「Winny開発者逮捕」で識者の反応様々

本日の締めに識者の方々の見解をご紹介しておきます。以下は上リンクとは別物ばかりです。
しげぽんさん経由で毎日新聞より。

これが法律違反のほう助なら、アインシュタイン核分裂の発見者は原爆投下をほう助したことになるのか。それどころか、ウィンドウズを開発したビル・ゲイツ氏は「ウイルスまん延のほう助」という見方さえ成り立ちそうな気がしたからだ。
MSN-Mainichi INTERACTIVE発信箱:ウィニーの責任

前者は面白い意見だけど、後者は『その通り』という声が出そうです(汗)。

事の発端は、噂レベルで行くと02年当時、業界の某重鎮のご子息が本屋にて某禿社製Winny+WinMXムックを入手、ハッピー海賊ライフを楽しんでおられたのを知って激怒。即刻これをやめさせ、関係者を呼んで事情を聞いたところ「違法ピーコについては前々から現場では問題になっていたが、うまく上に情報が伝わらなかった」。要するに盗人を捕らえてみれば息子状態で頭に来た偉い人が、コンテンツ業界を守るためにあらゆるピーコを法的に封じ込めたい意向を強めた、ということのようだ。
切込隊長BLOG 〜俺様キングダム:金子氏@Winny逮捕と輸入CD禁止にみる産業界の意向

P2P及びCCCD輸入権問題に関しては、ほぼ特定個人のミスターXみたいな黒幕がいるということは、方々で話題になっていてもう既成事実と考えて良いみたいですね、本当に日本は僕たちが思っていた以上に、少数の人間の意思によって動かされている国だったんですねえ。

これはただちに言論統制というわけではない。とはいえ、「いまの著作権制度は古い」といった発言を萎縮させる効果があることは間違いない。そして、警察もそれは分かっているはずです。こんなことが許されていいのでしょうか。
hirokiazuma.com-blog Winny開発者逮捕2

いまの法律に反対するようなことをいうと罪になるというかなり拡大解釈が可能っぽい、あっそうかこうなると『憲法改正論』なんてのは当然違法行為になる、だからサヨクの人はこの問題について警察を責めないのかもしれない(笑)。
まあ冗談はおいといて、東浩紀さんは僕は正直よく分かんないし、書いてること読んでもあんまり賛同できないんですが、『Winny開発者逮捕』『Winny開発者逮捕2』は問題点がまとまって整理されていて、非常に良いと思います。というか今後今回の逮捕を批判する人はこれを紹介するだけで充分です(笑)。
続いてはオタクで有名な読売新聞の記者さんのBlogで、各新聞の見出しを紹介して、各紙のこの問題に対する取り組み方や力の入れ方を浮き出していますので必見です。

ただし私自身は、開発者の行為が現行の著作権法に触れるとは考えていません。それは、開発者が裁判で有罪になるか無罪になるかとは全く無関係です。
Fuku Diary:続・「Winny」開発者逮捕について

現行の法律に触れているとは思えないのに解釈でどうにでも出来て逮捕できる国・日本、それが司法の場の有罪無罪の判断でも適用されるのか注目です。というか京都府警は本当に起訴するつもりなのか? というか出来るのか、いまだに不思議ではありますが。
ラストはすっかりお馴染みの音楽配信メモ津田大介さん。12日の音楽配信メモは実質的に本件のコラムリンク集になっているのでご紹介、ちなみに10日はニュース記事一覧になっています。

この問題に対してWinnyを特に使ってない学者さんとか、ソフトウェア開発の人の中には擁護の姿勢を見せている人もいるのに、肝心のWinnyコミュニティーの人たちがこうやって「逃亡」しちゃうと、自分達のやってたことが著作権侵害幇助に当たるって自ら宣言しているようなもんだよなぁ……。
音楽配信メモ:関連HP運営者宅を捜索 ウィニー、ページは閉鎖

ただ例えば『Winny TIPS』なんかは、『匿名掲示板(仮)』のように自鯖とかだったわけではないので、サーバーをレンタルしていた業者さんが解約した可能性も否定できないと思います。いまの感じだとホスティング業者が家宅捜索されてサーバー丸ごと押収とかされかねない状況考えると、レンタルサーバー屋さんが尻込みしても無理からぬと思われます。
ラストはちょっと角度を変えた唐沢俊一先生。基本的に逮捕はおかしいし普通にやれば有罪にはならないだろうけど、47氏に逮捕されても仕方ない部分があるだろうというスタンスで、津田さんと唐沢さんは似ていると思う。

嫌な予感がするのは、これでまた軽率な若手文化人たちが金子氏擁護のつもりで著作権批判、警察批判、有罪が確定した場合の検察批判などを法廷で、またマスコミを通じ、ラチもなく繰り返し、かえって金子氏の立場を悪くすることになりそうな雰囲気が感じられることだ。松文館裁判宮台真司がふるった弁舌が、逆効果で裁判官の 心証を害して有罪判決が下ることになってしまった件の、二の舞を演ずるような予感が、ネットのあちこちを逍遙した限りでは芬々と漂っているのである。
裏モノ日記 2004年5月11日

確かにこのあたりは充分に注意しないといけないと思いました。この記事を支援している人にも紹介したくて支援Blogトラックバック送ろうと思ったのですが、受け付けていないようで残念でした。
しかし人間のやることとはいえ、警察も司法に対しても個人的にご機嫌を損なうと負けるというのは、恐ろしいというか、プロか陪審員制かなんて議論をすっ飛ばすようなお話しです。