『オシムジャパンよ!』(フィリップ・トルシエ)を読んだ : 〜ものかきの繰り言2007〜
リンク先の書評の通り、トルシエが普段言ってることをまとめたことだから、新鮮さはないし、新しいことについて語っていても、トルシエならこう言いそうということを、トルシエファンやマニアならみんな予測できるとおりのことを発言していて、せいぜいネタ的に「中村俊輔と中村憲剛を血縁者と思ってました」というぐらいのものなんですが、「ジーコジャパンがこれほど叩かれる理由が分からない」「オシムジャパンのどこが良いのか分からない」と言っているような人には、最良のテキストというか教材になっていると思うのですが、そういう人は大抵トルシエのことも嫌いだから、読んでくれないだろうし、読んだとしてもまともには受けてくれないんでしょうねえ。
リンク先でGMSさんが太字強調しているところは、本当に大事なところだと思います。特に「目の前の勝ち負けは大局に関係ない」というのが、サッカーに限らず、日本にとって一番大事なところかなあとは思います。とりあえず目の前の試合で安易に感動したいという連中には、サッカーもオリンピックもあわせるべきではないんだけど、プロOBの評論家なんかでも、そっちに流される人が多いのが、一番困った所ですし、これがスポーツ以外の色んな所に悪影響を与えていると思う、前の大戦前のマスコミが軍部が暴走出来る空気作ったのも、そういうことだったと思っています。
トルシエとオシムとモウリーニョとドゥンガって、言い方とか表現の仕方に世代や生まれた国の文化の違いはあるけど、監督としての方向性とか倫理観が凄い共通しているなあと思います。
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サッカーライターとかにも「「考えるサッカー」なんて言われても分かんない」とかブログに書いてしまう人がいるけど、日本人は論理や理屈ではなく、スポーツを見たり語ったりするにおいて、感情が先走りすぎている。サポーターはそれでも良いかもしれんけど、OBの評論家とかジャーナリストがそれでは困ります。
- 過去記事:『オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言』(フィリップ・トルシエ/アスキー)(2007年7月17日)
オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言 フィリップ・トルシエ by G-Tools |