ストリーク1Hソロライブ「キンケード」

体調が凄く悪かったのですが、記録的にチケットが売れていないということを聞いて前売りを買っていたので行ってきました。とりあえず客の入りは座席は完全に埋まっている感じで一安心でした。客層はまあ確かにいい年の男がチラホラいたけど、全体的には男女比も世代層もいつものbaseとそれほどかわんない感じでした。

オープニング漫才「韓流ブーム→結婚の挨拶→泣いてる子供をあやす」

恒例のまいどー!!の儀式の後で、いかにチケットが最初売れてなかったか話、8月15日の段階で39枚と矢野の背番号しか売れていなかったけど、手売りで物凄く売ったという話から漫才へ、カムナを「種田」といい、アンニョンハセオを「赤星走れよ」と全部野球の選手や用語に聞き間違えるという、まあストリークのいつものです(笑)。
その後も結婚の挨拶でお父さんを「王さん」とか泣いてる子供をあやすのに、「片岡→ペタジーニ→種田→駒田→矢野」と形態模写を続けるという、オープニングにふさわしいストリークらしい漫才でした。

VTR「タッチ」

タッチの曲が流れる中で、ストリークの二人が腕相撲や筋トレをしているというイメージビデオ風のオープニングVTRが流れる。流していたのが岩崎良美のオリジナルではなく、最近のカバーの方だったのは減点材料(笑)。

コーナー「D・トピックス ストリーク!」

Dは大介のDということで、山田大介の興味のあることを紹介していくということで、当然のように野球の話で、まずは2ちゃんねるのアンチ野球板の書き込みを紹介って、君らはホンマに2ちゃんねる好きやな(苦笑)。そして「野球のどこが嫌い?」という会場でやった事前アンケートの結果を紹介して、その流れでプロ野球選手名鑑から面白い選手や名鑑の誤植を紹介。
以下、紹介した選手の名前だけ列挙していきます。井川慶、ペタジーニ、ラミレス、森本稀哲、ローズ、カーライル、ラス、宮本慎也、河原隆一、平田隆男、ブラウン、フランクリン、小田幸平の名鑑を紹介、あと阪神の久保田と千鳥の大悟が似ているという話もしました。
ここでビックリしたのが、「平田コーチが退場になったこの前の試合で〜」みたいな話になったときに、会場の女子高生っぽい人たちのほとんどが、「あーあの試合ね」みたいな反応をしていたこと、ホンマかいおまえら(笑)、この話は後で別のところで話したときも驚かれましたが、あんなに野球詳しいファンが集まってるんなら、単独ライブは深い野球ネタやっても大丈夫じゃないか?

VTR「東京ラブストーリー

吉本さんが一人二役で、「東京ラブストーリー」の「SEXしよ!」のシーンを再現(笑)、そして吉本峰之の唄う「ラブストーリーは突然に」をBGMに流れる、吉本さんが一人で全部の役をやったオープニングの再現VTR、会場は爆笑と失笑が渦巻いていました。もうなんかあそこまでされたら笑わな仕方がないという感じで笑いました。

漫才「ジャイアンツ愛」

彼女が不機嫌になったり揉めてる理由を、無理矢理全部いまの巨人の問題に置き換えるネタ、「彼女が最近不機嫌やねん」「それは堀内んが悪い」とかそんなんですとか、そういうネタでした。「台風が台湾から来て沖縄、九州を抜けていきましたが」「違うわ、台湾から中日、阪神でいま中華料理屋や」「それ、台風やなくて大豊や」は今後しばらくツカミのフレーズとして重宝しそうです。
ヤングジャイアンツの話とか結構細かいところを丁寧に掘り下げているネタで、まだちょっと荒削りな部分もありましたが、何度もやっていけばかなり勝負ネタに今後していけるのではないでしょうか? やっぱり野球全般をテーマに広く浅くやっていくより、一つのネタで巨人なら巨人、阪神なら阪神と、一つのチームとか同タイプの選手とかに一つのネタで使う範囲を縛って掘り下げていった方が、深いネタになるんじゃないかなと思いました。

コーナー「頭文字番長ストリーク!」

箱の中に入ってる文字から、単語を連想して出た言葉でテーマトークというコーナー。
まず「り」で「旅行」の話、吉本さんが彼女といった白浜・勝浦旅行での超ノロケ話、baseって結構彼女とのノロケ話みたいなのをする芸人さんはいますが、ここまで正面切った大ノロケ話聞かされるのは初めてでした。ちょっと過剰にテンション高くなっている感じでした。
次は「お」でおとんおかん、山田さんは父からではなく母から野球を教えて貰ったとか、親子での野球観戦の話。
次は「に」で、当然のように「2ちゃんねる」の話題になり(苦笑)、吉本さんはネタ帳に2ちゃんねるに書かれている自分たちの悪口を書き写してることが判明、ホンマに何をしてるんや、そりゃ「最悪、器小さすぎ」とも書かれるよ(笑)。ちなみに吉本さんは2ちゃんねるには書き込みしたことないけど、「暴露サイト」にはしたことあるそうです、するな(笑)。続きのような感じで次の「ほ」は「ホームページ」で、NON STYLEの井上さんの掲示板が荒れて、それがストリークの山田さんの掲示板にも飛び火したという話、ホンマにやめてやれよなあ、そういうことしてるからタレントさんが自分で運営しているようなサイトはすぐに潰れてしまうんだから、ちょっとは考えろと思いますが、そういう話してると、荒らしてくれと言ってるようなもんだぞとも同時に思いました(笑)。

山田ピンネタ「形態模写」

阪神浜中の売った直後の走り方」→「川相がボール球をストライクに判定されたとき」→「山本浩二監督の顔」→「駒田の顔」→「横浜金城 左バッターの時動きすぎ」→「阪神藤川 ボール球で三振されたときの安堵の表情」でした。

漫才「CMに出たい」

一時間の公演のラストの漫才でしたが、いろんなCMに挑戦していくけど、結局最後は全部野球の話になるというネタでしたが、一番最後のオチへの振りを吉本さんが飛ばしてしまい、ライブらしいといえば聞こえは良いですが、まあ終わりでやっちゃったということになってしまいました(笑)。失敗して慌てているときに、「前に一緒に飲んだK選手が監督のこと大嫌いといってた」なんて暴露話でつなぐという、人を巻き添えにする展開にしていたのはヒド過ぎ(笑)。
そして最後は失敗しましたが、まあそれも含めて楽しい1時間ライブでしたが、一本目と三本目の色んなフレーズや歌を無理矢理野球の話に持っていくというパターンは、どうしても似たようなネタになりがちだったのと、いつもあまり深くならないように思えました。正直、この日のライブでも二本目のネタは一番笑いが少なかったのですが、でもこっちを伸ばしていった方が良いんじゃないかなと思いました。
どうしても同じく野球ネタを得意とする正統派のしゃべくり漫才ということで、青空との比較になりますが、ストリークが比較的分かりやすい野球ネタで展開するのに対して、青空はマニアックすぎるところに行きがちになるということで、結構僕の周りでも「ストリーク派」と「青空派」の意見があったのですが、僕は心持ち「現時点ではストリークの方かな?」ぐらいの感想だったんですが、かなりいまは青空側にシフトしています。
青空にしてもそうですが、たとえば天津のオタクネタにしてもそうなんですが、お客さんが誰も分かんないような元ネタを持ってきたり、引かせてもおかしくないような設定や展開でも、漫才の技術と笑いのレベルが高ければ、たとえお客さんがネタが分からなくても、面白そうな温度を感じて笑うし、いくら引かせても取り戻すことは意外と出来る場合があります。
だからストリークが分かりやすいところで止めているというのは、僕は少しそれは逃げなんじゃないかと思うようになってきています。特にストリークは天津や青空と比べても、現時点での技術力は一番高いし、安定感もある以上、もっとマニアックなことをやってもお客さんは付いてこれるはずなのにそれをしないのは、やっぱり目先のビーイチバトルで生き残らなくてはいけないプレッシャーの弊害かなあ(苦笑)。確かにいまのシステムじゃあストリークは一度落ちたら戻れないだろうしなあ……。
天津と青空に関しては、僕やカネさんが感動した7月の「新ネタライブ」のような輝きがある一方で、例えば同じネタをやって苦労している「ビーイチビーニバトル」とか、テレビでやってそんなに受けていないのを見ると、マニアックなことをやるのが悪いんじゃなくて、単純に青空と天津に安定感がないだけなんじゃないかなと思います。
ただだからといって安全なネタに頼らないで、果敢に挑戦している青空や天津というのは高く評価したいし、絶対に将来に向けて実になると思いますし、本人たちもその意識で現時点での評価とかについて、いまやりたいネタをやる、将来に向けての大事な時間としてチャレンジしていると僕は捉えているので、素晴らしいと思います。
ただストリークにそれをしろというのも、それはそれで違うというのも分かっているんですけどね、ストリークの場合は現在のポジションを守るというのは、決して逃げとか守りではなく、攻めるために必要不可欠なことですし、その辺が悩ましいよなあとは思いますが、ただ今回は自分たちのファンしか来ない単独ライブだったわけで、しかも平田コーチの退場ネタに反応するような人たちだったわけですから、もうちょっとマニアックなネタをやってくれても良かったんじゃないかなと思いました。正直、ここでそういうネタがなかったのは、今年の2月ぐらいから「ストリークは今年のM-1にラストチャンス枠から出場する」と言い続けていた人間としては少しというか、大いに不安になっています。まあこの三組が現在のbaseトップ組+南キャンより現時点では上という評価と、この三組+アジアン、イシバシハザマの中から最低二組、出来れば四組は今年のM-1決勝に残るべきという考えは、一応いまだに揺らいではいません。
以上、『お笑い解体新書 ブームの謎を完全に紐解くお笑いMANUAL MOOK (Vol.1)』で名前だけ出した人たちに対するまとめコラムでした(笑)。執筆者紹介のところに書いたアドレスから来た人のおまけに変えて、ストリーク、青空、天津についてでした。青空に関しては次のエントリーでもうちょっと続きます。