「爆笑オンエアバトル セミファイナルBブロックin明石」放送日:2006年03月11日

今さらながら書きます。

磁石 漫才「親友を励ます」

相変わらず構成素晴らしいし、個々のフレーズセンスも抜群、あとはどう大きな爆発的な笑いにそれを持って行けるかだけでしょう。

とろサーモン コント「こけし

日本語学校の設定、普通にスカシ漫才やれば確実にファイナルに残れたでしょうに、この彼らの立ち位置を考えたら大舞台のはずの舞台でこれを持ってこれるのはハイキングウォーキング同様にエライと思うし、本来とろサーモンがやりたいことは、スカシじゃなくてこういうコントなんでしょうね、baseのバトルでも大事なときはコント持ってくることが多かったし、これを高得点に出来ないというのも、ある程度お客さん採点方式のライブやテレビの限界だなあ、少し次長課長風。

トータルテンボス コント「手が長い転校生」

ルミネのバトルイベントでも大事な局面でこれ持ってきていたような、面白いんだけど僕はトータルテンボスはコントになると特徴が消えて普通の面白いコンビになってしまうと思います。漫才のように当たり外れはあるけど、当たったときの大きさが出ないコントのように思います。はっきりいって劣化版チョップリンになってると思います。それでも充分面白いんですけど、一つの出オチなボケを引っ張りながらも、出してくるボケが少しずつ一つ前のボケよりもレベルが高いというか、意外性の高いボケをきちんと順番に持ってきていて、この構成力の高さは流石の一言です。

東京03 コント「サッカー部員の入院の見舞い」

こういうルールだとお客さんも一緒に盛り上げられる歌モノは強い、予想外の手拍子に演者が一番驚いていたようにも思えましたが(笑)、あとやっぱりこういういかにも東京っぽいコントの作り方は、免疫のない大阪の人には意外とハードルが低かったりするのも勝因だったように思いました。

イワイガワ コント「雨やどり」

ここは20分ぐらいないと無理ですね、世界観をお客さんに浸透させる前に終わってしまった感じです。

星野卓也 漫談「ありえない魚の名前」

どっちかというとネタの内容より、早口の展開で持って行った感じ、この人のネタのチョイスが凄い浅く感じられて僕は好きじゃないんですが、こういう芸風も実は案外関西人は弱いんですよね、出番順もかなり有利に働いたと思います。NON STYLEの真後ろとかだったら多分無理だった。

NON STYLE 漫才「井上のイキリ」

皆さんこれが関西でいま一番面白い若手漫才コンビNON STYLEです。そんな風に紹介できる日がついに来ました。この日の一位でしたが、それにふさわしい素晴らしい漫才で、かなり本人達もノッていましたね、実際に乗りすぎでタイムオーバー寸前だったようですが。やっぱり僕はNON STYLEを決勝に上げなかった去年のM-1準決勝の審査は疑問です。ここは後はbase卒業のタイミングを間違わずに最高のタイミングで東京移籍を果たしてほしいです。早すぎても遅すぎてもそのタイミングはダメだから難しいでしょうが、先人達の例をよく見て決めてほしいです。

パンクブーブー 漫才「時代劇をやりたい」

凄く面白かったんですが、あまりにもボケが並列的すぎたか、後に引く笑いがなかったのが投票行動に結びつかなかったように思えますが、でもやっぱりここは上に上げて欲しかったなあ。

U字工事 漫才「田舎の風景→ラーメン屋」

ここは栃木弁のリズムにお客さんが馴染む前に、自分殴りをやってお客さんを引かせてしまって挽回できないままズルズルといってしまいました。これは指摘している方もいますが、去年の漫才アワードと全く同じ敗因です。意外と大阪の人って身体を張るというか、自分の身体を痛めるみたいな笑い苦手なところあると思っているので、かなり序盤であの自分殴るのやってしまったのは失敗だったと思います。まだお客さんを引かせた後に挽回できる力もなかったという所でしょう。東京で評価される前から関西人の審査員が中心のM-1ではかなり早い時期から上位進出していたように、元々関西人好みの漫才するところだけに地力がもっと欲しいところです。

5番6番 漫才「脳年齢を鍛える」

善し悪しを判断する以前の問題ですよね、あそこまで緊張感が丸出しだと(笑)、まあ仕方ない。まあ関西の人はいかにも東京臭いコントや漫談には弱いのに、オーソドックスな東京漫才には異様に厳しいので、万全の状態でやっても苦しかったとは思いますが。
全体の感想としては誰よりも誰というほどのことではないですが、とろサーモンパンクブーブーはファイナルに上げて欲しい内容でしたねえ、結果的にNON STYLE、磁石、トータルテンボス星野卓也東京03と意外かも知れませんが、関西の人の好みや弱いところを考えると、順当な五組が残ったと言えるように思います。