TIPSページのサイト制作者の家宅捜索、HPは閉鎖

もはややり過ぎとか不当捜査とかの次元じゃなくなってきている気がしますが。やっぱりまず指摘しないといけないのは、京都府警の順番の間違いっぷりであり、それが多分意図的なものであるということでしょう。
まずTIPSのサイトが捜査されて、HPが閉鎖に追い込まれた件について。

 Winny解説ページの作者宅も著作権法違反幇助で家宅捜索(/.Jより)
 個人的には47氏逮捕の時よりも更に衝撃が走りましたね。地平線の彼方までひいたわ。
 もはやベタな表現でしかないんだろうけど、順番が明らかに逆だよなぁ。
 Winny本出してる出版社(アマゾンの検索)。
 なんでこっちを先にやらずにそっちに行く訳よと。宝島社。マガジンファイブ。アスキーデータハウスダイアプレス毎日コミュニケーションズ。そしてもちろんソフトバンクパブリッシング。どう考えてもこっちが先だろ。Winnyネタにして金稼いでる訳じゃないですかと。明らかに騒がれない抵抗できない個人を狙い撃ちしてるだけじゃないんですかと。
それでも明日はやってくる。:2004年5月12日

10日の朝日新聞の新聞記事より。

園田寿・甲南大大学院教授(刑法、情報法)は「今後、争点になるのは、開発者の故意の有無だろう」とみる。開発者がメールなどで利用者と連絡を取っていた場合、幇助容疑も成立するが、単に開発しただけなら違法行為の「あおり」にしかならないと指摘。「共犯が成立するためには具体的に犯罪が発生するという結果について予見していることが必要だ。でないと、パソコンメーカーやインターネット接続業者、Winnyのマニュアル本を出している出版社までも共犯に問われることになってしまう」と話した。
asahi.com:「故意」の立証が争点に Winny開発者逮捕

もうこれは弱いもの、個人などを京都府警が狙い打ちにし始めているという立証といえるでしょうね、いや本当に『Winny TIPS』を家宅捜査して、Winnyマニュアル本に対して捜査の手を及ぼさないというのは順序も無茶苦茶なら、このまま出版物は捜査せずに、TIPSの管理人さんだけが捜査されたままというのは、物凄い不平等です。
一体どういう名目で家宅捜査のための許可を裁判所から取ったのか、その文言を公開してもらいたいもんです。いやこの事件については散々ビックリさせられていたのですが、さすがにこれは引いたぞ、こりゃ鶴見済氏と太田出版が自殺幇助で起訴されるのも時間の問題じゃないか(苦笑)。
そして昨日も紹介した『Winny』で逮捕者を出すなら京都府警下鴨署の警察官が先だろうという極めて真っ当な指摘に対しては次のような回答を見つけました。

ひろゆきは"p2p著作権侵害に対して、日本では利用者を逮捕する流れが主流で、世界的にもそれが主流だったけれど、 今回は利用者を逮捕していくと、京都府警の身内を逮捕しなければいけなくなるので、利用者以外を無理矢理捕まえて、身内を逮捕しなくて済む道を模索しているんじゃないのかなぁ。>京都府警" なるほどね。
ぱさぱさ:nyタイーホの件 TIPSページのサイト制作者の家宅捜索はいきすぎ

いや本当に全てに辻褄が合いすぎる分析なんですけど(苦笑)、いや本当に京都府警は勝算があってやってるんでしょうか? それとももう行政も司法も産業もみんなグルでどうなるか決まっていたりするんですか? そうとしか思えないぐらいにやってることが無茶苦茶なんですか? 不当逮捕も捜査権の濫用も立件されれば関わった警察官は出世に響くぐらいじゃ済まないダメージなんだけど大丈夫なの? って……大丈夫なんだろうなあという予感しかしないんだけど(苦笑)。
もしかしたら47氏やTIPSに対して擁護的な論調の個人サイト、マスコミ全てを幇助で摘発する段取りなのかもしれない……とかいう陰謀論言い出しても冗談にならなそうなのが恐ろしいよなあ、本当に『これでは、戦前の高等警察と変わりないじゃん。』ですよ。
本当にこんなことしていて、日本の警察嫌いのサヨクどもは何をしているんだと、やっぱりあいつらはイカサマ達ばかりだとも強く思いますが、上でWinnyのマニュアル本を出している出版者達もイザとなったら怖じ気づく出版社ばかりの印象だし、やっぱりここは交通違反の取り締まりや歓楽街の防犯カメラ問題などで、普段から近年の警察体制の強化について特集している『週刊プレイボーイ』あたりが切り込み隊長になっていくんでしょうか? 週プレが最先鋒というのがもういかに他のメディアや運動家がふがいないか分かるよなあ、いやでもこの問題については専門の弁護士と大川興業総裁との対談記事がいまから楽しみです<ってやるよね?週プレは。
あー本当にビックリとか怖いとか以前に、純粋に引きまくったよ。

4.刀狩り
 なんだか京都府警の肩を持っているように聞こえているかもしれないが、筆者はこういう事態を憂えているのだ。
 特に最近は、やれ幇助だ、共犯だと言い、その範囲が恐ろしく拡大されて、なんでもかんでもパクられて有罪にされてしまう。注意の上にも注意が必要。慎重を期しても、なお足りないぐらいである。
《ESPIO!》 生安企画課長ほか

本当にこの件が調子に乗りすぎた結果、最終的に自分の首を絞めたね、といえる結果になりますように……。
でもなんか落とし所としては、アメリカのように開発者は無罪という司法判断は下るけど、京都府警の違法捜査という件は退けられて、有罪にはならないけど抑止として逮捕されるというのは続くというのが、何となくいま描かれているシナリオなのではないかと想像します。