さんまさん、さんまさん

実は僕は競馬もサッカーもさんまさんに教えてもらったというところがあって、さんまさんが好きだから、さんまさんの好きなサッカーと競馬に興味を持ったという側面がある……というか、ご存じのことも多いでしょうが、さんまさんはヤングタウンをはじめ、深夜ラジオのレギュラーではコーナー全部吹っ飛ばして、60分延々と天皇賞の予想をしたりとか、ワールドカップの明日の試合の展望を語ったりすることがあって、競馬やサッカーわかんない奴は聞かなくていいという放送をしていた。それが無茶苦茶わからない頃から面白かったので、わかったらもっと面白くなるだろうなと思っていて、競馬もサッカーもこっちが面白さがわかってきたら、さんまさんの偏ってる上に押しつけ気味の競馬観、サッカー観で語っていることがわかってしまって(笑)、あんまり楽しめなくなっていたのですが。それでもその偏り方とかがラジオとかだと面白いかったんですが、ラジオはヤングタウン一本だけになってそのラジオもアップフロント枠が出来て以降、加藤紀子から現在のハロプロまでアイドル枠がサブパーソナリティに出来てしまって、昔みたいに濃厚な話しは期待できなくなってしまったし、TFMで短期間やっていたラジオはそういう話しをするような空気になりかけてたんだけど、その前に番組が終わってしまって残念だった。で、テレビになるとこれはもう方々で指摘されてるように、さんまさんが出てくるとどうしてもバラエティになってしまう。さんまさん本人は昔からラジオなんかでスポーツ番組のバラエティ化には苦言を呈していて、自分がスポーツ番組を担当したいといっていたんだけど、この人は出ているだけで存在しているだけで番組をバラエティにしてしまっている(苦笑)。
先日のトヨタカップの中継では、なんであんなにガットゥーゾコスタクルタの話しばかり出ていたと思う人もいるでしょうが、明石家さんま師匠は本来はああいう潰し屋系の選手のほうが好きなんですよね、あと基本的にベテラン好き。若いこれからのスターも好きだけど、いぶし銀のほうが好き。元々、一番好きなサッカー選手は現・スコットランド監督のベルティ・フォクツですし、何年か前はずっとことある事にシメオネの話しをしていましたし、先のワールドカップの前にやっていた予選のダイジェスト番組で、欧州と南米のベストイレブンを投票で決めるという企画でも、さんまさん一票票が中盤の削り屋とかベテランディフェンダーに結構入っていた。こういう趣味嗜好の人だから、「バラエティっぽくサッカー知らない人にもアピール」みたいな番組には、実はあんまり向かないんでよすね(笑)。まあテレビ大好きお笑い魔王だからそれなりにやっちゃうけど、コアなサッカーファンに薄いと思われるのはまあ当然かなと、あともうそういう地味な選手が好きな一方で、金満オールスターチームが大好きという相反する趣味嗜好があるんですよね。さんまさんの巨人ファンは有名ですが、メジャーリーグでもヤンキースが昔から好きだし、バスケなんかでもそうだったと思うのですが、ボスマン以降、ヨーロッパのサッカー界にもそういう金満オールスターチームみたいなのが誕生する流れが出てきて、いまはすっかりレアル・マドリッド大好きになっちゃってますから、この辺のところで元々の地味なプレイヤー好きという趣味嗜好ともズレが出ているんですよね。
あとこれは木梨さんとかもそうだけど、お友達プレイヤー、草サッカー仲間だった人たちが日本代表から離れだして、現役選手もほとんどいなくなって日本代表や日本サッカーに対する愛着がなくなっているのも、最近この人達がサッカー番組に出ていると浮いちゃう要因なのかなとも思う。まあさんまさんの場合は、日本人がヤンキースに入るのもいや、日本がサッカーでワールドカップに出るのもいや、というかなり屈折した欧米コンプレックスもあるんだけど、本当はラジオでもスカパー!でも良いんだけど、濃いスポーツ話しが出来る30分とか60分番組とか持って、民放のスポーツ番組はやらないほうが本人のためだし、ファンのためでもあるんだけど、そういう仕事は絶対にあの人しないからなー。まあそういうガス抜き仕事を必要としていないというのも凄い話しなんですが(ヤンタン痛快!明石家電視台はどう見てもガス抜きになってない)。
ただトヨタカップでさんまさんや原辰徳さんにカメラがいくのは、世界中継されている映像なのに納得できないという声がありましたが、プレミアとかリーガの中継でも現地のジャーナリストや地元のタレントみたいな人がしょっちゅう抜かれて、倉敷保雄粕谷秀樹が「この人は誰でしょうかねー(笑)」「きっと地元では有名な人なんでしょうね(笑)」みたいな話を良くしているのを見るので問題なしでしょう。