西成のあいりん地区(釜ヶ崎)で暴動が起きている件

これは現実の社会、大阪の裏社会の現実という意味での面倒臭さと、その現実を分かっていない人たちが、中途半端に差別や貧困とか、反体制とかと絡めているという面倒臭さがあります。橋下知事の関西での人気の理由なんて事すら伝わらないんだから、こんな入り組んだややこしい問題が、生活実感が無い人に伝わるわけがない。というか大阪にいても、気付かない人は全く気付きませんからね、そういう街のど真ん中に長年住んでいても、分かっていない人は分からない。それでも書いてしまうんですが……。

「悪夢再び?あいりん地区で200人騒動 空き瓶や自転車投げる」事件です‐事件ニュース:イザ!

この件が全く報道されていないかのようなブログ記事が、多々見られるんですが、そんなこと無いですよね、関西のローカルニュースなどでは、早い時間帯に結構な時間を割いて取り上げている番組もあります。橋下知事報道でも思ったことですが、どうも全国ニュースとローカルニュースでは、内容に大きな違いがあるという事を東京の人も地方の人も良く分かっていない、というのを凄く感じてしまいます。

西成で暴動が発生している件とはてブの寒い反応について - 捨身成仁日記 炎と激情の豆知識ブログ!

ブクマでは冗談っぽく書いてしまったけど、「西成で暴動です」と報道しても、地元の関西人は「ああ、またか」で済ませてしまうから、在阪マスコミが視聴者の食いつきの悪いネタに時間を取らない、というのは真面目な所だと思うのと、紙媒体のメディアも何だかんだ言っても東京に集中している、大阪のドヤ街での暴力沙汰という事に、東京のメディアがニュース性を感じない、というようなことはタブーやら規制やらいう前に、考えておいても良いことだと思う、アキバ事件や仙台の地震、イランでの人質解放などの、東京のマスコミ人にとって、優先順位が高いニュースが、この間に目白押しだったことを忘れてはいけない。あと中央のマスコミは取り上げない、興味がない、知らないことだけど、地元の人には常識、ということは別にこの件に限らず、沢山あると考えて良いでしょう。個人的にはもう少し全国のニュースは内容一律にする度合いは広げて貰いたいですが。
そのタブーや規制の件については、「ジャーナリズムは死んだ」という前に、この件についてタブーとか規制とかではなく、迂闊に踏み込めない、マスコミもどこに立脚して報道して良いか判断尽きかねている、という所はもう少し分かって欲しい所だと思う、少なくとも警察が100%信用出来ない相手だったとしても、その相手となる労働者支援している連中だって、ヤクザと新左翼同和利権者と宗教とが複雑と入り乱れた、信用出来ない連中だということは、押さえとかないといけない。事情の分かっていないマスコミは、たいしたニュースだと思わずに近付いてこない、事情が分かっているマスコミは、背景を警戒して慎重に動向を見守っているか、及び腰になっているかのどちらかだけでしょう。

日々。生きる現代文学 : 釜ヶ崎の深夜の暴動をみた

このように実際に暴れているのは、暴走族風の若い人たちで、労働者は遠巻きに傍観しているか煽っているか、という所のようですが、いま組織暴力団は全国的に暴走族を、将来の構成員化する若手のスカウトの場としているのは知られていますが、この若者達がどこから沸いてきたかは押して計るべし、まあ国家権力と喧嘩するのなら、ヤクザですら賞賛する人たちは多いという現実もあるのでしょうが。
あとこの地域は、難波や天王寺といった主要鉄道路線の終点駅が近く、大阪の繁華街ミナミからは徒歩圏内、観光スポットの新世界からは目と鼻の先にあり、最寄り駅の新今宮駅も重要な乗換駅という立地条件にも関わらず、バブル期の開発の波にも全く晒されることなく、こういう街が残ったという事については、もう少し頭を働かせて貰いたいのですが。

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このニュースは結構この問題を遠回しな解説になっている事件だと思う。こういう人たちの利権になっている現実、それにメスを入れようとするたびに、政治家は失脚し、役人の家は燃えて、ジャーナリストは忽然と姿を消していった。
この件については、警察も信用出来ないけど、警察と対峙している側も信用ならない、そう考えて慎重に見守っていくべきだと思う、「トムとジェリー」の関係である可能性だって考えるべきでしょう。安易な国家権力と恵まれない層の対立という話に落とし込むのは危険です。おそらく警察官の労働者に対する暴力事件なんていうのは、この街では日常茶飯事でしょう。それはそれできちんと検討はされるべき事、しかしそれで何故このタイミングでだけ暴動に発展したのか? という所は別問題で、マスコミは警察の暴力の追求は出来るけど、そっちまで話を展開は、今の所させたくないんでしょう。
あと前回の暴動から、十年以上経ってこの暴動が起きたというタイミングは、橋下知事が同和行政、福祉行政に少しでも切り込むということをアピールした矢先、ということは頭にいれといても損はないと考えます。この問題が「マスコミがタブー」にしているのではなく、「社会全体がタブー」にしてきたか、という所を考えるのが重要、そしてそこにメスを入れると政治家や行政が本気になった途端に、こんな暴動が起きたというのは、ちっとは考えて良いんじゃないかな?