鳥居みゆきの新作DVDに感じる違和感の正体

DVD『鳥居みゆき ハッピーマンデー』 | おわライター疾走

今朝にこのエントリーを見たので、後回しにしようと思っていたけど早速見まして、ラリーさんの感想はほぼその通りだなと思うわけですが、他にも色々とこのDVDへの違和感的な感想は読みましたが、単純な回答が僕は可能だと思います。
「このDVDは、明らかに鳥居みゆきが、テレビでブレイクする以前に立てられた企画でしょ?」
ということです。
鳥居みゆきは、ここ数ヶ月の露出が物凄い量だから、つい感覚が麻痺しがちなんですけど、YouTubeとかでカンニング竹山と絡んでいる動画が話題になったのが、2007年10月なんですよね。

そして去年の末ぐらいには、まだ「来年ブレイクするんじゃない?」というイメージを、濃いお笑いファンや関係者だけが持っている状態だった。

爆笑レッドカーペット」とか「あらびき団」とかに当たり前のように出るようになったのは、この年末年始からなんですよね、「あらびき団」が初登場が12月のオンエアで、「レッドカーペット」も姉妹番組の「ピンクカーペット」への初出演が11月末のオンエアだった。
だからお笑いファン的に「鳥居みゆきが売れ始めた」という認識を持たれたのは、これらの番組への出演が当たり前になって、こういったネタ番組以外への露出も増えて、R-1ぐらんぷりで決勝にも行った、今年の2月前後だと思うんですよ、そしてこのDVDがAmazonで予約出来るようになっていたのが、2月頃というR-1の決勝があった時期の前後なんですよね。
つまり1月にブレイクの予兆を感じたり、2月にブレイクのきっかけを掴んだのを確認してから企画されたDVDではない、このDVDのスタッフはブレイクのきっかけとなった「GyaO」で配信されていたカンニング竹山の番組スタッフのようですし、撮影時期が2月だったということ、R-1の決勝を控えた時期だったということが書かれています。

東京エレファント☆映像ディレクターの日々 : 鳥居みゆき「ハッピーマンデー」

DVDの企画立ち上げから、実際の撮影に入ったり、Amazonなどで予約注文が出来るようになったのが二月と考えたら、企画の立ち上げはどんなに迅速な仕事であっても一ヶ月前、普通に考えたら二ヶ月から三ヶ月前という時期で、どちらにしても鳥居みゆきはまだネットで話題のアングラ芸人という認識で、まだ「彼女は本当に人前に出して大丈夫な人なの?」という感想が、ネットで飛び交っていた時期です。
つまりこのDVDの企画立ち上げから撮影に入る前の鳥居みゆきは、まだ「ブレイク前のマニア向けの地下芸人」という立ち位置であり、撮影中というのは正にブレイク始めたばかりの頃、そしてDVDが発売されたのは、完全にテレビでブレイクした後で、僕たちはこの映像を見ているというタイムラグから来るものこそが、この作品の違和感の正体ではないかと考えます。

鳥居をホラー演出で見せるっていうのは、あまりに直球ですからね。
DVD『鳥居みゆき ハッピーマンデー』 | おわライター疾走

そういう直球でマニア受けを狙ったDVDとして企画されてから、撮影から発売までの僅かな期間で、鳥居みゆきはネット受けの、マニアな人だけを市場にした存在ではなくなった。もはや現実の鳥居みゆきは、メジャーな舞台で似合わない事をさせられている違和感を楽しむという存在になっていた時期に、直球でマニアックな視点の作品が出たことの違和感、これはネタも面白いですが、その違和感を楽しめるという意味で、このDVDは一粒で二度おいしい作品に仕上がっていたと思います。
そしてテレビを舞台にしている人たちの浮き沈みの激しさ、存在の変わり方というのは、企画の進行が早くなっているはずのDVDソフトの世界ですら、追いつかなくなっているということへの興味、鳥居みゆきのDVDをこのタイミング出せた先見の明がある人たちですら、テレビが作った世の中の流れには、微妙にタイムラグが出来てしまった事の驚異というのは、ラリーさんのようなお笑いライター・評論家の人にはたまらなくおいしい素材ではないかと思いますが、いかがでしょうか?(笑)
今回はマンガコラムニストの夏目房之介先生が、ある時期から自身のマンガ評論に置いて、出版や流通の事情や、印刷技術の進化といったことを絡めて語ることを提唱して、実践するようになりましたが、このDVDに関しては、そういう視点を踏まえてみてみるのも、面白いのではないかなと思い、そういう視点も少し入れて書かせて頂きました。

この件に関しても同じような視点で、分析している人はいるんですが、それについては本人がブログに書いてくれるの待ちたいです(笑)。

鳥居みゆき ハッピーマンデー鳥居みゆき ハッピーマンデー
鳥居みゆき

カンニングの恋愛中毒 ~天狗芸人カンニング竹山を告発する!~ 東京腸捻転 ~虚心坦懐!!~ 東京腸捻転~落花流水~ 東京腸捻転 IN日比谷野音 ~20回記念!! 超夏祭りSPECIAL!!~ 笑魂シリーズ 『髭男爵/ルネッサンス~逆に聞こう!!何が面白い!?~』

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