若手芸人の迷走ケース

baseよしもと閉鎖を受けて、今一度大阪の若手芸人での道というのを考えてみました。アジアンやとろサーモン、ソラシド、天津、笑い飯とbase卒業芸人の東京移籍が続いていますが、東京進出組はもちろん、大阪での活動を継続している人達も、非常に苦労が続いています。
baseよしもとを卒業して、いきなりお年寄り主体の劇場や営業での漫才が、活動の中心になった芸人の中には、お年寄りに理解して貰える漫才というのをはき違えて、単に古臭いだけの漫才になってしまってる人がいる。これは本人達の理解の問題もあるし、本当なら女子中高生が主体の劇場を卒業したのなら、次はもう少し大人の人達の前でネタが出来る環境があれば良いんだけど、大阪の場合は子供の前と年寄りの前という環境しかないから、芸人側が迷うのも仕方ないところはある。
あと大阪吉本の最近の若手コンビは加齢や、環境の変化伴うパーソナリティの変化を、うまく芸風に活かしきれないですよね、「実はツッコミの方が器用だった」みたいなことになっても、それをネタやキャラに活かすことが出来ない。特に大阪のコンビって一見個性薄い方が、イザ色んな事をやらせてみると、なんでも上手い事が多いのに、そういうのが無視されて「ダメな子」というキャラ設定を、いつまでも引きずるから変なことになっている。
いわゆる漫才ブームの時の「うなずき型ツッコミ」というのがいないのに、不器用なツッコミという役割の人達が、無理矢理そういうキャラを当てはめられることでの矛盾がある。天津の木村とか、ギャロップの毛利とか、とろサーモンの久保田とか、こういうのは天素のころから大阪吉本で出来てきた。なんか不器用なツッコミは、みんなトミーズ健と同じ扱いしておけばいい。というのがあって、それが色んな幅を狭めているように思う。
でも例えば天素だったら、蛍原さんはもっと複雑な面白さがあるし、フジモン宮川大輔なんかも、そういう幅に収まらなかったからいまのブレイクがあった訳だし、そして他にこの世代で不器用扱いされてるツッコミというと、ジャリズム山下と千原せいじということを考えると、なんかボケの不器用さを隠蔽する為に、無理矢理ツッコミを不器用なことにしているようにも思えるなあ。
実際にジャリズムなんかは、『正しい恋の作り方』とか、『渋谷でチュ』とかだと、山下の方がしっかり回していたし、後半はナベアツ空気でしたし、いまのナベアツの自分を立たせる為に、山下をダメな子扱いしているのは、本当に山下を救う為にジャリズム復活させたのかと思ってしまうよなあ。
宮迫、ジュニア、ナベアツが癌ですよ、吉本の、もうはっきり言っちゃうけど(笑)。この上に中間管理職的な親分として、木村祐一がいて、こいつらを松本、浜田、今田がかわいがってるという図式が、いまの吉本を悪くしてる(笑)。そしてこのピラミッドの下に、品川がいるわけだから、やっぱりタチの悪い図式が出来上がっているように思う。
いまこの並びで心配なのは、次長課長なんですよね、河本がどうもこのラインにのって、プチ品川化を始めている気がしてならない。でもせっかく大阪のそういう流れを断ち切って東京に行ったのに、東京の中のプチ大阪みたいな社会で、同じ事やっていては意味がないんですよね。これはルミネで「プチ・ガンガンライブ」みたいなイベンこれはちょっと話が変わってくるんですが、東京吉本の芸人で、若手取り始めた頃の芸人、極楽とんぼを筆頭に、ガレッジセールとかダイノジとかロンブーのネタって、東京漫才や東京コントなんですよ。この頃の東京吉本の芸人だと、関西人の二人でやってるDonDokoDonも、関西人なのにやってる漫才は完全に東京漫才。
でもこれより下になると、東京吉本の芸人みんな大阪になるというか、二丁目芸人と同じ流れの漫才やコントになる。でもこれって丁度、劇場の兄さんに130Rとか雨上がりが入りだした時期で、吉本の芸人が一気に大阪スタイルになっていく。それでトータルテンボスぐらいの世代は、もう最初から大阪の笑い、まあ大阪というよりは二丁目ですけど、いまのAGEAGE芸人とかは、完全にやってること二丁目劇場の流れですからね。
いま東京吉本の若手で、完全に東京の漫才やってるのって、名前のあるところだとPOISON GIRL BANDぐらいで、品川庄司M-1を意識しだしてから、大阪漫才に転換して「オンバト」出てた頃とは別の漫才になってるし、東京ダイナマイトにしても、最初は東京コントやってたけど、M-1研究しすぎて凡庸な大阪漫才になってしまった。
若手芸人には研究しないのも多いんですが、何故か研究しすぎる芸人というのも、キングコング西野とか、ハチミツ次郎とか、ユウキロックとか、良い流れの時は良いんだけど、悪い流れの時は研究しすぎて、凡庸なことに走りがちになってしまうんだよなあ。まんま去年のM-1優勝者の漫才のコピーになったり、若手がみんなやってる形になってしまう傾向とか、ボケとツッコミを入れ替えるとか、服装や髪形を分かりやすく変えたりとか、どうしてもしてしまう。
ここまで書いておいて、結論は「いやー難しいよなあ」という話だけで終わってしまうんですが。ただ冒頭の自分のキャラを決め打ちすぎない方が良いという話は大事、うまくいけばよゐこみたいな展開はあるんですからね。

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