冊宝島『競馬名馬読本』は、先日、別冊宝島シリーズの何周年か記念で復刻していたので、もし良かったらどっかで手に入れてください。別冊宝島の昔の競馬読本シリーズはamazonのユーズド商品としても多く出ているので、是非こちらから探してみてください。あと『競馬 最強の法則』の昔の名馬物語みたいな記事が、『Yahoo! 競馬』に転載されているので、そちらも読んで貰えると嬉しいなあ。アイネスフウジンの回の中野栄治騎手の話しを、現在調教師となった中野栄治の騎手の選択の仕方などを見比べてみることは大変に愉しいことだと思う。
競馬は過去を振り返ることが唯一許されたスポーツといってたのは誰だったけなあ、でも本当に過去を振り返ることがそのまま現代、そして未来につながっているのが競馬だと思うし、それが競馬の楽しみなんだから、先人達は昔のことをどんどん語り継いでいってほしいと心の底から思います。

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まあ生きていれば良しとする:過去を語る事
GREEN FIELDから:[競馬ジェネレーション問題]
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