「二人が喋ってる。」

チャンネルNECO『「二人が喋ってる。」「金魚の一生」 犬童一心監督作品集』を放送していたので見たのですが、「二人が喋ってる。」はリンク先のGoogle検索結果を見回って頂ければ内容が分かりますが、当時もうすでに関西では次代のハイヒールと目されていたトゥナイトがトゥナイト役として出演している、女流漫才コンビが大阪を舞台にした青春コメディですが、正直貴重な資料として録画するついでで見ただけだったんですが、これが凄く面白かったです。
まず大阪を舞台にした映画というのは、大阪人の監督が撮ると、何故かリアリティのかけらもない、画に描いたような大阪というか、パブリックイメージとしての大阪を描きたがる傾向が大阪人監督には強いですけど、そういうのがなくて本当の意味でのリアルな街を撮れてるのに感動したのと、トゥナイトの二人が存在だけで画面を持たすことが出来る華を持っていたことを今更ながらに驚きました。
はっきりいってネタそのものとか漫才自体はアジアン、青空の方が上だと思うんですが、こういう才能だけは努力や練習でどうにかなるものではないですからねえ、しかしいまタレントとしてなるみさんが大成功しているのは当然のことなんだと思いましたね、二人の回想シーンの学生服姿は正直、当時の年齢考えても結構微妙でしたが(笑)。
しかしやっぱりここまできちんと大阪を表現出来たのは、やっぱり大阪の人じゃないからというのは大きいんだろうなあ、どうしても大阪の人が撮ると、大阪の一番ドぎついところをドぎつく撮りたがりますからね、正直、大阪を舞台にした映画を多く撮っている大阪人映画監督は恥ずかしがるべきだと思いましたよ、「いつの時代?」みたいなのばっかりだもん、大阪の人が撮る大阪の映画って、いや正直いってたった10年で千日前とか難波の周辺ってここまで街並みが変わっていたんだとビックリしましたよ。建物とかも変わってるけど、完全に街行く人の種類も変わったんですよね、NGKの前は更地だったし、ビッグカメラもなかったし、そうだよ10年ぐらい前まではあの辺ってこんな感じだったよと思い出させました。これは大阪を撮るという一点において、名だたる大阪人監督は犬童一心に完敗したといって良いんじゃないでしょうか。