青山ブックセンター閉鎖にまつわる大騒ぎに感じるマスコミ文化人の傲慢さ

自分は前の上京の際に、新宿のルミネの書店になんの予備知識もなくブラッと入ってその棚揃えにビックリして、次も来ようと思っていた矢先に潰れたという話は前にしました
しかしその後、この件については強烈に違和感を感じて、その後何もコメントしていなかったのですが、唐沢俊一先生が7月24日の日記で、万来堂日記さんが表題のエントリーを出してくれてようやくつっかえていたものがとれた気分。そうだよね東京の品揃えがユニークな書店チェーンが一つ潰れたからといって、日本の出版文化とかにまで話を大きくされるのは違和感あるし、正直何様のつもり? と思って当然ですよね、地方在住者としては、東京の人がというよりはなんか文化人の問題だと思うんですが、現在の東京の文化人って東京が日本の全てと思ってないか? と感じることが多々あるんですが、この問題はまさに象徴的だと思いましたよ。
あと書店経営の問題としては、旅烏さんもこのエントリーの最後の方で触れていますが、小売店業界というのは郊外に大型店を出すという流れは、別に昨日今日の話ではなくもう十数年前からの流れです。結局この流れに乗り遅れていたのが、本の出版流通の最大の問題であり、そこを新古書店業界やレンタルビデオチェーンに持って行かれたというのが、昨今の出版流通における問題の真実の一つなんじゃないの?*1
とりあえず一方的にコンビニやブックオフを悪者にするだけで安心している人がやたら多いように感じるのはとことん違和感ありますよ、そんなこといってる人が同じく口で他の業界の人が似たようなこと言ってたら、「甘え」だ「自浄努力が足りない、自業自得だ」とか言い出すんだから、それとも出版は特別とでも思っているんだろうか? その理屈で言えば農業だって、スポーツ施設の公共工事だって特別だっていう言い訳は立派に通用するでしょうに……。
とりあえずマスコミ業界の人の無自覚な特権意識ほど、イライラさせるというかむかつくものはありません。これならまだ官僚や新聞記者の特権意識丸出し自意識過剰の方がよっぽどアホでカワイイと思えるときがあります。

*1:そういうところを探っていくところから出版文化やマンガ史を探っていくという夏目房之介先生の近年の仕事は正しいと改めて思いました。