「第38回NHK上方漫才コンテスト」

第38回NHK上方漫才コンテスト - 一汁一菜絵日記帳

親だ妹だ姪と一緒だったので、あまり集中してみることが出来ませんでしたが、だからこそ感じることが出来た所も織り交ぜて、感想を書きたいと思います。
女と男に関しては、こいし師匠の相変わらずのガチンコでの直球ダメ出しコメントで、会場はもちろん、テレビの前の沢山の人たちを凍り付かせましたが、この指摘は既に多くの人たちに本人達もされていると思うし、本人達も方向性として、それをやりたいというのはNHKのドキュメントでもやってたんですよね、でもそれが出来ないのは、baseの客がそれだと笑わないからなという所に着地してしまうんですよねえ、このコンビは若手の劇場を経ないで、飛び級NGKか新しくできる京橋花月を狙う為の活動をした方が良くないかな?
つるせんねんはこのネタは生で三回見たことあって、テレビで見るのは初めてだったけど、テレビを通してみると見えてくる粗が目立ちましたね、「実は置き引きだった」というオチは、オチとしてどうだったか? という事ではなく、話のスケール感を物凄く小さくしてしまった。せっかく大きな風呂敷を広げる設定を出せたのに、最後もの凄い小さく畳んでしまった。あとこれは他にも多数の方が指摘していますが、「未来から来た自分ではなく、単なる置き引き犯でした」というオチだと、色々と前半の設定が矛盾するのも気になった。単行本10巻とか20巻の漫画や小説なら、そういうことも仕方ないかも知れないけど、たかが4分のコントでそれがあるのはいただけない、面白かったけど台本や設定の穴が目立った。
我が家の風景としてのろしの所は、凄いダレてしまったのが残念でした。テレビで初見で見た人には単なるチャライ子がチャライ事しているだけの漫才に思われてしまったような、それは決して間違いではないんだけど、それだけに見られるような出方してしまったのは痛い。細かい所で面白いことがあっただけにもったいない。
とろサーモンは「とろサーモンだ」というしかない漫才、もうどこをどう切ってもとろサーモンがそのまま生で入っている、僕は個人的にとろサーモンの漫才の雰囲気が嫌いなんだけど、ここまで自分たちの空気と世界観だけで押し通せるのは、自分の好き嫌いを通り越して凄いと思う。
審査員が最下位だったスマイルは、僕も厳しかったというか、この漫才中に「チャンネルを変えても良いか?」という家族の視線が突き刺さりましたよ(笑)。あまりにもベタ過ぎるし、それを許される技術もキャラクターもなかった。
アジアンは良くも悪くもいつものアジアン、つまり例年通りということで、今年も「優秀新人賞」ということを、この場で確信しました(笑)。天津のときはテレビの前に僕しかいませんでした(苦笑)。
モンスターエンジンはもう死ぬほど見たことあるネタだったけど、安定感、爆発力共に今日の随一で、最優秀賞を確信したんですけどねえ……。
今回は家族で見たんですけど、うちの父親は基本的にお笑い嫌いなんですよ、だから今回の番組でも、とろサーモンモンスターエンジンの時に、凄い不満というか「こんなんどこがオモロイねん」とか言うんですが、でもこの二組に対してだけ、そういう事を言っているんですよ、他のコンビについてはそういう感想もないというか、きちんと見ないで新聞や孫の方に目がいったり、見ていても心ここにあらずみたいな感じで眺めているだけになっている。それと不満が口に出るのは、どっちが偉いのかということを改めて感じてしまいました。面白いとか面白くない以前の問題として、テレビの前で新聞に目をやることも、炊事場や洗濯物が気になったり、子供や孫の相手をしている方が楽しいという状況で、目や耳を思わず傾けるということは、それだけで価値の凄くあることなんだと思い知らされました。
実際に最終の上位三組については、不満を口に出していた二組が上がっていたのに、「そりゃそうだろう」という感じでしたからね、毒にも薬にもならないものというのは、やはり何よりも評価が低くなるんです。
集計作業中の合同コントは、何故か去年の最優秀のプラスマイナスと一緒に、一昨年の最優秀賞のチョップリンも出ていて、去年はチョップリンによる海原はるか・かなた師匠弄りでしたが、今回は横山ホットブラザーズ師匠弄りで、なんか色んな事が一周回って面白いことになっていた(笑)。
そして審査結果の発表でしたが、うーん、審査員だけでモンスターエンジン優勝にしてあげるべきだったなあ、大阪のお笑い賞レースで、視聴者による電話投票やネット投票をやると、完全に単なる人気投票になってしまうという、過去の毎日放送読売テレビでの失敗を、また繰り返すことになってしまいました。とろサーモンもアジアンも東京に行くんだし、いま一番こういう賞を必要とする状況にあった人たちが、一番良いネタやって現場の審査員投票ではトップになったのに、こんな形でひっくり返されたモンスターエンジンは本当に可哀想でした。
まあモンスターエンジンは来年もあるというか、これは来年リベンジして貰いたいですわ。というかNHKが点数を出すとは、そして一般投票と審査員投票を分けて発表するとは思わなかったなー(笑)。

『NHK上方漫才コンテスト』雑感 - 飲用てれび

「ケータイ投票が人気投票化したかどうか?」という点については、僕は本放送中に瞬間的に「単なる人気投票で結果が左右された」と感じたけど、「飲用てれび」さんの投票順位のまとめで、僕はこれは完全に「知名度が物を言った人気投票になった」と分析せざるを得ないです。ここまで綺麗に知名度順というのは怖いぐらいですよ(笑)。
まあ大阪の客やお笑いファンで、こういう投票やるとこうなってしまうのは、一番最初のM-1グランプリで、日本痔祐のお笑いファンにバレてしまっているので、何も言うことはないんですが(笑)。

つるせんねんが最下位なのは円広志が「オチが」とか何とか言ったからだと思う。
『NHK上方漫才コンテスト』雑感 - 飲用てれび

これは違うと思う、つるせんねんが最下位なのは、テレビにほとんど出たことがない、松竹芸人だからだと思います(苦笑)。大阪でネット投票や電話投票を入れると、単純に人気投票、知名度調査になってしまうだけのことでしょう。