studioZAZA BOX3 100人劇場『Newcomers Live!!』

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中座くいだおれビルという、中座の跡地にできているフードビルがあるんですが、そこにくいだおれ人形が移ってきた、というのはニュースなどでも見たことがある方もいると思うのですが、そこがくいだおれ人形と四階のライブホールを、集客の目玉にしているのです。
BOX1と呼ばれる200人規模の会場は、劇団のお芝居やダンスイベント、そしてたまにお笑い、BOX2は夏休み中はお化け屋敷をやったり、9月以降はメイド喫茶みたいな事もするようで、そういうことが出来る多目的なホール、そしてBOX3は100人劇場とあるように、客席100のライブハウスとして、演芸プログラムを中心に組まれています。
そして不定期で休んでいる日もあるのですが、ほぼ毎日のようにこの劇場で昼間にやっているのが、『Newcomers Live!!』という昼寄席公演で、出演する芸人さんが道頓堀の商店街に出て、呼び込みをしながら一日二回公演(土日祝は三回公演)を行っています。出演は主にスパンキープロダクションケーエープロダクションの若手芸人さんで、時折baseのオーディションやワッハのインディーズで見受ける方も出演しています。
この寄席公演が始まってから、僕はお客さんとしても、簡単なお手伝いとしても行ってるのですが、目から鱗になることが凄く多い舞台になっています。このライブは韋駄天、ひこーき雲、レモンスカッシュ、シャッフル同盟といった芸人さんが、エース級として出ているんですが、関西のお笑い好きな人達は、M-1の予選とか、大阪のテレビ局の賞レース予選、あと毎年こどもの日にやってるイベントとかで、吉本や松竹のファンの人も見ていると思うんですが、この人達って、まあ大概そういう舞台で外しているじゃないですか。こどもの日にやってるイベントなんて、この時間は罰ゲームかと思うような空気になるし、M-1でも三回戦行ったことある人、おそらくいないはずです。でもこの人達がみんな面白い、お客さんの笑いをしっかり取っているし、むしろM-1とかで彼らより活躍している、インディーズや元baseよしもとにいたことあるような人が、この舞台で苦戦しています。
このライブは平日昼間に、道頓堀を観光しているような、地方から来た観光客をメインにしているから、お笑いを見慣れていない地方の大人の客になる。そうなると当然のようにお客さんの傾向が変わって、求められてるものが違うんですよね。だからワッハやbaseでは受けるだろうなというボケが伝わらないで、ひこーき雲やレモンスカッシュの方が、会場を暖めているのは、凄い発見でした。僕は本来はM-1やbaseの笑いの方を求めるタイプのお笑いファンですが、この会場にいるときは、お客さんが作る場の空気によって、そっちの笑いの方が面白く感じるように、この時だけはなるのも面白い状況でした。
でもこの会場で受けている人が、また場所が変わって客層が変われば、また評価や客受けが逆転するのも事実です。だからこれはもうどちらが正しいとかではなく、どっちも間違っていなくて、全く違う道ですが、結局は最後に売れたものが正しいんでしょう。いやでもこの舞台観ていたら、いま吉本を目指している大阪の若手芸人が、いかに難しいところ分かりにくいところに向かっているか、というのは本当に良く分かりました。
そして今日は遂に三回公演で、全てに立見が出るぐらいの盛況だったようなんですが、平日はかなり集客にも苦労しているようなので、是非とも大阪にお越しの際は、いや地元の人も繁盛亭を盛り上げたように、是非とも中座を盛り上げてやって下さい。正直、ここの寄席に行くようになって、道頓堀の地盤沈下と言いましょうか、人通りの少なさには驚きを隠せないです。街のパワーが明らかに落ちているのを感じただけに、この劇場が起爆剤になって欲しいです。

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